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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

青黒忍者:サイバーパンク忍者・魁渡参戦!(レガシー)

岩SHOW
 

 アジア風の世界観がタルキール次元の魅力だ。モンゴルの平原や砂漠、中国の霧深い山岳地帯、インドなどの熱帯雨林……カードを見ているだけでアジアの自然豊かさが伝わってきて楽しい。その流れは『タルキール:龍嵐録』でも引き継がれているようで……プレビューが始まり、新カードが公開されはじめたが、どちらかというと能力は後から読み解いていくとしてビジュアル面で楽しませてもらっている。アジアって広いな、色んな顔があるなという……そんなアジアの一部である日本の要素はタルキールには見当たらない……かな。少し寂しくも感じるが、まあ日本は独立した神河という世界観が設けられているので贅沢は言えない。

 

 神河は古典の時代の日本風な世界観から時を経て、近未来サイバーパンクへと変貌。風景が変容しても、旧神河と現神河で共通する点も。その一つが……忍者!かつては瓦屋根と城壁を駆け上っていた忍者たちも、今では摩天楼のネオンを飛び交っている。忍者は世界的にも人気なコンテンツであるためか、マジックにおいても強力なカードが目立つ。

 最近では《悪夢滅ぼし、魁渡》がスタンダードやパイオニアで存在感を示している。クリーチャーが攻撃し、ブロックされなかった際にコストを支払いながらそのクリーチャーを手札に戻すことで、変わり身の術の如く入れ替わって攻撃を通すことのできる忍術という能力。これで戦場に送りだせるプレインズウォーカーでありクリーチャーにもなる魁渡。忍者を強化する紋章、ドロー、クリーチャーをタップし麻痺させると起動型能力も強力であるため、これの忍術を早いターンに成功させられれば一気に有利になる。そんな《悪夢滅ぼし、魁渡》、なんとレガシーの忍者デッキでも活躍できるようだ。その全貌をご覧いただこう。

Francisco Camargo - 「青黒(ディミーア)忍者」
2º Open MLL - Mont Legacy League 7-1 / レガシー (2025年3月15日)[MO] [ARENA]
4 《汚染された三角州
4 《虹色の眺望
1 《Underground Sea
1 《地底街の下水道
3 《
3 《
-土地(16)-

4 《羽ばたき飛行機械
3 《知りたがりの学徒、タミヨウ
4 《オークの弓使い
2 《悪意の大梟
3 《虎の影、百合子
3 《巧妙な潜入者
-クリーチャー(19)-
4 《渦まく知識
3 《思案
4 《意志の力
3 《目くらまし
2 《思考囲い
2 《致命的な一押し
1 《シェオルドレッドの勅令
2 《朦朧への没入
1 《残忍な切断
3 《悪夢滅ぼし、魁渡
-呪文(25)-
2 《バロウゴイフ
2 《記憶への放逐
1 《仕組まれた爆薬
2 《フェアリーの忌み者
1 《否定の力
1 《墓掘りの檻
2 《海の先駆け
2 《水流破
1 《外科的摘出
1 《思考囲い
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 レガシーで忍者デッキと言えば、その看板を背負うのは《虎の影、百合子》!彼女は忍者が対戦相手にダメージを与えると能力が誘発、ライブラリーの一番上のカードを公開してそれを手札に加える。単純な手札の枚数稼ぎに貢献するだけでなく、その後悔したカードのマナ総量分のライフを失わせるという極悪なオマケもついてくる。これで《意志の力》などを公開すると手札の質的にもライフ的にも、対戦相手には大打撃。《渦まく知識》や《思案》でそういったカードを仕込みつつ、《羽ばたき飛行機械》《知りたがりの学徒、タミヨウ》など低コストの飛行持ちで攻撃を通して忍術……これが忍者デッキの必勝パターンだ。

 《巧妙な潜入者》を併用することでとにかく攻撃が通ればアドバンテージが獲得できる作りになっており、《致命的な一押し》《目くらまし》などで強引に攻撃を通しても忍者らのおかげでお釣りが帰ってくる。そんなデッキに《悪夢滅ぼし、魁渡》を追加の忍術要素として投入、忍者を全体強化しつつ他の忍者の能力を誘発させる、闇に暗躍する忍らのチームワークを体感できるデッキに仕上がっている。

 

 忍者デッキでは忍術の元になるクリーチャーが重要で、そのチョイスを誤れば手札の忍者らが全く機能しなくなってしまうことも。《オークの弓使い》は戦場に出れば1点ダメージを飛ばし、対戦相手が最序盤に出してくるタフネス1を除去。瞬速で相手エンドに飛び出して次のターンに攻撃という流れるような動作も可能。オーク・軍団・トークンを生成し1枚で2体分のクリーチャーになるため攻撃も通しやすい。そして忍術で手札に戻すことに成功すれば、また出してダメージを飛ばせると良いことしか書かれていない。相手のドロー呪文に大きなペナルティをもたらす点も素晴らしい。そして《悪意の大梟》は飛行に加えて接死を持つため、これをブロックするのはなかなかに度胸と覚悟が求められる。攻撃を通しやすく忍術に貢献、これも戦場に出れば1ドローと使いまわしてオイシイ1枚だ。

 

 忍者デッキは0マナの飛行持ちである《羽ばたき飛行機械》を用いるものだが、それをさらに輝かせる構築を施したリストが主流であるのでそのテクニックも紹介しておこう。《改良式鋳造所》を併用。これは霊気装置を生成できるだけでなく、それを生け贄に飛行機械、さらにそれを生け贄に構築物と、トークンの戦力をランクアップさせていくアーティファクトだ。4/4の構築物を生成するためのコストは飛行機械のタイプを持っていればなんでも良いので《羽ばたき飛行機械》をこれに放り込んで、開幕から4/4展開という強襲戦術が取れるわけである。さらに飛行機械タイプでありブロックされないため忍術と相性抜群の《変わり身ののけ者》も併用し、時に忍者であることを活かして百合子らの能力を誘発させ、時に飛行機械として生け贄にして構築物を招きと、柔軟な働きを見せてくれる。このリストはおそらく《悪夢滅ぼし、魁渡》を試すためにこのパッケージが抜け落ちているが、これらのカードと魁渡の相性も悪くないので、どちらも込々のリストも気になるところだ。

 タルキールで描かれるアジア各国をモチーフにした世界観。これを楽しみつつ、ジャパン要素が欲しくなったらレガシーの忍者デッキなどで遊ぶ。マジックを通してアジアの奥深さを体感せよ!って感じで、新セットへの期待、高めていきたいな。

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