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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

赤単ゴブリン:新戦力、そして謎の1枚(スタンダード)
ゴブリンは多気塗中の様々なところに生息している。人間の次くらいには適応力のありそうな知的種族だ……いや、失礼。そのくくりは間違いかもしれないくらいおバカなヤツらでもある。次元や出自によって多少異なるが、概ね共通しているのは赤マナに基づいており火や機械を好む、騒々しくい連中である。『霊気走破』でもマシンで爆走する命知らずな……その言葉の意味も知らなさそうなゴブリンたちがカード化されている。
レアには注目するべきゴブリンの姿が見られる。《焼き切る非行士》と《咆吼部隊の重量級》、いずれも共通するのはエンジン始動!を持ち、最高速度に達した時にその本領を発揮するというデザイン。エンジン始動時に速度は1、そこから自分のターンに対戦相手がライフを失うという条件により各ターンに1段階速が上昇。速度4が最高速度であり、つまりは最速でエンジン始動から2ターン後にこの条件を満たせる。毎ターン対戦相手のライフを失わせる必要があるため、アグレッシブに攻めるデッキ専用の能力と言える。《焼き切る非行士》は1マナと軽く、最速でのエンジン始動→最高速度を目指せる1枚。威迫持ちなのでこれ自身でガンガン殴って速度を上げて、最高速度で二段攻撃を持つという自己完結した仕様だ。
そして《咆吼部隊の重量級》。戦闘の開始時にゴブリンを生成しそれを攻撃させるという、過去にも同様の能力を持ったゴブリンがいた懐かしさを覚えるリメイク的な3マナゴブリン。そしてこれは最高速度に達するとゴブリンの数だけマナを加えるという、なかなか強烈なマナ能力を得る。重量級だけで使っても自分とそれが生み出したトークンとでそれなりのマナは狙えるが……どうせならゴブリンデッキで使ってナンボだ。というわけで今回はこれら最高速度系ゴブリンを盛り込んだスタンダードのデッキを紹介だ!
19 《山》 3 《魂石の聖域》 1 《三本木市》 -土地(23)- 4 《焼き切る非行士》 4 《騒音の悪獣》 4 《ランドヴェルトの大群率い》 4 《焦がし切りのゴブリン》 2 《竜航技師》 3 《ハーフボレーの爆弾兵》 4 《咆吼部隊の重量級》 4 《群衆の親分、クレンコ》 2 《斉射の古参兵》 -クリーチャー(31)- |
2 《ドラゴンの餌》 4 《塔の点火》 -呪文(6)- |
4 《石術の連射》 2 《魔女跡追いの激情》 2 《噴出の稲妻》 4 《叫ぶ宿敵》 3 《除霊用掃除機》 -サイドボード(15)- |
同じタイプのクリーチャーをまとめて+1/+1修正するなど強化する役のクリーチャーを”ロード”と呼ぶ。これはかつて《ゴブリンの王》などがそのタイプを持っていたため。ロードというタイプは廃止されたが、その系譜に連なるものを今日でもロードと呼ぶわけである。スタンダードにおけるゴブリンのロードといえば《ランドヴェルトの大群率い》!これは2マナと軽く、シンプルに全体強化して打点を高めてくれる。またゴブリンが死亡すると他のゴブリンを唱えられるかもしれないチャンスが到来。全体除去では簡単に全滅先祖というゴキブリ並みのしぶとさを見せてくれる、ゴブリンデッキを組むなら外せないキーカードだ。
このロードの威力を高めるために《焦がし切りのゴブリン》《群衆の親分、クレンコ》などでゴブリンの頭数を増やしていくのがこのリスト。非常にオーソドックスな戦い方で、だからこそ強い、というのを体現したような良いお手本だ。ぞろぞろとゴブリンを並べて最高速度を達成し《咆吼部隊の重量級》からのマナで更なる展開へ…というのが理想的だ。溢れんばかりにマナを得たら《竜航技師》から恐竜・ドラゴンも生成しよう。この技師はクレンコが増やしたトークンなどに速攻を与える役にもなる。さらに余ったマナは《焼き切る非行士》のパンプに注ぎ込んで、パワーを膨れ上がらせての二段攻撃で大ダメージを狙うべし!
デッキリストを眺めていて「……誰だお前ぇ?」となったカード、ないかな?《ハーフボレーの爆弾兵》……これはゴブリンのロードであり、さらにゴブリンにありがちな一時的に飛行を得る(そしてその後無残に落下する)タイプのヤツ。赤マナを払えばこの爆弾兵が他のゴブリンを放り投げ、ターン終了時まで飛行を得るという仕様になっている。こうして空に射出されたゴブリンは、戦闘ダメージを与えると生け贄になってしまう。それがどうした、このターンに上から殴って勝てばそれで良いじゃねぇかよという姿勢が素晴らしく、これまた《咆吼部隊の重量級》のマナの使い道になるナイスなフィニッシャーだ。いざとなれば飛行クリーチャーのブロックというディフェンス面での活躍も見込めて面白い。
のだが、コイツ本当にスタンダードにいるのか?と。そう疑ってしまうのも無理はない。『ファウンデーションズ』に収録されているカードではあるのだが、これが登場するのは『ファウンデーションズ』のビギナー・ボックスと、同セットのジャンプスタート・ブースター。そのためまだ現物を目にしたことがないプレイヤーも多いんじゃないかな?この爆弾兵はなかなかやりよるカードの可能性もあるし、他にもこのようなカードが眠っている可能性もあるので、ビギナー・ボックスやジャンプスタートを眼にすることがあれば手に入れて遊んでみよう!
シンプルでありながら奥が深く、マジックを始めたばかりのビギナーからやり込んでいるプレイヤーまで、皆に試してみて欲しいのがスタンダードのゴブリン!『霊気走破』で面白さがアップしたこの種族、暴れさせるなら今が旬!
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