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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)

 

 『パイオニアマスターズ』がやってきた。2024年には様々な形で膨大なカードがリリースされたが、その最後の締めくくりはMTGアリーナにおける特殊再録セットだ。『パイオニアマスターズ』は構築フォーマット、パイオニアの範囲内から398種類のカードが収録されており、中にはアリーナで既に存在しているものもあるが、その多くは初登場となるカード達だ。たとえば……遂に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》が降臨!パイオニアを始めモダンやレガシーでも活躍する、全ての土地に沼タイプをもたらす超優秀なマナ基盤。ようやくアリーナにやってきたことで、黒絡みのデッキの完成度は一段階上になるだろう。

 現在、アリーナでは完全なパイオニアは導入されておらず、一部のカードが足りない状態のエクスプローラーという代替フォーマットがプレイできる。パイオニアの名を冠したマスターズセットの登場で、パイオニアの主流デッキに必要なパーツは概ね揃う形となった。マジックのデッキをクールという観点を第一に語る金曜のお約束、今週のCool Deck。さて今回はそんな『パイオニアマスターズ』収録カードより……

 

 《見えざる糸》に注目!このソーサリーはパーマネント2つを対象とし、それらをタップorアンタップする。暗号能力で使いまわすこともできるが、今回はそこは置いといて、《見えざる糸》で何を2つアンタップするのが良いだろうか。その答えはもちろん……

 

 《睡蓮の原野》!この土地は1枚で3マナを加えられる……のだが、タップ状態で戦場に出る上に土地2枚の生け贄を要求する。つまり結局のところ3枚土地を使って3マナ加える土地を手に入れるので、大きく得するというわけではない。しかしこれをアンタップさせることができたなら、他の土地では得られないほどの対価をもたらしてくれる。つまりこの原野を《見えざる糸》で起こせば、クールすぎるマナの海に飛び込めるってわけだ。原野を《演劇の舞台》でコピーすれば、原野2枚を並べることも難しくない。それらをアンタップすれば一気に6マナ。他にも土地をアンタップするカードを盛り込んだデッキがパイオニアの「ロータス(睡蓮)コンボ」だ。

 人気の高いコンボだが、このデッキのクールなバリエーションが最近活躍しているので、今回はそれを紹介しよう!

TheWitchKling - 「ロータス・コンボ(イゼット)」
Magic Online Pioneer League 5-0 / パイオニア (2024年12月10日)[MO] [ARENA]
2 《蒸気孔
4 《尖塔断の運河
4 《河川滑りの小道
2 《天上都市、大田原
4 《睡蓮の原野
3 《演劇の舞台
1 《
-土地(20)-

4 《砂時計の侍臣
1 《溺神の信奉者、リーア
-クリーチャー(5)-
2 《洪水の大口へ
2 《稲妻の一撃
2 《神々の憤怒
4 《考慮
2 《手練
2 《ヴァラクートの覚醒
4 《美術家の才能
1 《洞察の絆
3 《時を越えた探索
4 《見えざる糸
4 《熟読
4 《探検の地図
1 《願い
-呪文(35)-
3 《焦熱の衝動
1 《神々の憤怒
2 《洪水の大口へ
2 《濾過
3 《神秘の論争
1 《ナーセットの逆転
1 《溺神の信奉者、リーア
1 《タッサの神託者
1 《パルン、ニヴ=ミゼット
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 「イゼット(青赤)ロータス・コンボ」の登場だ。青と赤2色にまとめられたカラーリングがそれだけでクール。従来のロータスではお馴染みの《見えざる糸》《砂時計の侍臣》《熟読》の土地アンタップ要素を搭載。ドローしながらアンタップしてマナを加える動きを繰り返して勝利に向かうわけだが、そのプロセスにおいて重要な役割を持つのが《溺神の信奉者、リーア》。これで墓地の意図や《熟読》にフラッシュバックをもたらして再利用。特に《熟読》のおかわりは勝負を決定づけるもので、マナを増やしつつライブラリーをゴリッと掘り上げる。

 そうやって最終的には《願い》でサイドボードからゴールとなるカードを引っ張ってきてクールに勝利を決める。主に用いるのはライブラリーを引き切ってからの《タッサの神託者》だ。パイオニアでもお馴染みのコンボのゴールだね。《願い》もまたフラッシュバックは可能なので、《願い》→サイドボードのリーアを持ってきて墓地利用からの《願い》で勝ち、という動きも狙える。

 

 いかにリーアでドロー呪文をフラッシュバックできるとはいえ、そうもライブラリーを引き切って《タッサの神託者》でのフィニッシュが決まるのか?その答えになってくれるのが《美術家の才能》!非クリーチャー呪文を唱えれば、カードを1枚引いて1枚捨てる、通称ルーティングが誘発。これで《考慮》や《熟読》とあわせてモリモリとカードを引き込み、ライブラリーが空になるのを狙う。ちょっと手数が足りていないような手札でも、この《美術家の才能》で必要なものを引き込んで無理やりコンボ完走を狙えるのもクールだ。

 そして大量のルーティングが発生することから、《願い》で持ってくるカードを《パルン、ニヴ=ミゼット》にしてグルグルとカードを引いてはニヴがダメージを飛ばし、という勝ち方も狙える。《倦怠の宝珠》などで神託者を封じられても問題なしというわけだな。《美術家の才能》は同じくパイオニアの《弧光のフェニックス》デッキでのポジションも得ており、今パイオニアで最もクールなエンチャントかもしれないね。手に入れれば色んなデッキに挑戦できる、そんなカードをクールと評したい。

 《見えざる糸》がもたらされ、いよいよアリーナでも「ロータス・コンボ」が本格始動!『パイオニアマスターズ』で一気にパイオニア要素が強まった、MTGアリーナのエクスプローラー。この冬遊ぶのにオススメだ。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Master the Pioneer!!

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