- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)
現行スタンダードで最もカッコイイ1枚を選べ!と言われたら……迷うねぇ。でもなんだかんだ言ってやっぱり《イマースタームの捕食者》かな。『ファウンデーションズ』のStarter Collectionに再録されたこのカードは、黒と赤の2色のクリーチャーらしく、それぞれの色の代表種族である吸血鬼とドラゴンを併せ持っている。この時点でもうカッコよすぎるよなぁ。その上でイラストも最高だ。これぞ捕食者って感じの、巨大な牙を携えた下顎がたまらねぇな。個人的にはビジュアル・設定共にスタンダードでは最高峰の1枚だなと、とにかくカッコイイぜ。
《イマースタームの捕食者》は能力もこれぞ黒赤=ラクドス・カラーというわかりやすいものである。クリーチャーを生け贄に捧げることでターン終了時まで破壊不能を得る。その際にこれはタップ状態になる。そしてこの捕食者はタップ状態になった時に、墓地のカードを1枚追し、そしてこれの上に+1/+1カウンターを1個置く。攻撃時にも誘発するので、効率よく対戦相手の墓地を追放してカードの再利用などを妨害しつつ、高いダメージを叩き込んでいけるアグレッシブなクリーチャーだ。
この手の他のクリーチャーを生け贄に捧げる、というのはラクドスの定番で、様々なセットでこの2色にこの役割が与えられている。今回紹介するデッキは、スタンダードのそんなラクドスの生け贄系カードが集ったものだ。そしてこのデッキが生け贄に捧げるのはクリーチャーに限らず、パーマネント全般。特にエンチャントにもフォーカスしたもので……
4 《硫黄泉》 4 《黒割れの崖》 4 《ブレイズマイアの境界》 2 《不穏な火道》 4 《沼》 3 《山》 -土地(21)- 4 《機械仕掛けの打楽器奏者》 4 《悪意ある呪詛術士》 4 《逸失への恐怖》 3 《甦りし悪夢、ブレイズ》 -クリーチャー(15)- |
4 《最後の復讐》 4 《塔の点火》 3 《逃げ場なし》 4 《望み無き悪夢》 3 《迷いし者の骸》 3 《ウラブラスクの溶鉱炉》 4 《不穏な笑い》 -呪文(25)- |
2 《鋼と油の夢》 1 《強迫》 2 《喉首狙い》 2 《紅蓮地獄》 2 《大群への給餌》 2 《除霊用掃除機》 1 《ヴェールのリリアナ》 2 《暗黒星の占い師》 1 《黙示録、シェオルドレッド》 -サイドボード(15)- |
「ラクドス・サクリファイス(生け贄)」!生け贄がテーマで、本来ならパーマネントを失うこのアクションをプラスに変える、カードとカードのシナジー(相乗効果)を重視したデッキである。なので強力なカードをドーン!という感じではなく、単体ではそんなに強くないんだけども……というカードを輝かせて勝利をかすめ取る、そんなテクニカルなデッキだ。
このデッキは《甦りし悪夢、ブレイズ》のような生け贄を要求するカードと、《機械仕掛けの打楽器奏者》のような生け贄に捧げても損しないカードを中心に構成されている。ブレイズはパーマネントを生け贄に捧げ、同じタイプのものを相手も生け贄に捧げなければペナルティを迫る、ねっとりと意地の悪い攻め方をする生け贄系カードの代表格だ。打楽器奏者は死亡すると、ライブラリーの上から1枚追放して次の自分のターンが終わるまでの間それをプレイできるというアドバンテージをもたらす。打楽器奏者を生け贄に捧げれば(運の要素はあるが)元手なしでブレイズの能力を運用できるというわけだ。このほかに《ウラブラスクの溶鉱炉》だったり《望み無き悪夢》といった生け贄に捧げても痛くないパーマネントを用意する手段と、《最後の復讐》などの生け贄を要求するカードとを組み合わせることで、後者のデメリットを帳消しにしながら美味しいところだけ運用していく……これが「ラクドス・サクリファイス」の流儀だ。
上述の《最後の復讐》からもわかるとおり、このデッキのメインの生け贄要素はクリーチャー及びエンチャントだ。ラクドスにしてはこのエンチャントを生け贄に捧げる系のカードは珍しいものなのだが、『ダスクモーン:戦慄の館』でこの手のカードが一気に登場。それとスタンダードの生け贄にして嬉しい類のエンチャントをまとめることでデッキに仕上げている。
中でも注目は《悪意ある呪詛術士》!これ自体は1マナ3/2とハイスペックなクリーチャーなのだが、戦場に出た時に呪われし者・役割・トークンを生成してしまう。これがつけられているクリーチャーは1/1になってしまうので、呪詛術士を1ターン目に出すと役割を自分につけてただの1/1になってしまう。他の自分のクリーチャーにこれを擦り付けることが出来れば3/2として運用できるが、それには準備が必要でありそうこうしている間に1マナでパワー3という優位性は薄れてしまう……と、扱いが非常に難しいカードだ。しかし《最後の復讐》や《塔の点火》などでこの厄介な役割を処理できるのであれば、早いターンに出して自分に役割がついてしまっても問題なし。むしろ1マナのカード1枚が最大で2回分の生け贄を提供してくれるのは効率面で見れば優れている。
特にオススメなのは《不穏な笑い》との組み合わせ。このエンチャントは他のエンチャントやクリーチャーの生け贄を要求する代わりに2枚ドローをもたらす。いらない役割が2枚の手札に化けるのはお得なんてレベルじゃない。さらにこの笑い自体も他のカードの生け贄になることで、戦慄予示が誘発してクリーチャー1体を確保できる。2枚目以降の笑いやブレイズなどなど、様々な手段で多様なエンチャントを生け贄に捧げ、細かい積み重ねから勝利を手繰り寄せよう。
《イマースタームの捕食者》が採用されたサクリファイスデッキも、是非ともスタンダードで活躍してほしいものだ。カッコイイ!と思わされるデッキリストを見つけたら、喜んでコピーさせていただくので……皆、任せたぞ。
RANKING ランキング
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
-
2024.12.17戦略記事
魂剥ぎ参戦!トレンドは新生化との組み合わせ(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.17お知らせ
2024年12月16日 禁止制限告知|お知らせ
-
2024.12.16戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.16広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事