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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)
プランは複数あるに越したことはない。電車で行こう……あら、止まってる。じゃあバスで。目当てのお店が急遽お休み?だったらもう一つ行きたいところがあるんだ。こんな具合に、ある程度複数のプランを前もって用意しておくことで、不測の事態にも対応していきたいね。マジックは特にそうだ。あなたがゲームに勝ちたくてプランを用意してくるのを、対戦相手だってもちろんわかっている。そしてそのプランを成功させまいとお互いに動き、プランを完遂できた方が勝つ……それがマジックというゲームだ。
このゲームにおいてたった一つのプランだけを握りしめて勝負を挑むのは……よっぽどそれを貫き通せる自信がない限り、避けた方が良いだろう。つまり2つ以上のプランを用意したデッキは安心!ってこと。今回はパイオニアのデッキを例に見てみよう。
4 《ジアトラの試練場》 4 《血の墓所》 4 《踏み鳴らされる地》 1 《黒割れの崖》 4 《ブレイズマイアの境界》 4 《ソーンスパイアの境界》 2 《噴水港》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《沼》 1 《山》 -土地(26)- 1 《偉大なる統一者、アトラクサ》 1 《産業のタイタン》 1 《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》 -クリーチャー(3)- |
4 《致命的な一押し》 2 《塔の点火》 2 《苦々しい勝利》 4 《思考囲い》 4 《脚当ての陣形》 4 《大勝ち》 1 《ヴァラクートの覚醒》 4 《不屈の独創力》 2 《ゾンビ化》 4 《鏡割りの寓話》 -呪文(31)- |
2 《塔の点火》 2 《神々の憤怒》 1 《チャンドラの敗北》 1 《自然に帰れ》 2 《碑出告が全てを貪る》 3 《強迫》 2 《真っ白》 1 《殺戮遊戯》 1 《高山の月》 -サイドボード(15)- |
こちらはジャンド(黒赤緑)カラーの《不屈の独創力》デッキ!このソーサリーを用いたコンボ要素を備えた、パイオニアの定番の一つ。独創力はX個のクリーチャーやアーティファクトを対象とし、それらを破壊して代わりにライブラリーから他のそれらを戦場に出す……赤の得意とする混沌をもたらす1枚だ。対戦相手のパーマネントを除去しても良いが、結局代わりの何かが出てくるし場合によっては状況が悪化しかねない。しかしながら自分のパーマネントに使うと……些細なものを超強力な1枚に変化させることが可能だ。デッキ内にはクリーチャーやアーティファクトのタイプを持つカードをごくわずかに採用。その上で宝物などのアーティファクトや何らかのクリーチャーであるトークンを生成するカードを用意。それらのトークンに対して独創力を撃ち込むことで、ライブラリーに潜む超強力なクリーチャーらを降臨させる。4,5マナで唱えた独創力で超ヘビー級のクリーチャーを叩きつけてカードパワーで圧殺!
こちらのリストではトークンの生成には《鏡割りの寓話》《脚当ての陣形》《大勝ち》などを用いる。特に《脚当ての陣形》は最近加わったカードの中でもスマートなチョイス!3つのモードを備えており、相手の飛行クリーチャーやエンチャントを破壊する除去として用いて、余裕があればドロー&食物生成を選択。これにより手札を減らさずに独創力のタネになるパーマネントを用意できる。クリーチャーを対象とした場合は《致命的な一押し》などで独創力解決前に対象を除去されて実質的に打ち消されるという事態が起こり得る。そこでより安全なアーティファクトを設置できる《脚当ての陣形》は信頼度の高い1枚ってわけだ。
さて、宝物を生成できて2ドローもできる《大勝ち》。生成する宝物は2つで、独創力で2体繰り出したり、1つをマナにしてもう1つを対象にしたりと、器用に運用できるパーツだ。この《大勝ち》を唱える際には手札を1枚捨てる必要がある。この弱点とも呼べる特性も武器に変えてしまうのが、このリストの素晴らしいところ。《ゾンビ化》!シンプルなリアニメイト呪文を用いて、捨てた大型クリーチャーを墓地から一本釣り!なんとも簡単な方法で解決してしまおうというスマートさ。手札にいても邪魔になる高コストクリーチャーの運用法としては、この大勝ちゾンビ化ルートは最適だ。これがこのデッキのもう一つのプランというやつで、独創力で戦うのが上手くいかない時……たとえば《殺戮遊戯》で全部抜かれてしまっても、リアニメイトプランで戦うことが可能になっている。
《大勝ち》の宝物2つは、7マナ以上の怪物たちを素で唱えることもなんとか可能にしてくれる。繰り出したクリーチャーが即除去されても、《ゾンビ化》。一つのコンボ、一つのプランに依存せずにデッキに柔軟性をもたせて勝負だ。
クリーチャーのチョイスも一種類に絞らず、散らしてあるところに注目。《偉大なる統一者、アトラクサ》はこの手のコスト踏み倒しデッキではお馴染み、本人の戦闘面での強さと手札の大量補充、うーん改めて強いッ。このアトラクサを確実に戦場に出すため、これのみを2,3採用したリストもあるが……何度も言うように不測の事態は起こるし、アトラクサよりも他のクリーチャーの方が効果的な局面というものもある。《産業のタイタン》は複数のモードから2つ選択。盤面を強くしたり、相手の盤面に触れたりと、アトラクサとはまた違った強さがある。伝説ではないため、これを《キキジキの鏡像》でコピーして勝つというパターンにも持ち込める。
《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》は、兎に角デカい。このデカさで絆魂持ちなので、1回殴ればアグロデッキも白旗レベルの回復をもたらす。アトラクサも同様の強さはあるが、除去1枚でどかされて殴られてしまう可能性はある。ヴァルガヴォスは護法が強烈なので、なかなかそういった1枚で対処されるというケースは起こらないはず。三者三様、いずれも独創力から捲れて嬉しいカードには違いない。アトラクサやヴァルガヴォスのみにしないことで、独創力をX=2以上で唱えた時のバリューにもつながるってことだね。
プランは色々、柔軟に用意した方が良い。《不屈の独創力》というメインの狙いと、それに添えた《ゾンビ化》。独創力デッキ、前から楽しいものだったけどもよりエキサイティングなものになったんじゃないかな。『パイオニアマスターズ』収録カード無しでも組めるため、MTGアリーナでパイオニアを始めたいプレイヤーにもオススメしやすいね!
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