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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:海賊デッキ&兎デッキ、プレイされた国にも注目!(スタンダード)

岩SHOW

 マジックのクールさをデッキリストを通じてお伝えする、今週のCool Deck。今回は……マジックが何故クールなコンテンツなのかについて。プロツアーや世界選手権のような大規模なトーナメントが開催され、Netflixでプロジェクトも進行中というスケールの大きさ……このコンテンツの巨大さ、クールさはどこからくるのか?それは、世界中で遊ばれているからだろう。

 トレーディングカードゲームの元祖であり、全く新しい体験を世界にもたらしたマジックは、アメリカから瞬く間に世界中に広まった。現在では70か国以上の国と地域で遊ばれている……いつも公式放送でさらりと伝えられていることだが、これってめちゃクールだよなぁ。全く知らない場所に住んでいる人と、テーブルとカードがあれば遊ぶことができるってことだもんな。マジックは共通言語、ゲームを通じて世界を知ろう!というわけで今回は、人によってはあまりなじみがないかもしれない国でプレイされたデッキを紹介しよう!

Oscar Fadlala - 「イゼット(青赤)海賊」
Cuarta Liga 2024 優勝 / スタンダード (2024年12月1日)[MO] [ARENA]
4 《シヴの浅瀬
4 《尖塔断の運河
2 《眠らずの尖塔
2 《魂の洞窟
2 《噴水港
5 《
4 《
-土地(23)-

4 《遠眼鏡のセイレーン
4 《ゴブリンの墓荒らし
4 《硬骨漢の船員
2 《コズミュームの略奪者、風雲船長
2 《魅惑の悪漢、マルコム
2 《双眼のマルコム
3 《熱心な略奪者、ブリーチェス
3 《帆凧の窃盗犯
2 《うろつく玉座
-クリーチャー(26)-
3 《洪水の大口へ
2 《塔の点火
3 《魔女跡追いの激情
3 《縫い合わせの旗
-呪文(11)-
2 《十字砲火
1 《魔女跡追いの激情
2 《石術の連射
2 《軽蔑的な一撃
2 《否認
3 《ティシャーナの潮縛り
3 《ウラブラスクの溶鉱炉
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 こちらはパラグアイの大会結果より発見したリストだ。パラグアイは南米中央南部に位置し、国土は日本の約1.1倍で人口は約735万人。気候は亜熱帯で、12月上旬現在の気温を調べてみると、夜中で21.8℃。暖かくて羨ましい。夏もそこまで気温が上昇するわけではなさそうで、むしろ自然が豊かな分、日本よりも過ごしやすいんだろうなぁ……パラグアイは世界4位の大豆の輸出国だそうだが、それを持ち込んだのは日本からの移住者であるという。日本とのつながりもあるパラグアイ、その国旗は赤・白・青の3色!今回のデッキは青赤2色のイゼットなので、ここに白が加わりジェスカイカラーになれば完ぺきではあったが、それでもパラグアイ・カラーと言っていいだろう。国旗と同じ色のデッキってクールだな。そして肝心のデッキの主役は……

 

 海賊!スタンダードにはコツは結構な数の海賊がおり、これらをメインテーマにしたデッキを組むことが可能だ。海賊で固めることで力を発揮するのは《熱心な略奪者、ブリーチェス》。これは海賊で攻撃することで能力が誘発、3種類の中から1つ選ぶ。海賊3体で攻撃すれば3つの恩恵すべてが受けられて、攻撃を通しカードアドバンテージを得てマナ加速まで行える。海賊はこのブリーチェスを筆頭に、誘発型能力の持ち主が多い。そのため《うろつく玉座》を採用。これは選んだクリーチャー・タイプを得て、同じタイプの仲間の能力を2回誘発させる。これでクールにおいしく立ち回るわけだが、中でも相性が良いのは《硬骨漢の船員》。これは戦場に出た時に海賊かアーティファクトを手札に加える能力が誘発する。玉座があればこれ1枚が手札2枚分になる可能性が高まる。そのため《太陽降下》などのリセットで完全崩壊しない、大胆な盤面づくりを行える。

 この堅実なアドバンテージもあってか、このデッキはパラグアイの首都アスンシオンのショップ大会で、「白単コントロール」や「グルール果敢」「ゴルガリ・アグロ」などスタンダードの代表デッキを押しのけて見事優勝を成し遂げている。こいつぁクールですぜ!

 

 ブリーチェスもそうだが、海賊たちは宝物や地図などのアーティファクトを生成する能力を備えている。そしてこうしたお宝=アーティファクトがあることで《ゴブリンの墓荒らし》のような海賊たちは本気を出す。そして最も打点に繋がるのは《コズミュームの略奪者、風雲船長》。彼女はアーティファクトが出ると+1/+1カウンターを海賊に置くので、アーティファクト生成を玉座で倍に→さらに風雲船長のカウンターも倍と動いて、デンジャラスな海賊をクールに生み出そう。

 そしてアーティファクトであり、海賊で揃えたデッキにおあつらえ向きな1枚が《縫い合わせの旗》!アーティファクトなので海賊のやる気を促し、マナ加速でもあるので手数も増やせる。そして選んだタイプをまとめて強化!種族を揃えたデッキを組むなら選択肢になり得る1枚だが、アーティファクトというタイプも活かせるのは海賊ならではだ。ファン要素が強い海賊デッキだが、侮っていると一気にモリモリ増えた打点でクールに殴り勝つぞ!南米のテンションも感じるクールなデッキだぜ。

 もう一つオマケに、今度は舞台を北に移して……ベラルーシ。面積は日本の55%、人口は約950万人。日本とは対照的に、国土が非常に平坦で国境地帯にも山がないという。どんな人々が住んでいるのか?数字などを見ても具体的な生活史は見えてこないが……マジックプレイヤーがいる、ということは確かなようだね。これを書いている12月上旬、昼過ぎの気温は0℃台!クールを飛び越えてコールドじゃないか……こりゃ室内で遊ぶに限るね、もちろんマジックで。というわけで気になったデッキリストはこちら!

Hogar - 「セレズニア(緑白)兎」
Финал Лиги СТАНДАРТ №10 5-2 / スタンダード (2024年月日)[MO] [ARENA]
4 《低木林地
4 《剃刀境の茂み
3 《ハッシュウッドの境界
1 《不穏な大草原
1 《立藤村
3 《三本木市
6 《平地
-土地(22)-

4 《内陸の聖別者
4 《脚当ての補充兵
2 《歴戦の巣穴守り
4 《渓間の怪力呼び
4 《渓間の冒険呼び
4 《腕利きの射手、フィニアス
-クリーチャー(22)-
4 《救済の波濤
4 《幽霊による庇護
4 《跳び込め
3 《巣ごもりの季節
1 《親族旗
-呪文(16)-
3 《エイヴンの阻む者
4 《エルズペスの強打
4 《突き通し
4 《ガラスの棺
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 こちらはベラルーシ、首都ミンスクでの大会結果より。緑白2色の……兎デッキ!『ブルームバロウ』で大増殖、『ファウンデーションズ』でも新カードを手に入れた兎を主役にした、見た目にもかわいいリストだ。ただかわいいだけではなく、クールな要素も。ベラルーシの旧札、1ベラルーシ・ルーブルには元気に飛び跳ねるウサギの姿が印刷されている。他にも様々な動物がお札に描かれているのだが、最小のお札に最も身近であろうウサギを取り入れているってなんだか素敵だね。このリストを見つけた時になんとなく「ベラルーシ ウサギ」で検索したおかげでこの情報を得ることが出来た。マジックを通じてほんの少し世界に詳しくなる。これってクールな体験だ。

 さて、ウサギデッキのキーとも言える1枚は《腕利きの射手、フィニアス》。フィニアスは攻撃すると、すべてのウサギ及びトークンを強化。そしてさらに、それらのパワーの合計値が10以上だとドローも提供!パワフルかつクールな、ウサギデッキを組む理由になるエースだ。1,2マナのウサギを並べてフィニアスと《渓間の冒険呼び》で全体強化して、対戦相手をノックアウト!かわいさと同族の力で寒さに打ち勝つ、ベラルーシの平原のようなファンシーデッキだね。

 世界中でプレイされているということは、マジックを通じて世界が見えるということ。世界の誰かのデッキを参考にしたら、今度は自分のデッキも世界に知ってもらおう。デッキリストはパスポート、世界を結ぶクールな文字列だ。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool‼ See the world!!

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