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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!ゴルガリ接死スタイル(スタンダード)

岩SHOW

静岡に行ってキタキタキタァ!

 いやぁ静岡に行くのは6年ぶり。ヒサシブリダナーと駅前を散策、「こんなんだったな」と「こんなんだっけか」という感情が入り混じる、6年という絶妙な期間。会場インしてみると、場内も以前来た時よりも明るくリニューアルされている?というくらい良い感じで……またお馴染みの地でイベントが開催されるって良いなぁと感慨にふけったのだった。

 今回もスタッフ参加だったが、もしプレイヤーとして遊んでいいと言われたらもちろん、スタンダードをとことん!プレイしていただろう。というわけで皆で歩むスタンダー道、読者の中から「ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』Supported by 楽天ブックス」に参加してくれたチャレンジャーはいたのかな?とことん駆け抜けてきました!という言葉が聞けたら嬉しいぜ。今回の参加者は244名か……昔はフォーマットの数も少なく、マジック=スタンダードだったのでもっと参加者が多かったりしたものだ。

 今のスタンダードが過去に比べてどうとかこうとか、机上の空論で意見を言う人もいるが、そういうことはプレイしなければわからない。25年以上スタンダードを追い続け、現役の僕からすれば、今のスタンダードは面白い!自信を持って言えるよ。大会参加者をもっともっと増やすためには、こういったドでかいイベントを定期的にやっていく、その様子をメディアで伝える、これが一番だろうね。そんなわけで当コラムもスタンダーが益々盛り上がっていくように、とことん楽しさ・アツさを伝えていく所存だ。改めてよろしくゥ!

とことん!接死道!

 マジックのキーワード能力の中で、一番恐ろしいものはなんだろうか?色々ヤバい響きのものはあるが……“接死”って改めてその字面を見ると、イカつくないか?接するものが死ぬってことだろ、無茶苦茶こええよ。この能力は英名でもDeathtouch、触られると死ぬってことがダイレクトに書かれている。これを持つ発生源からダメージを受けたクリーチャーは、タフネスがどれだけ高く致死ダメージに達してなかろうが、そんなもの問答無用で破壊されてしまう。ほとんどの接死はクリーチャーが持つ能力で、サイズが小さくとも毒などを用いて相手を死に至らしめる、複数体のブロックも生存を許さず道連れにする、そんな危険な存在としてデザインされている。

 

 スタンダードの接死クリーチャー、と聴いてまず思い浮かぶもの……《黙示録、シェオルドレッド》という方が多いんじゃないだろうか。ただでさえ嫌がらせのような能力を持っているのに、クリーチャーのサイズで突破も許さないという絶妙な接死に苦しめられたゲーム、皆体験しているはずだ。また接死を最も強力に使いこなしているクリーチャーとなると《グリッサ・サンスレイヤー》になるかな。先制攻撃と合わさることで、一方的にブロッククリーチャーを葬り去る、天下無敵の戦闘力を誇っている。攻撃が対戦相手に通れば色々な恩恵が受けられるので、攻撃しても良し、相手の大型クリーチャーの攻撃を食い止めるために立たせて良しと、マジで頼りになる3マナ域だ。

 

 そしてそんな強力接死クリーチャー陣に新たに加わったのが《止められぬ斬鬼》!3マナ2/3接死と絶妙なサイズ感、攻撃が対戦相手本体に通るとボーナスが得られる、構築における接死持ちに求められているノルマもクリア。しかもその誘発する能力が、対戦相手のライフを半分にするという……つまり、これの攻撃が通ればライフが20点の相手は、まず18点になってから半分失って9点になるという寸法だ。3マナクリーチャーの攻撃一発で11点くらいのダメージが見込めるって、冷静に考えてヤバいぜ。さすがにそんなワンパンはもらえない、とブロックして相討ちを狙ったり破壊したりといった手段で対抗するものだが、斬鬼はそれでも止められない。麻痺カウンターが乗ったタップ状態で戦場に戻ってくるので、二度死亡させなければ対処はできないのだ。

 このしぶとさとパンチ力……《アクロゾズの放血者》とのコンボも話題だが、単体でも十分に強いクリーチャーであることは間違いない。スタンダードでこの斬鬼を使ったデッキの一例が、ちょうどジャパンスタンダードカップの上位に入賞していたぞ!

chiaki kobayashi - 「ゴルガリ・ミッドレンジ」
ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』Supported by 楽天ブックス / スタンダード(2024年10月12日)[MO] [ARENA]
4 《花盛りの湿地
4 《ラノワールの荒原
4 《眠らずの小屋
2 《解体爆破場
7 《
4 《
-土地(25)-

4 《大洞窟のコウモリ
4 《苔森の戦慄騎士
4 《止められぬ斬鬼
3 《グリッサ・サンスレイヤー
2 《黙示録、シェオルドレッド
-クリーチャー(17)-
2 《強迫
1 《鋼と油の夢
4 《切り崩し
4 《喉首狙い
1 《羅利骨灰
2 《狩人の才能
1 《除霊用掃除機
3 《ヴェールのリリアナ
-呪文(18)-
1 《最深の裏切り、アクロゾズ
2 《腐食の荒馬
2 《強迫
1 《除霊用掃除機
1 《屑鉄撃ち
2 《羅利骨灰
2 《温厚な襞背
2 《不浄な別室 // 祭儀室
2 《向上した精霊信者、ニッサ
-サイドボード(15)-

 

 

 というわけで同トーナメントで堂々たる優勝を果たしたリスト、ゴルガリ(黒緑)のミッドレンジだ。《苔森の戦慄騎士》《大洞窟のコウモリ》など2マナから4マナまでのクリーチャーで攻め、相手のパーマネントは《羅利骨灰》などで除去してゲームを優位に進める。先にあげた接死クリーチャーら3種を採用としているのが特徴的で、そしてこれらを活かすカードチョイスに注目だ。

 《狩人の才能》……これは自身のクリーチャーがそのパワー分のダメージを対戦相手に与えるエンチャント。この能力はダメージを与えるのがあくまでクリーチャーであり、そのためそれが接死を持っていればどんな高タフネスでも討ち取ることができる。この万能除去で斬鬼の攻撃を通してライフを詰めていくのが理想的な展開だ。レベル2に上げると、攻撃クリーチャーのパワーを1上昇させてトランプルも持たせられる。トランプルと接死も相性は抜群で、ブロッククリーチャーに割り振るダメージは1点で済むようになる。残りのダメージはすべて対戦相手に割り振れるので、ブロックをガンガン貫通させてダメージを通すことが可能になるのだ。またレベル3ではパワー4以上のクリーチャーをコントロールしていると1ドロー、ここまでたどり着けばもう勝利は目前というところか。ゴルガリと言えばバリエーションの豊富さが強み。斬鬼の参入で接死率が高まり、この《狩人の才能》を強く使えるようになったゴルガリは新しい流行を生み出すことになるか?

 プレイヤーズコンベンション静岡のおかげで、マジックのモチベは上昇している。会場に色んなプレイヤーが……特にこれまであまり目にしなかったような層のプレイヤーが増えているように感じて、それも嬉しくてやる気が出たのだ。次のスタンダードの、大型イベントはもっともっと多くのプレイヤーが参加する、ビックリするようなお祭りになることを願って……これからもとことんスタンダー道、歩んでいこうか!

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