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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今一番ホットな種族……ルアゴイフデッキ2選!(レガシー)
突然だけど、今レガシーで一番ホットな種族って何か、知ってるかい?レガシーと言えばこの9月に20周年を迎えた、歴史あるフォーマットだ。発足当時から数年はまだマジックのカードデザインがクリーチャーによりも非クリーチャー呪文の方が圧倒的に強かった頃。それもあってレガシーでは戦闘というものがあまり重視されない、コンボで瞬殺しあう環境……そんなイメージが未だに一部の層には根付いているようだ。
しかしここ10年位の間にクリーチャーの質は大きく向上。最近のレガシーはどちらかと言えば「最新のクリーチャーで殴り合う」フォーマットへと大きく様変わりしている。さて、冒頭のお題に戻ろう。そんなクリーチャー同士の殴り合いで、一体どの種族が今ホットな存在感を放っているか?答えはまさかの……ルアゴイフ!
初出は『アイスエイジ』の《ルアゴイフ》。墓地のクリーチャーの枚数を参照してサイズが決まる、当時としては強大なサイズになり得るクリーチャーとして人気を集めた。ビジュアルも名前もカッコイイ。オールドファンはこの初代《ルアゴイフ》に憧れていた人も多いはず。
そこからいくつかルアゴイフのタイプを持ったクリーチャーが作られ、《タルモゴイフ》はレガシーを象徴するカードとして一時期は君臨していた。軽い呪文と能動的に墓地に落ちる土地の多いレガシーだからこそ、このタルモが活躍できたというわけだな。隆盛を極めたタルモだが、他に優秀な能力を持ったクリーチャーも増えたことで、立ち位置は悪くなり採用するデッキは激減。レガシーでルアゴイフ族が活躍する光景は珍しいものになってしまった……その流れが2024年、大逆転。
『モダンホライゾン3』にて1マナの《ネザーゴイフ》が登場。かつてのタルモを調整したものという印象で、1マナという軽さは魅力的。しかも脱出で戻ってくる可能性もある。このネザーが注目を集めることになったが……それだけではない。同セットの統率者デッキではルアゴイフをテーマとしたデッキが販売され、その中には統率者オリジナルの新ルアゴイフが潜んでいたのだ。そしてこの新ゴイフたちが強いのなんの。そんなわけで今回はレガシーで再び最盛期を迎えている、ルアゴイフの姿をご覧いただこう。
4 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《溢れかえる岸辺》 1 《島》 1 《湿地の干潟》 1 《沸騰する小湖》 4 《Underground Sea》 1 《地底街の下水道》 4 《不毛の大地》 1 《沼》 -土地(19)- 4 《ネザーゴイフ》 2 《知りたがりの学徒、タミヨウ》 4 《超能力蛙》 2 《オークの弓使い》 2 《厚かましい借り手》 -クリーチャー(14)- |
2 《ミシュラのガラクタ》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《意志の力》 4 《致命的な一押し》 1 《喉首狙い》 2 《思考囲い》 2 《虚無の呪文爆弾》 -呪文(27)- |
2 《記憶への放逐》 2 《否定の力》 1 《喉首狙い》 1 《四肢切断》 1 《毒の濁流》 1 《仕組まれた爆薬》 2 《無のロッド》 1 《水流破》 2 《海の先駆け》 1 《外科的摘出》 1 《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
まず一つ目のゴイフデッキは《ネザーゴイフ》を用いた「ディミーア(青黒)テンポ」。テンポデッキはその名の通り、ゲーム中でテンポを取ることを重視している。0・1マナの軽い呪文を1ターンに複数枚プレイ、《目くらまし》《意志の力》とマナ以外のコストを持つ打ち消しを用いて相手の行動を阻害。そうやって翻弄しながら低コストのクリーチャーで殴り勝つ……どちらかというとマジックに慣れたプレイヤー向けの、判断力が問われるアーキタイプだ。
《ミシュラのガラクタ》《不毛の大地》などを起動していくことで《ネザーゴイフ》がグングンと育つ。またネザー以外の攻撃役には《超能力蛙》が。この蛙はまさしく最強クラスの生物なので、ディミーアカラーでデッキがまとめられている。攻撃が通ればカードが引けるという、手札を増やすのが苦手なテンポデッキが求めていた品質がたったの2マナ。しかも要らない手札は喰わせてサイズアップ、飛行も得られるときたものだから最高だ。ネザーは蛙のための囮となっても構わないだろうし、どちらかが生き残ればそれで十分にゲームに勝てるというもの。
さらに《知りたがりの学徒、タミヨウ》も手掛かりを生成してドローに貢献、蛙や《渦まく知識》などでドローを重ねることでプレインズウォーカーに変身すると、これがめちゃくちゃ堅い耐久度の鬼のような性能。墓地のカードを回収する能力で《意志の力》を拾って、次に勝負仕掛けてきても打ち消すぞ、と見せつけたところで大体ゲームオーバー。このテンポデッキが今のレガシーの中心を形成している一派閥だ。
手数で押すテンポデッキと、墓地が貯まると強くなる1マナの《ネザーゴイフ》は抜群の相性。しかし他のアーキタイプもゴイフの恩恵を受けているぞ。
4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 1 《宝石の洞窟》 2 《山》 -土地(11)- 4 《猿人の指導霊》 4 《舷側砲の砲撃手》 1 《再鍛の刃、ラエリア》 4 《パイロゴイフ》 3 《混沌の洞窟の冒険者》 4 《激情》 -クリーチャー(20)- |
4 《金属モックス》 1 《呪われた鏡》 4 《髑髏砕きの一撃》 4 《引き離しの噴火》 4 《血染めの月》 4 《苛立たしいガラクタ》 4 《鏡割りの寓話》 4 《一つの指輪》 -呪文(29)- |
4 《虚空の力線》 1 《アガサの魂の大釜》 2 《死亡 // 退場》 3 《焦熱の合流点》 3 《紅蓮破》 2 《赤霊破》 -サイドボード(15)- |
赤単色、《古えの墳墓》と《裏切り者の都》、そして《猿人の指導霊》や《金属モックス》……これらで加速し、1ターン目に3マナアクションを行うなど、本来のマジックの挙動を越えた動きを披露する「ストンピィ」や「プリズン」と呼ばれるタイプのデッキ。これにも新たなゴイフ《パイロゴイフ》が加わっている!
この《パイロゴイフ》は赤らしく非常に攻撃的な性質の持ち主。自分と相手の墓地のカードタイプに等しいパワーを持ち、そして戦場に出た時にそのパワー分のダメージを与える……その対象はクリーチャーとプレインズウォーカーだけでなく、プレイヤーも選ぶことができる!しかも!さらに!《パイロゴイフ》のこのダメージ能力は他のルアゴイフが戦場に出ることでも誘発する。つまり複数枚並ぶと……相手のクリーチャーをまとめて吹き飛ばしたり、ライフを根こそぎ焼き尽くしたりとやりたい放題!昔は「ドラゴン・ストンピィ」には単体では弱いクリーチャーばかり入っていたものだが、この時代は恵まれているよ……思わず遠い目になってしまうくらい、激ヤバな性能だ。2マナ土地からの加速で《血染めの月》で相手を縛りつつ、《パイロゴイフ》で全てを消し炭に変えてやろう。
これらのデッキ外にも《バロウゴイフ》を採用した黒単などなど、現在レガシーはルアゴイフ族がかつてないほどの大繁栄!特殊セット、統率者製品のカードが使えるレガシーならではの光景だ。《ルアゴイフ》に憧れていた当時の少年たちにも、最新のゴイフを一度体験してみることをオススメしておくよ。墓地対策という明確な弱点はあるが、それらがない時のゴイフはほんとうに強いぞ!
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