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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
親和のルネサンス、カエルに河童に封印破りに……(モダン)
「ルネサンス」とは「再生」や「復活」を意味するフランス語だ。歴史の授業でも習ったことだろう、14世紀のイタリアを中心に、ギリシアやローマの時代の古い文化・古典的なものを復活させようとする文化運動のこと、或いはその時代そのものをルネサンスと呼ぶ。このルネサンスが今またマジック界隈で興っていることをご存じだろうか。それは「親和」の復活である。
親和とは能力の名前であり、それを由来としたアーキタイプ名でもある。親和(○○)と表記され、その呪文のコストは○○の数だけ軽減される。主体はアーティファクトであり、他にアーティファクトがあればコストが軽減される《金属ガエル》《マイアの処罰者》などをアーティファクトである土地や《オパールのモックス》などから連打し、一気に戦場を作り上げるというのがモダンの親和デッキ……だったのだが、親和デッキにおける親和能力を持ったカードはどんどんと減少傾向に。遂には0枚のリストの方が一般的になり、「親和」という名前は完全に形骸化していた。
その流れは『モダンホライゾン2』リリース時に変わった。このセットでは親和能力が再録、しかもそれを持つクリーチャーが強かった。2枚ドロー付きの《思考の監視者》、それに《マイアの処罰者》と同等のスペックにアーティファクト・土地が手に入るサイクリングを持った《滞留者の相棒》が登場。これらのコスト軽減のために《メムナイト》のようなコスト{0}のアーティファクトを使うという戦い方は肯定され、環境の変化も合わさって親和というアーキタイプは名実ともに復活……トーナメントでは目立たなかったが、形骸化していた概念の復活には成功した。
そして『モダンホライゾン3』にて親和はさらに再録されることに。元祖親和のキーカードに敬意を表するような名前の《カエルマイアの処罰者》が参入。赤マナ払って試作で軽く展開、アーティファクトが十分に並べば4/4のモードで降臨させるという臨機応変さがセールスポイントだ。このカエルマイアを迎えた親和デッキがジワジワとトーナメントシーンで復活してきているようだ。これぞまさしく親和ルネサンス!
4 《空僻地》 4 《銀色険の橋》 1 《ダークスティールの城塞》 4 《ウギンの迷宮》 4 《ウルザの物語》 2 《島》 -土地(19)- 4 《メムナイト》 4 《羽ばたき飛行機械》 1 《機能不全ダニ》 3 《河童の砲手》 4 《思考の監視者》 4 《カエルマイアの処罰者》 4 《滞留者の相棒》 1 《マイアの処罰者》 -クリーチャー(25)- |
4 《バネ葉の太鼓》 1 《溶岩拍車のブーツ》 1 《真髄の針》 1 《影槍》 1 《地獄料理書》 4 《金属の叱責》 4 《コジレックの封印破り》 -呪文(16)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》(相棒) 4 《減衰球》 4 《感電破》 1 《攪乱のフルート》 1 《真髄の針》 1 《機能不全ダニ》 1 《摩耗 // 損耗》 1 《魂なき看守》 1 《呪文貫き》 -サイドボード(15)- |
というわけで最新のモダンの親和デッキのサンプルをご紹介。カエルマイアに加えて再録された《河童の砲手》を採用!この河童、レガシーでも話題になった1枚が鳴り物入りでモダンに参入だ。パワーが上昇しブロックされなくなるという攻撃役としての高い性能、そして護法{4}のおかげで対象を取る除去ではほぼやられない安心感。この河童と処罰者たち親和持ちを可能な限り早く展開して殴り勝つ!デッキの方向性は非常にシンプルで、それでいて1枚ずつのカードパワーはそれほど高くないものを組み合わせることで最大限に活用して勝利を掴むという、テクニカルなマジックを味わえるという点が様々なプレイヤーにオススメできる。
モダホラ3の影響はアーティファクト以外の部分にもみられる。中でも特徴的なのは《コジレックの封印破り》。エルドラージ関連のカードではあるのだが、実はこれは親和とも相性が良い。総量が4・5・6マナのクリーチャーを唱えると落とし子を2体生成。これでさらにマナ加速も狙えるが、本来の狙いは7マナ以上のクリーチャーを唱えた時。なんと驚きの3枚ドローを提供!アドバンテージが爆発だ。この条件はカエルマイアをはじめ親和軍団が満たしてくれるので、親和クリーチャー→3枚ドロー→親和クリーチャー……と怒涛のラッシュを引き起こす可能性アリ。このワクワク感がたまらないね。土地の面でも《ウギンの迷宮》の刻印を親和軍団はクリアしている。これらで序盤のマナを増やし、アーティファクトや封印破りを並べて……フィーバータイムに繋げよう。
ルネサンスは今まさに起きている。モダンでは現在進行形の現象だ。復興を遂げつつある親和、モダンでどれほどの地位まで上り詰めるか…楽しいデッキなので、自分でもプレイしながら見届けたいところだね。
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