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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!白系ミッドレンジの顔といえば……(スタンダード)
最後の夏がやってくる……!
スタンダードをとことん遊びつくすためのコラム「とことん!スタンダー道!」。今週は……残り1ヶ月を切った現スタンダード環境を振り返ることから始めよう。スタンダードはローテーションが改変され、各セットはリリースされてから2年半から3年ほどスタンダードで使用可能になった。そして毎年秋に新セットが出た際のローテーションで使用可能セットが入れ替わっていたのだが、2024年はそのタイミングが7月26日と明言されている。これは新セットのプレリリース開始日。つまり正式リリースのちょっと前に環境は変化するということだ。『イニストラード:真夜中の狩り』『イニストラード:真紅の契り』『神河:輝ける世界』『ニューカペナの街角』はその日をもってスタンダードを引退する。
こうしてみると長い付き合いだ、分かれるのもなんだか寂しくなってくる。しかしその分、これまで役目が被っていてスポットが当たらなかったカード達が表舞台に出てくるので、喪失と同時にワクワク感も起こってくる。どんなカードが居なくなるのか?たとえば白だと、この色を支えてきたあの2枚が……
3マナの顔、《婚礼の発表》!3マナで最大3体の人間、あるいは3枚のドロー、それらの組み合わせを手に入れられる。即効性は薄いが、ターンを重ねてじわじわと確実にアドバンテージを獲得していく。3回目の誘発を迎えたら全体強化に変身、自身の能力で並べた人間らをまとめて強化する自己完結した強さ!ミッドレンジと呼ばれる、攻めも守りもこなす中速デッキにとっては最高の3マナカードの1つであり、白系ミッドレンジには欠かせないマスターピースとして約3年、ずっと第一線で使われ続けてきた。
そしてスタンダードにおける白という色そのものを支え続けてきた象徴的な1枚……《放浪皇》。彼女もまたローテーションにより去ることになる。除去・トークン・強化とどのモードも強い、瞬速持ちのプレインズウォーカー!彼女には数え切れないほど助けられ、また辛酸をなめさせられたな……色々あったけど、これらのカードと遊べるのもあと1ヶ月、使うも良し、対策するも良し。どちらのスタンスでいくにせよ、この3年形式スタンダードの最初のシーズン、そのラストまで……遊び抜こうぜ!
とことん!白系ミッドレンジ!
4《コイロスの洞窟》 4《秘密の中庭》 4《砕かれた聖域》 3《薄暗い裏通り》 2《眠らずの城塞》 1《ミレックス》 2《ミシュラの鋳造所》 1《皇国の地、永岩城》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1《平地》 3《沼》 -土地(26)- 3《腐食の荒馬》 2《しつこい負け犬》 3《墓地の侵入者》 1《最深の裏切り、アクロゾズ》 -クリーチャー(9)- |
4《強迫》 3《切り崩し》 4《喉首狙い》 1《軍勢を灰に》 4《婚礼の発表》 2《忠義の徳目》 2《ヴェールのリリアナ》 4《放浪皇》 1《不笑のソリン》 -呪文(25)- |
1《集団失踪》 2《敵意ある調査員》 2《クチルの側衛》 2《軍勢を灰に》 2《ヴェールのリリアナ》 1《第三の道のロラン》 3《一時的封鎖》 1《トカシアの歓待》 1《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
そんなわけで《婚礼の発表》及び《放浪皇》をフル投入した白系ミッドレンジを紹介しよう。オルゾフ(白黒)だ。白も黒もクリーチャー除去は得意としている。さらにはプレインズウォーカー、エンチャント、アーティファクトなどなど、土地以外のパーマネントであればなんでも対処できるのがこのカラーの売り。ミッドレンジにおいてもパーマネント除去及び手札破壊で相手のプランを崩し、婚礼や放浪皇などのパワーカードで暴れて勝つという王道的な構築が多く見られる。
このデッキリストにおけるクリーチャーの数自体は少ない、少数精鋭という布陣。そのラインナップは真っ黒であり、黒のクリーチャーの質の高さを感じさせるものだ。それらでの攻撃を婚礼とプレインズウォーカーらで後押しするのがデッキの主な勝ち筋。そしてそのクリーチャーの中には《腐食の荒馬》の姿が。環境最初期に見られた「オルゾフ・ブロンコ」を思い出すね。
ブロンコはコンボ要素が強く、《限りない強欲》で《終末の影》をトップに仕込み、騎乗した荒馬で攻撃することで対戦相手のライフを15点失わせる……という一撃技を狙うもの。それに対してこのリストではそういったコンボ要素はなく、シンプルに荒馬を手札補充のできるクリーチャーとして捉えている。なんだったら騎乗せずに、ライフの損失も気にせず攻撃だ。除去は充実しているし婚礼がブロッカーを用意するので殴り合いでは不利になりにくく、放浪皇や《不笑のソリン》に《眠らずの城塞》など回復要素もあるので、多少のライフ損失など気にすることはない。とにかく1:1交換を繰り返し、荒馬や婚礼やソリンで手札補充。これを繰り返せばアグロやミッドレンジに負ける道理はないのだ。
とことん!気になる1枚!
今回のリストで気になる1枚、《軍勢を灰に》。これまであまり目にする機会はなかったが、このリストでは計3枚採用されている。対戦相手の土地でないパーマネントを追放する3マナソーサリーで、対象にはとことん困らないのが実にオルゾフらしい。追放なので《見捨てられたぬかるみ、竹沼》などで再利用されないのもえらい。そしてこれはそのパーマネントと同名のトークンもまとめて追放する。同じ名前のトークンが並ぶ機会など限られているようだが、これはつまりそもそもトークンを対象にした場合に機能すると考えると良い。婚礼で並んだ人間や放浪皇が展開したら侍などを1枚でまとめて吹き飛ばす。その上でこちらの同名トークンには被害は及ばないのが安心できるポイントだね。白系ミッドレンジ同型で、トークンを巡る攻防を制する一方的なリセットボタンであり、そもそも強いパーマネント自体も対象に取れる。便利な1枚、この夏からお世話になる機会が増えるかも?
さあ、残り1ヶ月。4つのセットにとっての最後の夏……もちろんスタンダードを離れてもパイオニアなどでこれらのカードを使って遊べるので安心してほしい。しかしそれらがスタンダードのデッキを彩る期間は終わりを迎える。悔いのないよう、お気に入りカードをとことん味わい尽くしてほしい。それじゃあ限られた時間を満喫するために、今日遊ぶデッキはどれにしようかな……?
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