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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:孤独と悲嘆の果てに……デッドガイ・エール(レガシー&タイムレス)
『モダンホライゾン3』がやってくる。ホライゾン・シリーズの第3弾は、過去のセットが巻き起こした「ホガークの夏」のような現象をもたらすだろうか?それはプレイヤー達のデッキ構築次第というところで、モダンにて開催となるプロツアーの結果も要注目だ。クールなものを求めてマジックをプレイしているすべての人に贈る、今週のCool Deck。当コラム的にもモダホラ3のカードがどんなデッキを生み出すのか、その動向から目が離せないというところだが……このセットが影響を与えるのはモダンのみではない。
通常リリースのセットではないのでスタンダードやパイオニアでは使えないが、その他のフォーマットはウェルカム耐性。クールな新カードの到来を待ち構えている。レガシーで、あるいはヴィンテージで。そして……今回のホライゾンはMTGアリーナでもリリースされる。アリーナにはモダンはまだ実装されていないが、これらのカードを使うことのできるフォーマットがしっかり用意されている。ヒストリックとタイムレスだ。
マジックの歴史を体感するフォーマット、ヒストリック。そしてアリーナ上に存在するあらゆるカードをプレイできるタイムレス……これらの環境にモダホラ3というクールな刺激が突き刺さる。特に注目すべきはタイムレス。このフォーマットは原則禁止カード無し、制限カードのみというスタンスで、モダンやレガシーでさえも禁じられているカードでデッキを構築することができる。タイムレスでしか体感できないぶっとんだデッキも数知れず、そこでしか得られないクールな体験が味わえるのである。《死儀礼のシャーマン》で《汚染された三角州》などのフェッチランドを追放してマナを得る、《敏捷なこそ泥、ラガバン》で相手のカードを奪って宝物もGET、ヒストリックでは弱体化されている《オークの弓使い》や《時を超えた英雄、ミンスクとブー》も元の状態でフルパワー……このエキサイティングでエクストリームなフォーマットに、ヤツらがやってくる。
インカーネーション・エレメンタル!モダンとレガシーで暴れまくりな5枚のサイクルだ。手札から同じ色のカードを追放することでマナを支払わずに唱えられる、想起コストを持つ。想起で唱えた場合はそのまま生け贄になってしまうが、戦場に出た時に誘発する能力で恩恵をもたらすので、これがマナ不要であれば手札1枚くらいの損などたかが知れている。またクリーチャーが墓地に落ちるのであればそれを再利用する手段もいくらでもあるため、これら5つの概念たちは使用可能なフォーマットで引っ張りだこだ。いつかはアリーナに来るとは思っていたが……このタイミングとは!
これら5大インカーネーションは『モダンホライゾン2』出身のカードである。同セットはアリーナではリリースされていないが、一部のカードが特殊な形式で収録されていてプレイすることが可能になっている。インカーネーションはその時にスルーされていたのだが、まさかのモダホラ3がこれらをアリーナにもたらすことに。同セットにはスペシャルゲストという枠があり、パックを剥くとイラスト違いの過去のカードが飛び出してくることがある。そのスロットにこれらのエレメンタルが潜んでいるというわけだ。リミテッドを繰り返してパックを剥きつつ遭遇するもよし。ワイルドカードを切って一気に4枚手に入れるもよし。これら超刺激的なカードを迎え入れて、タイムレスのデッキを大きく強化しよう!というわけで、実際に組むなら……。
4《湿地の干潟》 3《吹きさらしの荒野》 2《Scrubland》 1《Bayou》 2《薄暗い裏通り》 4《不毛の大地》 2《平地》 2《沼》 -土地(20)- 4《オークの弓使い》 4《石鍛冶の神秘家》 1《獅子の飾緒》 4《悲嘆》 2《孤独》 4《カザド=ドゥームのトロール》 -クリーチャー(19)- |
4《むかしむかし》 4《剣を鍬に》 3《害獣駆除》 4《儚い存在》 4《再活性》 1《殴打頭蓋》 1《カルドラの完成体》 -呪文(21)- |
2《溜め込み屋のアウフ》 4《ダウスィーの虚空歩き》 2《虚無の呪文爆弾》 2《未認可霊柩車》 2《孤独》 3《思考囲い》 -サイドボード(15)- |
これが参考になるかもしれない。レガシーの「デッドガイ・エール」だ。このアーキタイプは白黒2色が基本で、《オークの弓使い》《石鍛冶の神秘家》などの軽量クリーチャーによる攻めを手札破壊とパーマネント除去で後押しするもの。つまりこのデッキが用いるインカーネーションは《悲嘆》と《孤独》!これらで対戦相手をがっちり妨害する、コントロール要素を伴った中速デッキという趣だ。
このデッキは《悲嘆》と《孤独》を骨の髄までしゃぶりつくす。想起で唱えて墓地に落ちたら、《再活性》でリアニメイト!これで能力をもう一度誘発させつつ、今度はクリーチャーがキッチリと戦場に残って戦闘も行える。想起の墓地に行くデメリットがむしろメリットに。1ターン目想起の《悲嘆》を《再活性》、対戦相手が強制的にダブルマリガンでゲーム開始となるようなものだ。鬼すぎるクールさで目がくらむ!またリアニメイト以外には《儚い存在》で使いまわすという方法も。想起の生け贄が誘発して、これを解決する前に《儚い存在》で追放。その後戦場に戻ってきたものは想起で唱えた云々とは無関係のものになるので、そのまま戦場に居座ってしまうのだ。そして《儚い存在》は反復を持っているので、次のアップキープにまた出し入れして能力を3回も味わうなんてことも……手札はグズグズ、クリーチャーは全滅。クールすぎて冷汗が出るぜ。
この《悲嘆》と《孤独》を《再活性》&《儚い存在》で使いまわすコンセプトを、タイムレスに持ち込もう!デッドガイがアリーナにやってくる!
4《湿地の干潟》 3《吹きさらしの荒野》 1《汚染された三角州》 1《新緑の地下墓地》 3《神無き祭殿》 1《草むした墓》 2《薄暗い裏通り》 2《平地》 2《沼》 -土地(19)- 4《死儀礼のシャーマン》 4《オークの弓使い》 2《溌剌の牧羊犬、フィリア》 4《巨大戦車の行商人》 1《封じ込める僧侶》 1《白蘭の幻影》 1《骨の皇帝》 1《護衛募集員》 1《ボガートの獲物さらい》 4《悲嘆》 2《孤独》 4《カザド=ドゥームのトロール》 -クリーチャー(27)- |
1《致命的な一押し》 1《剣を鍬に》 2《虹色の終焉》 4《儚い存在》 4《再活性》 -呪文(12)- |
|
というわけでザックリと適当に、しかしクールな精神は忘れずに「デッドガイ・エールinタイムレス」を組んでみた。軸になるのは上記のレガシーのものと同じく《悲嘆》及び《孤独》を《再活性》&《儚い存在》で使いまわす動き。そこにタイムレスならではの《巨大戦車の行商人》や、モダホラ3の新カードを詰め合わせに。
1枚挿しをいくつかとってあるが、これらは《護衛募集員》でサーチできるものになっており、相手のデッキや状況に合わせてサーチしてきて用いることを考えている。《ボガートの獲物さらい》は墓地対策クリーチャーでありながら土地でもあるのが面白い。またその獲物浚いや《白蘭の幻影》、《オークの弓使い》に行商人、そしてインカーネーションといった連中はすべて戦場に出た時に誘発する能力持ちという共通点が。これは《溌剌の牧羊犬、フィリア》と組ませるしかないでしょう。かわいいわんこが攻撃すればこれらのクールなスタッフが活力みなぎりもうひと働きを見せてくれる。サーチと細かなシナジーが好きなプレイヤーには、モダホラ3のもたらす刺激はクールでたまらないはず。
タイムレスはインカーネーションが飛び交うゲームとなるか?どれほど定着するかはまだまだわからないが、シーズン開幕当初はかなりの数を目にすることになるだろう。タイムレス最強の色は黒であることは間違いなく、それ故に《悲嘆》が想起されるのが日常の風家になるだろう。だったらモダホラ3が用意してくれた解答である《苛立たしいガラクタ》を使ってみるのはどうだろう。先手1ターン目に置ければ《悲嘆》連打も防げ……《虹色の終焉》から入る?ありがとうございました。
では今週はここまで。Stay cool! Face off the grief!!
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