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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

オルゾフ吸血鬼:福音者と切り裂き魔(スタンダード)

岩SHOW

 今《血滾りの福音者》が強い!スタンダードにおける白い攻めるカードの中でも、トップクラスの性能を誇っている。3マナと現実的なコスト。自身のタフネスは低いが戦場に出た時にコウモリを生成するので、実質3/2相当。攻撃時に喚声能力が誘発してそのコウモリのパワーを上げられるので、攻撃面で見れば1枚で実質パワー4。更に他にクリーチャーが並んでいれば完成の威力は増す。そしてそういった横並びデッキの弱点である全体除去に対しても……死亡時にコウモリを置いていくので、攻めが途切れない。良いことづくめな3マナ域、白くて殴るデッキにおいては3マナ域の選択肢として手堅いものになっている。福音者は「ボロス召集」をはじめ、トークン系デッキなどで活躍している。

 しかしそんな福音者の強さを、それらのデッキは100%発揮できているだろうか。能力以外にも注目すべきポイントがあるじゃないか。そう、吸血鬼!このカードはマジックの歴史においても人気の高い部族である吸血鬼のタイプを持っている。黒を中心に赤と白がメインで、なんだかんだで全ての色に存在する吸血鬼。このタイプを活かしてこそ福音者はそのポテンシャルのすべてを解放できるのではないか?《マルコフ男爵》など吸血鬼を強化するカードが存在している今のスタンダードこそ、吸血鬼デッキを組むタイミング!

HelloGoodGame - 「オルゾフ吸血鬼」
スタンダード (2024年6月2日)[MO] [ARENA]
4《コイロスの洞窟
3《秘密の中庭
2《砕かれた聖域
1《眠らずの城塞
4《魂の洞窟
1《ミレックス
1《皇国の地、永岩城
1《見捨てられたぬかるみ、竹沼
3《平地
4《
-土地(24)-

4《殺しの競技者
4《不浄なる祭司
4《薄暮軍団の決闘者
2《処刑者の族長、ヴラーン
4《マルコフ男爵
3《血滾りの福音者
2《うろつく玉座
4《血管切り裂き魔
-クリーチャー(27)-
4《失せろ
3《収集家の檻
2《無慈悲な殺戮
-呪文(9)-
AetherHub より引用)

 

 というわけでネット上で見つけてきた吸血鬼のサンプルリストをご紹介。白黒2色にまとまった形だ。《殺しの競技者》《不浄なる祭司》と珍しい1マナ域の吸血鬼が並ぶ。これらが採用されている理由は《マルコフ男爵》を強く使うために他ならない。すべての吸血鬼をサイズアップさせるこの男爵は召集能力も持っている。そのため、1・2ターン目にこれらの1マナ吸血鬼を連打しながらそれらをタップして男爵を降臨させるという動きが可能だ。あとは強化された吸血鬼で殴り、福音者も追加してさらに打点を上昇させ……殴る!部族デッキはこのシンプルであるが故の破壊力こそ真骨頂。とにかく吸血鬼を並べて、対戦相手の血を吸い尽くすのだ。

 このデッキで吸血鬼以外のクリーチャー強化要素として用意されているのが《収集家の檻》。毎ターン1マナで+1/+1カウンターを1個置ける。これまたシンプルではあるが確実に戦闘面が有利になるアーティファクトだ。幸い吸血鬼には同カウンターをテーマとする《薄暮軍団の決闘者》がいる。毎ターン決闘者をデカく育てながらカードを引き、常に手札を吸血鬼で満たそう。そして檻にはもう一つ、秘匿能力が。これが戦場に出た際に追放していたカードを、マナを支払わずに唱えられる。その条件は……檻の起動時にパワーが異なるクリーチャーを3体以上コントロールしていること。簡単そうに見えてちょっと難しい条件ではあるが、檻をうまく起動して秘匿していたカードを唱えられれば、ゲームは大きくこちら側に傾くことになる。

 そんな檻から秘匿で唱えたいカードナンバーワンが《血管切り裂き魔》!パイオニアで吸血鬼を定番デッキの地位まで導いた1枚、スタンダードでも戦場に出ればかなりのプレッシャーになってくれる。対象に取るカードで除去しようとするとクリーチャーの生け贄を要求されるその硬さと、敵味方問わずクリーチャーが死亡すると2点のライフを対戦相手からもぎ取ってコントローラーにもたらすその吸血っぷりは他に並ぶものがない。これがいる状態で相手の軍勢に小さなクリーチャーを突っ込ませて詰みに持っていくのは実に気分が良い。

 さらに《うろつく玉座》も並ばせて、これで誘発を倍にすると……ヤバいぜ。玉座は福音者との組み合わせでも、コウモリも喚声も倍にしてくれるので頼もしい。切り裂き魔×玉座でクリーチャー1体の死亡につき4点のライフをドレインできるようにしたら、そこに《無慈悲な殺戮》をぶちかますのも一興。クリーチャーをたっぷり生け贄=死亡させて、対戦相手のライフを血の一滴も残さずにすすり尽くす!ただの攻撃一辺倒なビートダウンデッキで終わらないよう、こういったコンボ要素を混ぜておくのが同一のクリーチャータイプで統一されたデッキを組む際に意識したいポイントだ。

 《血滾りの福音者》の強さを語るところから入って、最後は吸血鬼界最強の一角《血管切り裂き魔》の豪快コンボの紹介に至ったが……次回(明日)のコラムで取り上げるのもこの切り裂き魔を使ったコンボ要素を搭載したデッキだ。相手のライフを消し飛ばせるその手段、こうご期待!

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