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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・ミッドレンジ:蠍ドラゴンにこの宝物を捧ぐ(スタンダード)

岩SHOW


 マジックは様々な生物が戦うゲームだ。人間・エルフ・ゴブリンなどなどの文明を持ったヒューマノイド系の種族から、犬猫にはじまり数々の実在の動物、ユニコーンやグリフィンなどのファンタジー世界の獣たち、そしてファイレクシアンやエルドラージといったマジック独自の生命体……実に多種多様なクリーチャーが並び合い、ぶつかり合う。

 そんなマジック世界のクリーチャーの中でも、やはり至高の存在はドラゴン。間違いない。巨大な肉体とそれを覆う硬質の鱗、鋭い牙と爪、翼で宙を舞い口からブレスを放つ……やっぱりドラゴンが多元宇宙のナンバーワン。ドラゴンがいないと始まらないよ。新次元であるサンダー・ジャンクションの荒野にも、しっかりとドラゴンが生息している。しかもこの次元産のドラゴンは、砂漠に相応しく蠍の要素も備えている!多脚であり前脚はハサミ状、そして毒針を備えて弧を描いて前に伸びる尻尾……これはやんちゃ心に火がついてしまう!この次元のドラゴンを目にしたら、とてもじゃないが生きて帰れる気がしない。

 そんな蠍でありドラゴンである怪物を手名付けるのが《財宝使い、マグダ》だ。彼女は出身次元のカルドハイムに居る時もドラゴンを呼び出す能力を備えていたが、ところ変わってもその特技は変わらず。現地のドラゴンにしっかり対応して、4/4飛行・速攻の蠍・ドラゴン・トークンを生成することが可能だ。このスコーピオンドラゴンを呼び出すためのコストは宝物3つ。そしてマグダは、プレイヤーが悪事を働くとそれに対して報酬を支払うかのように宝物を1つ提供してくれる。これを3つ貯めて彼女にドラゴンに引き換えてもらうも良し。あるいはマナ加速として消費し、次の悪事に繋げるも良し……今回はマグダを活かすことを狙ったスタンダードのドラゴン搭載デッキだ!

Tryna_sell_ur_casa - 「ラクドス・ミッドレンジ」
MTG Arena Standard Metagame Challenge 7-0 / スタンダード (2024年6月2日)[MO] [ARENA]
2《硫黄泉
3《黒割れの崖
2《憑依された峰
3《不穏な火道
4《魂の洞窟
1《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1《反逆のるつぼ、霜剣山
2《解体爆破場
2《ミレックス
4《
2《
-土地(26)-

4《大洞窟のコウモリ
4《財宝使い、マグダ
2《墓地の侵入者
2《アーボーグの掃除屋
2《退廃的なドラゴン
2《敵意ある調査員
2《最深の裏切り、アクロゾズ
2《嘶くカルノサウルス
1《原初の征服者、エターリ
-クリーチャー(21)-
3《切り崩し
2《喉首狙い
1《兄弟仲の終焉
2《強迫
2《ギックスの命令
1《多元宇宙の突破
2《執念の徳目
-呪文(13)-
1《切り崩し
1《喉首狙い
2《削剥
2《苦痛ある選定
2《危難の道
1《兄弟仲の終焉
2《強迫
2《ウラブラスクの溶鉱炉
1《ヴェールのリリアナ
1《黙示録、シェオルドレッド
-サイドボード(15)-
Reddit より引用)

※デッキリストの沼と山の正確な枚数は不明。それぞれの色のバランスから推測して合計6枚にしたものになる

 

 悪事、即ち対戦相手やその呪文・パーマネント・墓地を対象にするのであれば、やはり最有力の色は黒である。黒であれば手札破壊・クリーチャーやプレインズウォーカーの除去・墓地対策と悪事を働く手段に事欠かない。これら黒のカードとマグダを組み合わせたのがこのラクドス(黒赤)カラーの中速デッキだ。《大洞窟のコウモリ》と《強迫》で手札を確認してプランを固めながら、除去で道を切り開いて空飛ぶ蠍で殴り勝つ……というのが理想のパターン。わかりやすい戦い方をするので、悪事が何なのか理解できれば初心者でも扱えるデッキだ。

 マグダを使うにあたって大事にしたいのは、使い捨てのインスタントやソーサリー等以外にも、パーマネントで継続して悪事を行えるものを用意すること。それらの能力にマナが不要であれば尚良い。このリストでは《墓地の侵入者》や《アーボーグの掃除屋》がそれに該当する。これらのクリーチャーは攻撃時に墓地のカードを対象に取って追放するので、各種墓地利用デッキへの直接的な妨害手段だ。その上でそれぞれにボーナスを得られるので、攻撃しつつ効果的に悪事を働いていきたい。2ターン目マグダ→3ターン目侵入者or掃除屋で悪事→4ターン目それで攻撃して悪事→対戦相手のターンにインスタントの除去で悪事で宝物3つと動ければ、スムーズにドラゴンの展開orマナ加速からの《多元宇宙の突破》や《執念の徳目》といったビッグアクションにもっていけるぞ。

 ラクドスカラーでドラゴンと言えば《退廃的なドラゴン》。出来事で対戦相手のカードを奪えて本体も4マナ4/4と中々のスペックを持つアドバンテージ源なのだが、これを上手く扱うには構築に工夫が必要だ。その点、相手のカードを唱えるために必要な色マナを捻出する宝物を用意してくれるマグダは噛み合っている。ドラゴン自身の能力とマグダとで宝物を量産して追放したカードをプレイし、またそれらを餌にドラゴンを増やし……出来事が対戦相手を対象に取るので悪事を働いているなど、この2枚は相性◎。ラクドスという色をチョイスするのであれば、一度は試しておきたいタッグチームになっている。

 ドラゴンはマジックの華、さあ《財宝使い、マグダ》で今すぐ蠍の如きドラゴンを呼び出そう。宝物を手にする者はドラゴンと共に戦う資格を得るのだ。

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