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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ゴルガリ・ミッドレンジ2選。常滑でも主要デッキ間違いなし?(スタンダード)
競技マジックの最高峰、プロツアー。各地の予選を勝ち抜くなどして招待されたプレイヤーのみが参加できる、真剣(ガチ)のデッキが集う場所だ。このトーナメントで勝ったデッキ、活躍したデッキはそのフォーマットのその後に多大なる影響を与える……しかし、プロツアーで活躍したデッキのみが環境を作っていくわけではない。様々な要因が絡んで、プロツアーで目立つことはなかったが……遅れて環境の勝ち組になっていくデッキというものもある。プロツアーとランク戦や店舗の大会、中規模のトーナメントなどはまた別物という証拠でもあるね。
スタンダードで言うならば……ゴルガリ(黒緑)。先日の「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」ではフィーチャーマッチでもサブで1回映ったくらいだったろうか。使用者数も多くなく、上位入賞もなく終わった。しかし面白いことに、プロツアー後にこのカラーリングのミッドレンジ(中速デッキ)の数は増えている。オンラインのトーナメントでもその名を頻繁に目にするようになった。今回はサンダー・ジャンクションの「ゴルガリ・ミッドレンジ」の実態をチェック!
4《ラノワールの荒原》 4《花盛りの湿地》 4《死天狗茸の林間地》 4《眠らずの小屋》 3《魂の洞窟》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1《耐え抜くもの、母聖樹》 3《沼》 1《森》 -土地(25)- 4《苔森の戦慄騎士》 3《腐食の荒馬》 3《グリッサ・サンスレイヤー》 3《分派の説教者》 1《墓地の侵入者》 3《黙示録、シェオルドレッド》 1《最深の裏切り、アクロゾズ》 1《金脈のハイドラ》 -クリーチャー(19)- |
1《花粉の分析》 4《切り崩し》 4《喉首狙い》 1《保安官を撃て》 2《ギックスの命令》 3《強迫》 1《ヴェールのリリアナ》 -呪文(16)- |
1《腐食の荒馬》 1《強迫》 3《敵意ある調査員》 2《ヴェールのリリアナ》 3《危難の道》 2《羅利骨灰》 3《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
『サンダー・ジャンクションの無法者』よりゴルガリが迎え入れたものは……まずは《花盛りの湿地》。これのおかげで2色土地4種16枚という布陣で戦えるようになった。マナの安定感は抜群だ。そんなマナベースから繰り出すカードの中でも……ゴルガリの売りはクリーチャーの展開と手札の補充の両立。これを《苔森の戦慄騎士》からはじまり、大半のクリーチャーにカードを1枚引いたり手札にカードを加えるなどの一文が記されている。
新カード《腐食の荒馬》はゴルガリの2マナ圏として定着している。普通に攻撃しても十分に強い。ライブラリーの一番上のカードが手札に加えられ、対価としてライフを失う。当然のやり取りではあるが、この荒馬に騎乗できればライフは対戦相手が失ってくれる。手札が増えて相手も弱る、どういうこと?と疑ってしまうレベルの恩恵をゴルガリなら難なく受けられるのだ。なにせ同じ2マナの戦慄騎士がパワー3で、騎乗の条件を満たせるからね。攻撃するとカードを1枚引ける《分派の説教者》、攻撃が通るとカードを1枚引くモードを持つ《グリッサ・サンスレイヤー》とゴルガリの定番ラインナップらで、攻撃しつつも手札を増やす。至福のゲーム体験を味わおう!
荒馬は乗りこなすことができればノーリスクだが、毎度そういうわけにもいかない。時にはライフを大きく失うこともある。また説教者やグリッサも1点ずつとはいえ着実にライフを失わせてくる。この損失をカバーする方法がゴルガリにはきちんと用意されているので安心してほしい。
最も分かりやすいのは絆魂。このキーワード能力を持つ《最深の裏切り、アクロゾズ》や、それを与える《ギックスの命令》で攻撃しつつライフ回復。これで攻めれば攻めるほど有利になる、ゴルガリの戦術をサポートだ。これらに加えてドローの度に回復する《黙示録、シェオルドレッド》や《眠らずの小屋》の生成する食物など、ライフを維持する手段には事欠かない。遠慮せずに気持ち良く、手札を満たしていこう!
4《花盛りの湿地》 4《死天狗茸の林間地》 4《眠らずの小屋》 2《英雄の公有地》 2《沈んだ城塞》 2《ミレックス》 2《廃墟の地》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 4《沼》 1《森》 -土地(26)- 2《苔森の戦慄騎士》 4《自由放浪団の見張り》 3《グリッサ・サンスレイヤー》 3《懲罰者、ケアヴェク》 2《黙示録、シェオルドレッド》 2《敵意ある調査員》 2《厄介者、ギサ》 -クリーチャー(18)- |
2《切り崩し》 4《喉首狙い》 2《長い別れ》 3《強迫》 3《チビボネの加入》 1《執念の徳目》 1《多元宇宙の突破》 -呪文(16)- |
4《危難の道》 2《切り崩し》 1《強迫》 2《敵意ある調査員》 1《極悪非道の盗人》 1《ギックスの残虐》 2《未認可霊柩車》 2《中止 // 停止》 -サイドボード(15)- |
先ほどのリストは定番のミッドレンジに荒馬を迎え入れたものだが、最近はまた別のベクトルのリストも出回っている。こちらは伝説のクリーチャーを多く採用した“悪事型”のゴルガリ。《チビボネの加入》と伝説のクリーチャーの組み合わせで対戦相手を対象に取り、悪事の条件を満たして様々なボーナスを得るというのがコンセプトだ。各種パーマネント除去に《強迫》などもあり、悪事を働くのは簡単だ。これで《懲罰者、ケアヴェク》を誘発させてゴリゴリとアドバンテージを稼いだり、《厄介者、ギサ》で強い盤面を作ったり……中速デッキが好きなプレイヤーにとってはたまらないタイプの戦術だね。
悪事関係のカードの中でも、序盤に最も狙っていきたいのは《自由放浪団の見張り》。これで土地を戦場に出し、相手より手数で勝るというのが狙い。マナが増えればさらに見張りの悪事を狙っていきやすくなるので、これで積極的にマナを増やし……《執念の徳目》や《多元宇宙の突破》などのゲームに勝てるヘビー級の1枚に繋げるのだ。
どちらもそれぞれに安心感があり、使い方も難しくないのでプレイヤーは選ばないリストなので、ゴルガリに興味が湧いた人はぜひデビューしてみてほしい。今週末のプレイヤーズコンベンションでも、各種スタンダードのイベントでこのデッキが躍動するのだろう。かなりの数になると思われるが、さてデッキ分布はプロツアーと比べてどうなるかな?結果が今から楽しみだ。
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