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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
目立ちたがりはこれ使え!グルールで強烈ビートダウン(スタンダード&モダン)
あいつ、目立ってんなぁ。学生の時、クラスに一人はそういうヤツがいたものだ。この春マジックにやってきた新入生にも1枚、目立って目立ってしょうがないヤツがいる。
《精鋭射手団の目立ちたがり》、こいつは目立つぜぇ。歴代で見ても数少ない赤い鳥クリーチャーで、シルエットが人間型のエイヴンという種族で赤単色のものはこれが初登場じゃないかな。洒落た格好で、これ見よがしのポーズも目立つことを狙いすぎていて、ここまで目立てばむしろ清々しい。この目立ちたがりはゲーム的にも大変に目を引くものである。
2マナ1/2とサイズは平凡だが、鳥らしく飛行、そして赤の象徴である速攻を持つ。これだけでもなんかもうそこそこ強いのだが……非クリーチャー呪文を唱えると、パワーが2も上昇する。インスタントやソーサリーだけでなく、他のものでも誘発するのがこの手のカードの中でもずば抜けて優秀だ。呪文1つでパワー3、2マナのクリーチャーとしては十分な打点だ。2回も誘発すればバケモン、二桁に到達した際には気絶不可避。それもまあ不可能じゃないよね、というのがコイツのヤバいところなんだよなぁ。しかも計画能力で、一旦追放しておける。そのターンに唱えることはかなわないが、以降のターンであれば0マナで唱えられるように。タフネスも低く除去耐性が薄いクリーチャーである。戦場に出したら、そのまま一気に強化して攻撃まで行きたいところ。そのムーブを狙うには、これ自身を唱える2マナすらもわずらわしい!そんな贅沢な意見に応える、ただ目立つだけの鳥じゃないんだよなぁにくいぞコノヤロー!
素で唱えて攻撃して良し、計画から呪文の連打で一気に強化して大ダメージというターンを演出しても良し……前評判通り、めちゃくちゃ強いぜ。プロツアーでこそ目立てなかったが、そのうっぷんを晴らすかのようにオンライン上や各地の予選では、目立ちたがりアグロが今日も派手な花火を上げている!
8《山》 4《銅線の地溝》 4《カープルーザンの森》 2《不穏な尾根》 2《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(20)- 4《僧院の速槍》 4《精鋭射手団の目立ちたがり》 4《逃走する暗号破り》 4《探索するドルイド》 -クリーチャー(16)- |
4《火遊び》 1《ショック》 4《魔女跡追いの激情》 4《巨怪の怒り》 3《双業火》 4《悪魔の大騒動》 4《熊野と渇苛斬の対峙》 -呪文(24)- |
3《真紅の鼓動の事件》 3《祭典壊し》 3《絞殺》 3《焼炉の懲罰者》 3《毒を選べ》 -サイドボード(15)- |
スタンダードのほぼ赤単に緑を足したアグロ。この構築は目立ちたがり及び他の軽量で果敢能力を持ったクリーチャーを活かす作りになっている。メインにおいては、それらのクリーチャーでの攻撃を軽い呪文で大ダメージへと引き上げる、これしか勝ちパターンはない。シンプル故に破壊力は抜群!
《火遊び》や《巨怪の怒り》など、従来の赤単で見られた呪文はもちろんのこと、新たに《悪魔の大騒動》が加わる。このエンチャントはただサイズを挙げるだけでなく、トランプルに加えて威迫までもたらすのがすごい。付けたクリーチャーが除去されてもとりあえずドローという最低限の保障まで込みで、とりあえず1ターン目に計画しておけるというかなりの強力オーラだ。これらの連打から、育ちきったクリーチャーに《双業火》で二段攻撃!気持ちの良いフィニッシュを描く。
この動きには2マナのカードは足手まとい、と言わんばかりに《稲妻の一撃》が不採用。代わりに《ショック》が入っているところに、やり込み具合が感じられる。2マナ3点は魅力的だが……固定観念を捨てなければ、爆発力は生まれないんだなぁ。
緑を足している理由は《探索するドルイド》。出来事側の《獣の探索》で手数を増やし、目立ちたがりのダメージを極限まで高める。理想は目立ちたがりを計画しておいて、チア千相手のターンにこの探索を唱え、自分のターンに追放した2枚のカードを使い切っての最大ダメージ狙い。これで二桁叩き込んでグッドゲーム、なんて展開も往々にして起こり得るので、相手がグルールの時はガードを緩めてはならないぞ。ドルイド本人も赤い呪文を連打すればムキムキに。大騒動で威迫やトランプルをつけて最後のダメ押しだ。
緑の要素は本当に最小限、サイドも《毒を選べ》のみだ。《蛇皮のヴェール》のような緑の除去避けも搭載したくなるが…これらがあるかも、と意識させるだけでも効果ありなのかも。単体除去を巡る攻防で、必要だと感じたら採用してみるのもわるい話じゃないぞ。自分に使いやすい形でビートしていこう!
今回はオマケで、同様の目立ちたがりなグルールのモダン版のリストも紹介しよう。
4《沸騰する小湖》 2《血染めのぬかるみ》 2《樹木茂る山麓》 2《乾燥台地》 3《踏み鳴らされる地》 1《商業地区》 1《灼陽大峡谷》 3《山》 -土地(18)- 4《ドラゴンの怒りの媒介者》 4《僧院の速槍》 4《精鋭射手団の目立ちたがり》 4《探索するドルイド》 4《タルモゴイフ》 -クリーチャー(20)- |
4《ミシュラのガラクタ》 4《豊穣な収穫》 4《溶岩の投げ矢》 4《稲妻》 2《タール火》 2《変異原性の成長》 2《死の国からの脱出》 -呪文(22)- |
1《湧き出る源、ジェガンサ》(相棒) 2《血染めの月》 2《月の大魔術師》 2《破壊的な享楽》 4《毒を選べ》 4《トーモッドの墓所》 -サイドボード(15)- |
モダンであれば《ミシュラのガラクタ》が使える。ドローが付いているので手札の枚数を減らさずに果敢や目立ちたがりを誘発させる。マナが{0}なのが最高だ。マナでなくライフで支払える《変異原性の成長》、フラッシュバックのコストにマナが不要な《溶岩の投げ矢》などなど、1ターンの間に連打できる呪文の数はスタンダードのものと比較にならない!これでいきなり二桁ダメージを叩き込んで勝つ、中毒性の高い爽快感が約束された今目立ちまくっているホットなアーキタイプだ。
目立つ杭は打たれるもの。他のデッキもただノーガードで目立ちたがりの攻撃を許すわけではない。どんなデッキも目立てば勝ちにくくなるものだが……グルールの行く末は、果たして。でもどれだけ対策したデッキでも、ちょっと引きがわるくてもっさりしている……そんな隙を見つけたら躊躇なく畳みかけて勝つ。これぞアグロの魅力ってなもんだ。
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