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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!赤単の射撃で目立っちゃえ(スタンダード)

岩SHOW

桜が散ったら、次はサボテンだ!

 これを書いているタイミングは強い雨が降った翌日。せっかく満開になった桜も、この雨の影響でかなり散ってしまった。気温の上昇もあって葉の成長も早く、桜のシーズンは終わるなぁと……これが公開される頃にはすっかり散ってしまっているのではないだろうか。しかし、しかぁし!桜の季節が終わって、見えてくる光景は一面のサボテン!『サンダー・ジャンクションの無法者』がいよいよリリースだ。つまり、スタンダードは本格的に新環境を迎えるッ!

 スタンダードを愛する、あるいは興味はあるけどまだ未プレイ、とにかくスタンダードが気になる皆にその魅力を伝え、同じスタンダー道を歩もうというのがデイリー・デッキの木曜日。さあ、日光を浴びて元気になったら、室内でスタンダードだ!

とことん!開幕赤単道!

 スタンダードの新セットがリリースされ、環境が新たなスタートを切った時……元気になるのが「赤単アグロ」。これぞマジックの風物詩、季節の変わり目は赤単で感じろ!一体どういうことかというと、環境最初期はトーナメントでもランク戦でも、新カード・新メカニズムを取り入れた野心的なデッキを持ち込むプレイヤーが多くなるものだ。

 それらは時に大成功、驚異的な強さを発揮するが、いきなり完成度の高いリストを組むというのは至難の業。まだまだ調整段階にあり、かつ使いたいカードを優先した結果少々歪な構築が施されたデッキが多いとなると……そういった不安定なデッキを赤単が蹴散らす光景、容易に想像がつくよね。というわけで環境最初期は赤単の気合いが高まり、新デッキの雛たちを待ち構えている!

Mogged - 「赤単アグロ」
Magic Online Standard Challenge 64 優勝 / スタンダード (2024年4月7日)[MO] [ARENA]
3《ミシュラの鋳造所
1《反逆のるつぼ、霜剣山
19《
-土地(23)-

4《僧院の速槍
3《逃走する暗号破り
3《血に飢えた敵対者
3《魅力的な悪漢
3《擬態する歓楽者、ゴドリック
2《怪しげな統治者、スクイー
1《轟く雷獣
-クリーチャー(19)-
4《火遊び
4《稲妻の一撃
4《魔女跡追いの激情
2《巨怪の怒り
4《熊野と渇苛斬の対峙
-呪文(18)-
3《墓所の門番
2《祭典壊し
3《石術の連射
2《抹消する稲妻
3《ウラブラスクの溶鉱炉
2《レジスタンスの火、コス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

回転

 現在の赤単はかなり完成度が高く、リスト自体は一つのピークに差し掛かっている。《熊野と渇苛斬の対峙》とこれに小型速攻持ちクリーチャーを絡めたラッシュ力の高さは健在。《黙示録、シェオルドレッド》などの高タフネスクリーチャーを苦手とする印象が強かったが、《魔女跡追いの激情》をはじめダメージ呪文も強力なので、対戦相手が少しでももたつけばそれに付け込んで一気に畳みかけて押し切ることができる。

 上記のリストを環境終盤に使ってみたが、安定感があって頼もしいものだったね。基本パーツや土地構成には大差は見られないが、細かいカードのチョイスで個人差が出るのが赤単。《僧院の速槍》と《逃走する暗号破り》の果敢クリーチャーらをサイズアップさせて押し切ることを意識したこのリスト、イケてたぜ。

 さて、そんな赤単にウェルカム!拍手でお迎えしたい新戦力がサンダー・ジャンクションからやってくる!《精鋭射手団の目立ちたがり》だ。この鳥の目立ちたがり屋は2マナで1/2、素のパワーは低いが飛行と速攻と攻めに向いたキーワード持ち。さらに、W果敢とでも形容したくなる、非クリーチャー呪文を唱えるとパワーが2上昇するパワフルな能力持ち!これはつまり《火遊び》が1マナ4点、《稲妻の一撃》が2マナ5点火力になるようなものだ。計画能力によりテクニカルな運用も期待できる、誰もが注目するクリーチャーが新たに加わる!

 さらに同じく2マナ域には新たな除去、《焦熱の射撃》も参入!2マナで5点、遂にここまで来たか……なんというマナ効率の良さだ。これで除去できないクリーチャーの方が多いんじゃないかというレベル。

 ただこのカードが入ったことで《魔女跡追いの激情》や《抹消する稲妻》にお呼びがかからなくなるのかというと、そんなことはないと思うな。最大軽減で1マナになるインスタントであったり、追放できる&プレインズウォーカーにも飛ばせる……そういった単なるマナ効率以外のオプションに加えて、《焦熱の射撃》は赤マナ2つを要求するダブルシンボルであるのに対して、後者2種はシングルシンボルだ。赤単色デッキでそんなもの関係ない、と突っぱねることができる要素でもあるのだが、《ミシュラの鋳造所》を使う関係から完全に無視出来るものじゃあないよな。数多くゲームをやっていれば、土地が3枚で止まってそのうち2枚がミシュラ、なんてこともあるわけで。その辺を踏まえて、超強力な《焦熱の射撃》をその前任の除去と組み合わせて用いるのが最善なのではないかなと、現時点では考えているよ。

岩SHOW - 「赤単アグロ」
スタンダード (2024年4月11日)[MO] [ARENA]
3《ミシュラの鋳造所
1《反逆のるつぼ、霜剣山
19《
-土地(23)-

4《僧院の速槍
4《精鋭射手団の目立ちたがり
3《逃走する暗号破り
3《血に飢えた敵対者
2《擬態する歓楽者、ゴドリック
2《怪しげな統治者、スクイー
-クリーチャー(18)-
4《火遊び
4《稲妻の一撃
3《焦熱の射撃
1《魔女跡追いの激情
2《巨怪の怒り
1《無謀なる衝動
4《熊野と渇苛斬の対峙
-呪文(19)-

 

 早速上記のリストに新カード2種類を採用してみた。素のデッキを大きく崩すと、環境初期の赤単の強みも薄れるので……様子見というのもあってこれぐらいが良い塩梅かな。目立ちたがりを赤単でも強く使えることが判明したら《無謀なる衝動》のような手数を増やすカードをもっとメインの要素に昇格させて、果敢クリーチャーと併せて大ダメージを叩き出すタイプの新しい赤単の形を模索しても良いね。今後が楽しみだ。

 サイドボードのカードチョイスも考え直さないとね。個人的には《魔道士封じのトカゲ》が面白いんじゃないかなと。非クリーチャー呪文を連打するようなデッキに対しては良い牽制役になりそうな予感。計画を絡めたコンボチックなデッキなどを多く見るようなら、コイツの出番だ。

 そしてサンダー・ジャンクションの宝物庫から飛び出してきたビッグスコアの中には魅力的なアーティファクトの数々が。とりあえず《倦怠の宝珠》は用意しておいて損はない。クリーチャーが戦場に出て何かする類のデッキをこれで抑え込もう。召集デッキなどには効果的だね。クリーチャー同士のぶつかり合いが頻発しそうなマッチアップなら《失われた十手》、インスタントとソーサリーの単体除去を備えたデッキには《富と力の剣》でプロテクションを持たせて殴りかかろう。これらの装備品はメインに採用しても仕事をこなしてくれそうな予感。果敢と目立ちたがりが誘発する呪文は何でもウェルカムだ。

 さあ、色んなデッキ案が浮かんではそれを試す、環境最初期が始まるぞ。この時期は様子見?それもアリだけど、せっかくだから少しでも多くスタンダードを楽しもうじゃないか。赤単が増えるのを予想してしっかりガードを固めたデッキを組むか、あるいはやりたいことを優先するか……前環境と変わらないそのままのデッキを持ち込んでもかまわない。とにかく遊ぼうぜ!先、行ってるからな!

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