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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:発見コンボに相棒大集結!(パイオニア)
今週もやってきました、クールな金曜日。皆、何故マジックをプレイしているのか?それは……言わなくても良い、わかってるぜ!このゲームがクールすぎるから、そうだよな。マジックほどクールなコンテンツはそうそうない、このクールさを知ったらヤミツキになる。だから僕たちはこのゲームをいつまでも続けている、いつまでもハートを掴まれている。いつだってマジックのことが気になる!そんなクールさを求める人たちに捧ぐ、クールなデッキを紹介する当コーナー。今週のデッキはパイオニアからピックアップ。
フォーマット設立から4年を経て、これからますます盛り上がりを見せていくだろう環境、パイオニア。スタンダードよりも広く、モダンよりも狭いカードプール。これが絶妙な塩梅で……自由度と制限の両方を感じながら作られるデッキたちは、他の環境のものとは毛色が異なるものが目立つ。中でもパイオニアだからこそのコンボとされるのがクイントリウス系だ。
《クイントリウス・カンド》の発見を利用したループ系コンボだ。ライブラリーの上から順にカードを追放していき、定められたマナ総量以下の呪文が公開されると、それをマナを支払わずに唱える(あるいは手札に加える)ことができるのが発見という能力。クイントリウスは発見4を行える。これで狙ったカードを公開するために、デッキ内の4マナ以下のカードは極力絞る。それ以外はマナ総量の大きな呪文で固めた構築をすることで、発見から狙い通りのカードを公開する。
この4マナ以下のカードを《灯の分身》や《賢いなりすまし》とプレインズウォーカーのコピーになれるものに統一。そうすることでクイントリウスの発見から、クイントリウスのコピーが戦場に並ぶことになる。コピーが次のコピーを呼び……象のプレインズウォーカーが続々と並んでいく。クイントリウスは常在型能力を持ち、追放領域から呪文を唱えると対戦相手に2点ダメージ&自身は2点回復することができる。つまりクイントリウスを起動すると……2点ダメージを与えてコピーが登場→コピーを起動して4点ダメージと2枚目のコピー→2枚目のコピーを起動して6点ダメージと……と、ダメージがバシバシ叩き込まれ続ける。これで対戦相手のライフを削り切って勝つのがクイントリウス系コンボのメインの動きだ。
マナ総量3マナ以下のカードが存在しない、つまり軽いカードが皆無のデッキになるが大丈夫か?という心配は無用。《豪奢 // 誤認》のような分割カードだったり、あるいは設定されているマナ総量と違うコストで唱えたりできるカードで隙間を埋めることで、マジックのデッキとして無理なく成立するのである。象が並ぶことから「象さん増産」とか、ユニークな呼ばれ方もしている。発見という能力を理解し、このコンボを生みだしたプレイヤーは本当にクールすぎるぜ、リスペクト以外の言葉が見つからない。一気にブームを巻き起こしたクイントリウスの発見コンボだが……鮮烈なデビューから2ヶ月以上が経過し、さて現在はどのようなリストに仕上がっているのだろうか?
3《スパーラの本部》 3《ジェトミアの庭》 2《ラウグリンのトライオーム》 4《樹皮路の小道》 4《岩山被りの小道》 4《魂の洞窟》 2《森》 2《島》 2《山》 1《平地》 -土地(27)- 4《灯の分身》 2《賢いなりすまし》 4《嘶くカルノサウルス》 4《大狸》 4《深海の破滅、ジャイルーダ》 3《有角の湖鯨》 4《豆の木の巨人》 -クリーチャー(25)- |
4《群れの渡り》 4《クイントリウス・カンド》 -呪文(8)- |
1《巨智、ケルーガ》(相棒) 2《耐え抜くもの、母聖樹》 4《龍王ドロモカ》 4《揺れ招き》 4《粉骨 // 砕身》 -サイドボード(15)- |
2024年1月末、Magic Onlineを中心にトーナメントで活躍している発見コンボのリストだ。これのクールな点は……相棒クリーチャーが2種類採用されている点だ。サイドボードに控える《巨智、ケルーガ》。カバであり恐竜であるというタイプもクールだが、その能力もイカしている。デッキ内の呪文が3マナ以上であることを条件に相棒に指定できるので、発見コンボにはもってこいだ。このケルーガは戦場に出た時に3マナ以上のパーマネントの数だけドローできる。コンボには直接関係ないが、コンボが決まらない時にクリーチャーを展開して殴り勝つプランを後押しする、クールな救援投手的な存在だ。
そしてメインデッキに採用された相棒クリーチャーが……《深海の破滅、ジャイルーダ》!ケルーガはクイントリウスの定番だったが、ジャイルーダのチョイスはシブい!ジャイルーダは戦場に出た際にお互いのライブラリーを切削し、その中に偶数のクリーチャーがいればそれを戦場に出せる。
ジャイルーダもかつてコンボデッキとして一世を風靡した1枚だ。偶数のクリーチャーとして《灯の分身》や《賢いなりすまし》を採用し、それらを能力で戦場に出してジャイルーダのコピーを作り、これをどんどんと並べて盤面を制圧する……クイントリウスと同じパーツを用いてコンボしているので、だったら同じデッキに同居させれば良いじゃないか!という発想。こりゃ最高にクールだなぁ。
クイントリウス系のデッキには相方として《嘶くカルノサウルス》が採用されているものだ。6マナで発見5、クイントリウスかコピー群かが見つかるように構築してコンボをスタートする第2エンジンになり、手札から捨てれば3マナ3点ダメージの除去にもなる。コンボを邪魔しない除去の存在は有難いことこの上なし!このカルノサウルスも6マナと偶数なので、ジャイルーダから飛び出して象さんコンボを決めて良し、デカブツ軍団で殴って良し……ジャイルーダ×カルノサウルスの怪獣コンビネーション、絵面も最高にクールで痺れるぜ。
クイントリウス系コンボにおいて、マナ加速も重要なファクターだ。《マグマ・オパス》などのマナ総量が大きいが、別のコストで宝物を作るマナ加速として運用できるカードを盛り込んでいるリストも多く見られる。それはそれでクールだが、このリストでは《大狸》の魂力や《豆の木の巨人》の出来事を用いている。また土地の枚数自体も27枚と多めに用意されている。マナ総量の大きいカードばかりで構成されているデッキなので、しっかりとキーになる5マナ、6マナまで滞りなく土地を引きたいということだ。それでも土地が引けないこともあるので《群れの渡り》で水増しだ。手札から捨てて土地を引っ張ってくるのがメインの使い方だが、コンボ以外の勝ち筋としてこれも非常に強力。狸や巨人で土地を伸ばして、ヘビー級のカードを連打して圧倒する。デッキのメインプログラムを阻害せず、できることの幅を増やす。これぞクールなデッキ調整というもの。結果、文句なく美しいリストに仕上がっているね。
サイドボードにもクールな姿が。《揺れ招き》!『カルドハイム』の神話レアである巨人だ。同セットでは別の神話レアに濃い面々が揃っていたため、当時は目立たなかったのだが……巨人デッキを組みたいと試行錯誤していたプレイヤーには思い入れもあるんじゃないかな。スタンダードやその他のフォーマットで雄姿を拝む機会はほとんどなかったのだが、今現在パイオニアでは一躍人気カードとなっている。対戦相手はライフを得ることが無くなる常在型能力がクールな働きを見せるのだ。ライフ回復を繰り返して《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》で一撃必殺を叩き込む、「アマリアコンボ」が横行している現在のパイオニア。このコンボを完封する《揺れ招き》はマジで頼もしい!
《暴れ回るフェロキドン》などでも同様の対策は出来るが、《スカイクレイブの亡霊》などのアマリア側が搭載している対策への対策カードにも引っかかりにくいのが《揺れ招き》の強みである。単純にサイズもデカいし、何よりも5マナのカードなのでクイントリウスの発見から捲れることがない。これは偉いッ。5マナでありながら予顕能力で4マナで唱えられるのもCooool!
ケルーガとジャイルーダでブラッシュアップされ、クールさを増したクイントリウスの発見コンボ。カッコよさと強さを兼ね備えたデッキなので、パイオニアやMTGアリーナのエクスプローラーで使うデッキに迷っているのであれば、ぜひ手に取ってほしい!
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Discover your own cool!!
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