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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
スタンダードのゴルガリをアップグレード!苔森は他のフォーマットでも輝くか?(パイオニア)
パイオニアが発表されてから、もうすぐ4年。2019年10月21日にこのフォーマットは発表され、もう今ではすっかりお馴染みのものとなった。スタンダードとエターナル環境との間として制定されたモダンが、年月を経てカードプールが広大になり、とてもじゃないが「スタンダードとの間」と呼べないほどのボリュームになったため、橋渡しとなるフォーマットが求められたためにこのパイオニアはスタートした。
実際に2023年、スタンダードにおける「ラクドス・ミッドレンジ」の一部カードをより強力なものに置き換えたものがパイオニアでも強力なデッキとして君臨。《思考囲い》《致命的な一押し》などの軽い呪文で固めてやれば、ベースがスタンダードのデッキでも十分に戦える。それは《黙示録、シェオルドレッド》をはじめとするパワーカードがあるからこそでもある。
またスタンダードでは残念ながら禁止となってしまった《鏡割りの寓話》《勢団の銀行破り》などのラクドスのメインパーツも、パイオニアでは現役。ローテーションなども含めて、スタンダードで使えなくなったカードやデッキがそのままスライドしてパイオニアで用いることが可能というのは、プレイヤーにとっては有難い話だ。スタンのデッキを組めば自然とパイオニアにもデビューしやすくなる。様々なイベントを楽しめるようになり、ゲーム体験の幅を拡大してくれるのだ。
パイオニアがスタンダードと地続きのフォーマットであり、スタンで強いデッキをそのまま持ち込んでちょっと改造すれば戦える。ラクドスが示したこの事実、今現在のスタンダードにも当てはめることはできないだろうか。
ラクドスと入れ替わりでスタンダードで栄えている似たようなデッキと言えばゴルガリ(黒緑)。《苔森の戦慄騎士》という使い勝手が抜群の2マナクリーチャーを得たことで、ゴルガリは一気にスターダムにのし上がった。2マナでパワー3のトランプル持ち、攻めに向いたスペックである。出来事モードでは2マナで1点のライフを代償に1ドロー。単品で見れば効率の悪いものであるが、カード1枚でドローとクリーチャーと考えれば、それだけでお得。戦慄騎士は死亡すると次の地震のターン終了時まで、墓地からこの出来事として唱えることが可能だ。
これが粘り強い、めちゃくちゃ粘り強い!追放でもされない限りは、延々と墓地・追放領域・戦場を巡り続けるすごいヤツ。この手の使いまわせるクリーチャーには珍しく、ブロックに参加できるので攻守両面で活躍できる。この新たな2マナのエースである戦慄騎士、他のスタンの強者たちがそうであったように、パイオニアでもやれるのでは?
4 《花盛りの湿地》 3 《草むした墓》 2 《死天狗茸の林間地》 3 《廃墟の地》 1 《寓話の小道》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 2 《ロークスワイン城》 1 《目玉の暴君の住処》 2 《ハイドラの巣》 3 《沼》 2 《森》 -土地(25)- 4 《苔森の戦慄騎士》 1 《漁る軟泥》 3 《グリッサ・サンスレイヤー》 3 《黙示録、シェオルドレッド》 1 《開花の亀》 -クリーチャー(12)- |
4 《致命的な一押し》 2 《喉首狙い》 1 《一巻の終わり》 3 《突然の衰微》 4 《思考囲い》 2 《強迫》 2 《勢団の銀行破り》 1 《執念の徳目》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(23)- |
2 《真っ白》 2 《未認可霊柩車》 1 《夢を引き裂く者、アショク》 1 《エシカの戦車》 1 《絶滅の契機》 2 《危難の道》 3 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》 2 《羅利骨灰》 1 《沈黙を破る者、スラーン》 -サイドボード(15)- |
パイオニアでの黒系ミッドレンジ(中速デッキ)と言えば、徹底した除去による序盤のコントロール性能の高さ。スタンダードでも定番の《喉首狙い》に加えて、《致命的な一押し》が最序盤の主導権を握らせない。《ヴェールのリリアナ》によるマウントも強力で、戦場をクリーンに保ちつつ一方的な攻撃を仕掛けるのが勝ちパターンだ。
このリストはMagic Online上でのイベントにて上位入賞したパイオニアのゴルガリ。ラクドスがやれるならゴルガリも!そんな意志を強く感じる、まさしくスタンダードのアップグレード版といった構成だ。《苔森の戦慄騎士》をはじめ、《グリッサ・サンスレイヤー》などスタンダードでもお馴染みのクリーチャーが並ぶ。これらでの攻めを安全に行うため、上述の除去での掃除を常に行っていくことになる。インスタント除去は戦慄騎士のトランプルをより有用なものとしてくれる。ブロッククリーチャーの指定後に除去することで、トランプルは本体にダメージが抜けるのである。
インスタント除去と言えばクリーチャー以外にも触れることのできる《突然の衰微》はパイオニアらしさを感じる1枚。3マナ以下のものであれば打ち消されずにサクッと破壊できるので、これもしっかり計画的に運用して戦慄騎士やグリッサの攻撃を通していこう。この衰微でアーティファクトやエンチャントにも触れられる分、ラクドスよりも柔軟性は高いんじゃないかな。《執念の徳目》も出来事モードでの除去がメインであり、ロングゲームでのオプションとしても輝くナイス新戦力。
スタンダードのゴルガリでもデッキにアクセントをもたらす1枚として採用されることの多い《開花の亀》。パイオニアでなら、土地の種類がスタンよりもモリモリ豊富となるのでそのポテンシャルは更に発揮されることに。
スタンダードでもクリーチャー化する土地との組み合わせは強力だが、パイオニアでなら《ハイドラの巣》や《目玉の暴君の住処》などその選択肢も豊富に。ハイドラは緑マナ1つで1/1になれるので、緊急時のブロック役としても機能するね。強力ゆえに除去されやすい暴君の住処を亀で墓地から再利用すれば、精神的にもかなり優位に。またクリーチャー化せずとも起動型能力を持っている土地との組み合わせも見逃すな。《ロークスワイン城》のコスト軽減は引いてきたカードをすぐ使いやすくなってGreatだ。このリストでは亀は1枚に抑えられているが、ガッツリとデッキの主役にしても楽しいものが組めそうだね。
スタンダードと地続きのフォーマット、パイオニア。新しいフォーマットを始めるのはハードルが高く感じるものだが、スタンダードのデッキを少しいじるだけで十分に戦えるデッキを手に入れられる。ローテーションや禁止などでスタンダードを去ったカードも使えて、似ているようで結構違うゲーム体験が君を待っている。さあ、スタンダードのデッキを持っているなら、そのままパイオニアにも手を出してみよう。どの構築フォーマットをやろうか迷っている人がいるなら、1つのデッキをベースに2つ遊べるスタンダード&パイオニアをオススメするね!
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