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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
白黒つけよう、オルゾフ“ケイヤ”コントロール!(スタンダード)
最近の悩み!天気が……悪いなら悪いで、はっきりしてくれ!ということ。どっちとも取れない曇り、日が差してきて晴れたと思ったらすぐさまゴロゴロと鳴って雲行きが怪しい……こんな毎日が続いているよね。中途半端は良くないぞ!白黒はっきりつけろよ!と、洗濯物を出し入れしながら叫びたくなってくる。実際に叫ぶと近所迷惑になるので流石に控えるが……白黒つけろ!……白黒と言えば、オルゾフだよな……と、思考を強引にわけのわからない方向に持っていって自身をなだめている。
ラヴニカ次元における白と黒のマナを司るギルド、オルゾフ組。それが由来で、白黒のデッキは「オルゾフ○○」とカテゴライズされる。今回紹介するのはオルゾフカラーのデッキ、それもスタンダードのものだ。
4 《ラフィーンの塔》 2 《ジアトラの試練場》 4 《砕かれた聖域》 3 《コイロスの洞窟》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《ミレックス》 5 《平地》 4 《沼》 -土地(26)- 1 《偉大なる統一者、アトラクサ》 -クリーチャー(1)- |
4 《喉首狙い》 3 《切り崩し》 2 《シェオルドレッドの勅令》 2 《太陽降下》 2 《告別》 4 《第三の道の機構》 3 《敵意ある交渉》 3 《トルヴァダへの侵攻》 1 《セレスタス》 2 《ヴェールのリリアナ》 4 《放浪皇》 1 《永遠の放浪者》 2 《無形の処刑者、ケイヤ》 -呪文(33)- |
3 《強迫》 1 《痛烈な一撃》 1 《太陽降下》 2 《第三の道のロラン》 2 《ファイレクシアの闘技場》 3 《黙示録、シェオルドレッド》 2 《黄昏の享楽》 1 《多元宇宙の突破》 -サイドボード(15)- |
こちらのリスト、オンライントーナメント運営サイトに登録されていたものだが、登録者が用いたデッキ名は「オルゾフ・ケイヤ・コントロール」というもの。ケイヤの名を持つカードはスタンダードに現在2種類存在しているが、このリストでは《無形の処刑者、ケイヤ》のことだな。7マナと高コストながら、彼女の盤面支配力は圧倒的だ。2枚ドロー、クリーチャーorエンチャントの追放とそのコピーであるスピリットの生成で低速デッキの逆転をアシスト。そして攻勢に出る時は3点ライフを吸い取って一気に詰める!ケイヤがいれば何でもできる、そう確実に思わせてくれるだけのカードパワーが彼女にはある(断言)。そんなケイヤを除去兼フィニッシャーに据え、どっしり戦う横綱的なデッキだ。終盤に差し掛かった時、このデッキの重すぎる腰はもうひっくり返らないッッ。
デッキとしてはコントロールの中でも特にボードコンに分類されるもの。ボード、つまり盤面をクリーンな状態に保ち続けることを狙う。徹底したパーマネント除去ってことだな。《喉首狙い》などの対象を取る単体除去も充実、《太陽降下》のようにまとめて吹き飛ばす全体除去も抜かりなし。《告別》やケイヤでクリーチャー以外のパーマネントにも触れるので、相手の戦場を土地のみが並ぶ理想の状態に保持する力は十分に高い。
そういったパーマネント除去だけでデッキを構成すると、対戦相手とのドローの差がゲームに及ぼす影響がかなり大きくなる。単純な話、相手がクリーチャーを5枚引いてこちらが除去を4枚しか引けなければ、撃ち漏らしたクリーチャーにやられてしまうということ。なのでボードコンにおいてはカードを引いたり墓地を再利用したり、1枚で複数回使用可能だったりとアドバンテージを獲得する手段が欠かせないパーツとされている。このデッキが採用しているそのアドバンテージ源は《敵意ある交渉》だ。
ライブラリーの上から3枚ずつ追放して束にして、片方の中身を対戦相手に見せる。相手はその情報を元に、見えている方か伏せている方か、どちらかを選び、その選ばれた方が手札に加えられる。4マナのインスタントで手札が3枚増える、この効率は現行スタンダードの他のドローを見てもかなり良いものだ。これまで隠れたカードではあったが、こういうシブいカードにスポットが当たるようになったのはこの上なく良いことだと思うね。
3点のライフを失うところが押されている時に使いづらく、また本当に欲しい3枚が手に入るかは相手次第というところが難点ではあるが、とにもかくにも手札は増えるし、相手のエンドに唱えて隙なく立ち回れるのでその辺は思っているよりは気にならないかな。ライフは《第三の道の機構》で回復すれば良いしね。
《敵意ある交渉》が用いられている理由にはもう一つある。実はこのリストでは、強力なカードがある束が手札に加えられなくてもそれはそれで良いとする1枚があるのだ。それが《トルヴァダへの侵攻》!バトル以外のパーマネントを墓地から戦場に戻す、万能リアニメイトである。交渉は対戦相手が選ばなかった方の束が墓地に落ちる。これを活かしてケイヤなどのプレインズウォーカーらを墓地に眠らせ、トルヴァダで大物一本釣りをかまそうという魂胆である。これが決まるとかなり気持ち良いだろうなぁ。
この侵攻の存在を考えると、ケイヤや《偉大なる統一者、アトラクサ》などのカードが含まれた束が公開された際に、条件反射的にそれらを墓地に送らせると、5マナでそれらを運用されてかえって地獄を見るかもしれない……と迷いが生じるものだ。こういう駆け引きを行っている時が最も「マジックをやっているな」と体感できるタイミングかも。テーブルトップ(紙のカード)で遊ぶ際には、この交渉パートをじっくりと楽しんでほしいところ。対戦相手との対話、それこそがこのゲームの本質だと思うね。
スタンダードで遊ぶ機会は、お近くのショップや今週末(6月24・25日)の「プレイヤーズコンベンション千葉2023」の場内など、沢山儲けられている。君もデッキを組んで、対戦相手と直接やり取りする瞬間を、スタンダードを通じて楽しんでほしい。オルゾフ・ケイヤ・コントロール、オススメです!
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