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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エスパー・レジェンズ:飛竜機械の加護を受けよ(スタンダード&パイオニア)

岩SHOW

 『機械兵団の進軍:決戦の後に』には21種類もの伝説のクリーチャーが含まれている。割合で考えるとすごいなぁ~。メインテーマはまさしく伝説。他のカードでも伝説に対するボーナスをもたらすカードが設けられており、新たな伝説と既存の伝説、レジェンズらが共演するデッキを組むことを大きく後押ししている。

 中でも注目は《黄金造りの飛竜機械》!伝説のパーマネントに護法{2}を与える。呪禁に比べればつけ入る隙があるのが護法だが、それでも対象を取る呪文や能力による除去に対して高い耐性をもたらすもの。2マナのクリーチャーがすべての伝説にこれを与えるというのはなかなかに破格。飛竜機械自身も飛行と絆魂を持っているため戦力にカウントできるのも嬉しい仕様。白と青の2色、ということでスタンダードでこれを用いるなら……。

 やはり《策謀の予見者、ラフィーン》を主役に据えたエスパー(白青黒)デッキが最有力かな。《英雄の公有地》という伝説デッキにとってこの上ない土地を用いて組まれる多色デッキの中でも、強力無比なラフィーンとこれと相性の良い伝説のクリーチャーで固めたものは安定した強さを誇り、スタンダードでも高いシェアを集めている。

 ラフィーンはただでさえ護法{1}を持っているので一般的な3マナクリーチャーよりも除去されにくいのだが、飛竜機械が並ぶとよりカチカチなボディの出来上がり。さらにこのラフィーンの謀議能力と飛竜機械の相性も極上。攻撃クリーチャーの数だけカードを引いて捨て、捨てたカードの中の土地でないもの1枚につき+1/+1カウンターを1個置くのがラフィーンのもたらす謀議。飛行と絆魂を持った飛竜機械を強化してやるだけで、イージーウィンが見えてくる!

 というわけで今回は飛竜機械がもたらす新たな「エスパー・レジェンズ」の形を見てみよう!

「エスパー・レジェンズ」
フライデー・ナイト・マジック(MINT横浜店)全勝 / スタンダード (2023年5月12日)[MO] [ARENA]
4 《英雄の公有地
3 《金属海の沿岸
3 《闇滑りの岸
3 《砕かれた聖域
4 《コイロスの洞窟
1 《地底の大河
3 《皇国の地、永岩城
3 《天上都市、大田原
2 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《平地
-土地(27)-

4 《離反ダニ、スクレルヴ
4 《黄金造りの飛竜機械
4 《スレイベンの守護者、サリア
4 《敬虔な新米、デニック
4 《策謀の予見者、ラフィーン
3 《輝かしい聖戦士、エーデリン
2 《ヨーグモスの法務官、ギックス
3 《黙示録、シェオルドレッド
1 《復活したアーテイ
1 《夜明けの空、猗旺
-クリーチャー(30)-
3 《喉首狙い
-呪文(3)-
4 《切り崩し
2 《第三の道のロラン
2 《邪悪を打ち砕く
3 《救済の波濤
2 《否認
2 《軽蔑的な一撃
-サイドボード(15)-
Twitter より引用)

 

 ラフィーンを軸にしたデッキは……バリエーションが豊富だ。レジェンド型だけで括ってもカードチョイスで動きは結構変化するものだが、概ね共通しているのは1・2マナ域。このリストにも見られる《離反ダニ、スクレルヴ》《スレイベンの守護者、サリア》だ。クリーチャーに単体除去に対する高い耐性をもたらし、攻撃を強引にねじ込む手段にもなるスクレルヴを1ターン目に、非クリーチャー呪文のコストを増量させるサリアを2ターン目にと動けば、対戦相手のデッキ次第ではかなりの不自由を強いることが可能で、そこからラフィーンに繋げるのが必殺ムーブである。

 このスクレルヴ→サリアのラインに《黄金造りの飛竜機械》も加わったことで、スクレルヴ自体もしっかりと除去耐性を与えてやり、圧倒的に硬い盤面を築くことが可能になったというわけだな。

 伝説のクリーチャーであれば何でもウェルカムなデッキであるが、やはりラフィーンの能力と噛み合うカードが望ましい。スタンダードにはかなり選択肢が用意されているが、このリストで選ばれたのは……問答無用の強カード《黙示録、シェオルドレッド》!カードを引くことでライフを得られるので、序盤にどれだけ攻められようともラフィーンの謀議とシェオルドレッドのシナジー(相互作用)が決まれば逆転可能。

 ここにさらに絆魂持ちの飛竜機械が加わることで、ライフが3点くらいまで減らされてしまっても2ターン後には20点越えしていたりするとんでもない回復力を見せてくれる。つまりはクリーチャー重視のゲーム展開を心がけると良いということで、クリーチャーが危険にさらされるようなブロックはなるべく避け、後半の逆転劇を信じて戦場にクリーチャーを並べて強くしていくことを目指していくと良い結果に繋がると思うよ。攻めに転じたらギアをフルスロットルで一気に決めてやろう。

 スタンダードでも活躍が期待できる《黄金造りの飛竜機械》。他のフォーマットでも試してみる価値はあるだろう。早速パイオニアで用いられているリストも発見したので、オマケとして載せておこう。

grahams - 「エスパー・レジェンズ」
Magic Online Pioneer League 3-1 / パイオニア (2023年5月13日)[MO] [ARENA]
4 《英雄の公有地
2 《金属海の沿岸
2 《闇滑りの岸
3 《秘密の中庭
2 《神聖なる泉
2 《湿った墓
2 《神無き祭殿
1 《マナの合流点
2 《皇国の地、永岩城
2 《天上都市、大田原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
-土地(23)-

4 《離反ダニ、スクレルヴ
3 《アクロスの英雄、キテオン
4 《スレイベンの守護者、サリア
4 《敬虔な新米、デニック
2 《侵攻の伝令、ローナ
3 《黄金造りの飛竜機械
4 《策謀の予見者、ラフィーン
4 《輝かしい聖戦士、エーデリン
2 《傑士の神、レーデイン
3 《黙示録、シェオルドレッド
-クリーチャー(33)-
4 《モックス・アンバー
-呪文(4)-
1 《不屈の将軍、ジリーナ
2 《配分の領事、カンバール
1 《第三の道のロラン
1 《傑士の神、レーデイン
2 《封じ込める僧侶
3 《安らかなる眠り
2 《ウルザの殲滅破
3 《婚礼の発表
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 パイオニアだと《モックス・アンバー》が使えるのが大きいね。このマナ加速から早いターンにラフィーンや《輝かしい聖戦士、エーデリン》といったカードを展開して押せ押せで攻め続けられる。3ターン目に飛竜機械と2マナのレジェンドを並べるなどの強気の展開が楽しめそうだ。アンバーと様々な面で相性◎の《侵攻の伝令、ローナ》を併用していることでよりフレキシブルなデッキに仕上がっているだろう。

 プテラノドン型の機械というビジュアルもなんとも味わい深く、通好みなデザインの新カード《黄金造りの飛竜機械》。テーマが分かりやすいカードなので、デッキ構築に慣れていないプレイヤーにも扱いやすいカードのはず。とりあえず手元の伝説カードを並べるところからはじめてみよう!

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