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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

新カードが揃ってない? 大丈夫! 既存カードが主役のデッキたち(スタンダード)

岩SHOW

 『団結のドミナリア』リリースとともに始まったスタンダード新環境。日々新しいデッキが誕生し、ドミナリアからやって来た新カードが輝きを放つ……わけだが、まだ新カードが揃っていないというプレイヤーも少なくはないんじゃないかな。

 夏を経て新シーズンの始まる時期、時間を取られることや出費がかさむのが避けられないこともあるある。趣味事は生活に負担をかけるものではない、というのが僕の考え方なので、いくら楽しいからといっても犠牲を払って実生活に歪みを生じさせてはいけない。新カードが満足に手に入っていないからなぁ……と焦らずひとまず我慢するのも、英断である。

 そしてそれと同時に、新カードがなくても既存のカードでデッキを組むという解答で新環境に臨むというのも推奨したい。スタンダードの前環境をプレイしていたのであれば、ある程度のカードが手元にあるはず。それで組んだデッキでも、十分に戦えるもんだぜ。

El Pequeño Tasigur - 「セレズニア・エンチャント」
MIDWEEK TOURNAMENT BLACK PEARL #3 準優勝 / スタンダード (『イニストラード:真夜中の狩り』~『団結のドミナリア』) (2022年9月6日)[MO] [ARENA]
8 《平地
5 《
4 《草茂る農地
2 《植物広場
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《皇国の地、永岩城
-土地(21)-

4 《気前のいい訪問者
4 《樹海の自然主義者
4 《無常の神
4 《神憑く相棒
4 《調和の織り手
-クリーチャー(20)-
2 《監禁の円環
4 《仮初めの時間
4 《婚礼の発表
3 《市民の拘束
2 《精霊界との接触
4 《神聖なる憑依
-呪文(19)-
4 《タミヨウの保管
2 《監禁の円環
4 《集団失踪
2 《未認可霊柩車
3 《放浪皇
-サイドボード(15)-
Melee より)

 

 今回は新カードの採用枚数が少ないスタンダードのデッキを紹介しよう。まずはこちらの「セレズニア(白緑)エンチャント」。クリーチャー・エンチャントをたっぷりと採用し、これらでビートダウンをかます攻めのデッキだ。

 『神河:輝ける世界』のクリーチャーと《婚礼の発表》《神聖なる憑依》があれば組めるデッキなので、ここ2か月ほどスタンダードをやっていなかったというプレイヤーでも手持ちのカードで組めたりするかもしれないね。

回転

 新規カードは《市民の拘束》のみ!

 クリーチャーの攻撃を通すための除去として《監禁の円環》《仮初めの時間》《精霊界との接触》に追加する除去としての採用だ。

 これらのエンチャントを唱えることで《気前のいい訪問者》《無常の神》がサイズアップ!

 体格の違いで対戦相手を圧倒するビート戦術を《樹海の自然主義者》で加速させる。

 《婚礼の発表》によるトークン展開とドロー、《神聖なる憑依》が複数枚並ぶことでの驚異的な展開力と、数と質の両方で戦えるパワフルなデッキだ。ランク戦やトーナメントでも見かけるアーキタイプであり、新カードが揃っているいないに関わらず選択肢として考慮に値するデッキであることは間違いない。

_Falcon_ - 「ボロス・ジャスティス」
Magic Online Standard Challenge #12468591 準優勝 / スタンダード (『イニストラード:真夜中の狩り』~『団結のドミナリア』) (2022年9月4日)[MO] [ARENA]
8 《平地
2 《
4 《ジェトミアの庭
4 《風に削られた岩山
4 《日没の道
1 《皇国の地、永岩城
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
-土地(24)-

4 《神憑く相棒
4 《聖域の番人
4 《産業のタイタン
-クリーチャー(12)-
4 《安堵の火葬
4 《鏡割りの寓話
4 《永岩城の修繕
4 《巨竜戦争
4 《放浪皇
4 《報復招来
-呪文(24)-
2 《選定された平和の番人
2 《怪しげな統治者、スクイー
2 《静寂の呪い
4 《監禁の円環
4 《勢団の銀行破り
1 《焦熱の交渉人、ヤヤ
-サイドボード(15)-

 

 もうひとつ、新規カードが少ないデッキとして「ボロス(白赤)ジャスティス」をご紹介。

 ジャスティスとは《報復招来》、英語名Invoke Justiceのこと。

 パーマネントの種類を問わず墓地から戦場に戻すことが可能な強力なソーサリーを用いて《産業のタイタン》《聖域の番人》などの1枚で大きくアドバンテージを生みだす大型クリーチャーを釣り上げる、リアニメイト系デッキの最新型だ。

 《報復招来》の対象を墓地に埋めるために、《安堵の火葬》《鏡割りの寓話》《永岩城の修繕》といった手札を捨てるカードを用いる。

回転

回転

 そこに新たに《巨竜戦争》を迎え入れた形になっている。

 これのⅡ章能力は任意の枚数の手札入れ替えで、多くカードを捨てることで《報復招来》を引き込むチャンスを掴めるナイス新戦力。これ自体も4/4のドラゴンとして打点になるので、墓地対策でリアニメイトプランを阻止された際に普通に殴るという勝ち筋を提供してくれる。

 この便利な新レアが4枚揃っていなかったとしても、同じように手札を捨てられる《束の間の霊魂》や、あるいは色が合う除去として《ハールーンの戦賛歌》を採用するなど、工夫を凝らせばデッキパワーを落とさずに形にできる。

 《報復招来》とそこから釣るタイタンや番人など、主軸のカードパワーは疑いの余地がないからこそ、安心していろいろと試してみるべきだね。

 新カードがなくても組める、新しいスタンダード環境のデッキ。これらの存在はスタンダードが単に新セットのお披露目会を行う場所ではなく、連綿と続くセットの中からプレイヤー自身でベストなカードの組み合わせを模索するフォーマットだということを再認識させてくれる。

 さあ、新カードのチェックと同時に、手元のカードのことも再度おさらいして、今日もデッキをつくろうぜ!

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