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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
スゥルタイ忍者(スタンダード)
忍術。世界的にあまりにも有名になった忍者(Ninja)が用いる術のことであるが……
音もなく忍び寄り壁を飛び越える・手裏剣や苦無を投擲する・水上を歩いたり水中に潜んだり……といった実現可能(?)なものや、火を起こしたり変身したり巨大なガマガエルを召喚したりといったファンタジー全開なものなど、思い浮かぶものはさまざま。世界全体で見ればとりあえずジャパニーズなマジックであれば忍術みたいに認識されている部分もあるだろうね。
そもそも忍術とは、遡れば室町時代には存在していたらしい。結局のところ忍術は諜報のための技術である。文字通り敵方に忍び込む、情報収集を行うためのテクニックの総称だ。特定の職業や人物になり切る変装術、情報を引き出す弁論術や心理術などなど。先述のファンタジー色が強い技の数々はどちらかというと忍法になるわけだな。
マジックとしても、忍者が持つ能力「忍術」は敵陣に忍び込むための術として再現されている。所定のマナを支払いつつ、攻撃してブロックされなかったクリーチャーを手札に戻すことで行えるアクションであり、結果として攻撃クリーチャーが手札の忍者と入れ替わるというものである。突然目の前のクリーチャーが別のものにドロンと化けるのは忍法チックでもあるが、闇夜を駆ける忍者の特性を上手く表現した能力だと思うね。
そして忍術を持つ忍者の多くは、攻撃を対戦相手に通すことで誘発する能力も併せ持っている。サイズの大きな忍者と入れ替わって大ダメージを与える……というよりは、この誘発型能力でアドバンテージを取っていくのが主な運用法になってくる。
『神河:輝ける世界』でやってきた新たな忍者たち。忍者の初出は『神河謀反』。輝ける世界より1,200年以上前の神河を描いたセットだ。室町時代から現代へ、なんてレベルじゃない長い年月を経過しているわけだね。
テクノロジーの進歩とともに、忍者のテクニックもネクストレベルへと到達している。そんな最新の忍者たちを用いたスタンダードのデッキを紹介しよう。
1 《沼》 2 《森》 2 《島》 4 《闇孔の小道》 4 《清水の小道》 4 《樹皮路の小道》 2 《目玉の暴君の住処》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 2 《天上都市、大田原》 -土地(24)- 4 《ひきつり目》 4 《しげ樹の牙》 4 《ランタンを携える者》 4 《千の顔の影》 4 《銀毛の達人》 3 《毒血勢団の口封じ》 3 《機械壊しの河童》 4 《噛掌の忍者》 4 《春葉の報復者》 -クリーチャー(34)- |
2 《漆月魁渡》
-呪文(2)- |
1 《機械壊しの河童》 3 《月の賢者の養子、ナシ》 3 《強迫》 2 《食肉鉤虐殺事件》 1 《環境科学》 1 《封印突破法》 1 《拡張解剖学》 1 《アルカイックの教え》 1 《殲滅学入門》 1 《マスコット展示会》 -サイドボード(15)- |
忍術は攻撃を通してナンボ、というわけで軽量のブロックされにくいクリーチャーたちと忍者たちを組み合わせた超クリーチャー偏重デッキ「スゥルタイ忍者」の登場だ。
今回の忍者の特徴としては、従来の忍者カラーである青と黒に加えて、新たに緑の忍者が参入。青と黒の2色だけでは行えなかった忍術の幅が拡がることになった。というわけでまずはニンジャ・ラインナップの確認だ。
今セットの忍者の中でも最強格であるのは《噛掌の忍者》。
威迫カウンターを持って戦場に出て、攻撃が通るとこのカウンターを取り除き、対戦相手の手札からカードを1枚追放するという強烈な妨害能力を持つ。攻撃が一発通ればアドバンテージ面で差をつけられるので、クリーチャーが手札に戻ってしまうデメリットも帳消ししてお釣りがくるくらいだ。
忍術でなく素で唱えても威迫持ちなので攻撃が通しやすいというのも自己完結していて素晴らしい。この《噛掌の忍者》をエース格に、他の忍者も交えることで対戦相手を撹乱する。
《千の顔の影》は忍術で飛び出た場合、攻撃クリーチャーを1体コピーするという、戦場の頭数が減ってしまう忍術の弱点をこちらもしっかりカバーする能力だ。
これで噛掌をコピーするのが最も理想的だなぁ。
パーマネントへの対処も忍者にお任せ。《毒血勢団の口封じ》でクリーチャーを、そして新たな緑の忍者《機械壊しの河童》でアーティファクトを破壊しよう。
緑と言えばサイズでも押せるビッグ・ニンジャ《春葉の報復者》は墓地からパーマネント・カードを回収可能。
これもいかにも緑の能力でこれまでの忍者になかった戦い方が可能になるって寸法だ。
これらの忍者のサイズを強化し、忍術コストも軽減させる部族デッキの友となるのが《銀毛の達人》。
これ自身も忍術を持つので、突然飛び出してきて全体強化で予想外のダメージを叩き出すことも可能となっている。これらのバリエーション豊かなカードを使えるだけでもワクワクしてくるなぁ。
忍術のタネになる軽量クリーチャー陣には、1マナの飛行持ちがたっぷりと。スタンダードでもお馴染み《ひきつり目》に、降霊でゲーム終盤も役に立つ《ランタンを携える者》。
さらには《千の顔の影》も積極的に1ターン目から出していって構わない。なぜなら、他の忍者の忍術で手札に戻り、そこからこの影をさらに忍術で、という使い方ができるからだ。他にタネの候補がない場合などは惜しみなく出していった方が、他の忍者の助けになるぞ。
同じく忍者から《しげ樹の牙》も面白い1枚。
飛行は持たないが接死持ちなので、ブロックしてきたクリーチャーと相討ちにもつれ込ませる。これがおもむろに攻撃してきても、ブロックするのは誰だって嫌だろう。しかしスルーしてしまうと《噛掌の忍者》なんかと入れ替わるかもしれない……こういった駆け引きを仕掛けていける、なかなかの厄介者である。もちろん飛行や威迫持ちが相手のブロックを掻い潜るのを見送りつつ、自陣に立たせて相手の攻撃をけん制するという接死持ち特有の役目もしっかり果たしてくれるぞ。
青と黒に加えて緑も一派閥となり、デッキの幅が広がった忍者。それぞれに思い描く理想的な忍びの集団を結成させて、スタンダードを楽しんでほしいね。その時には《漆月魁渡》もお忘れなく!
ブロックされない忍者・トークンは使い捨てになってしまうが、忍術に繋げるにはピッタリだ。ガンガン攻撃してどんどんドローしよう。
それじゃあ素敵なニンジャ・ライフを!
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