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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
赤単アグロ:換装、改善、熊野。新要素三拍子!(スタンダード)
神河、楽しんでますかッ!
いや~スタンダードが楽しいね。新カードの加入により今までは存在感の薄かったアーキタイプが躍動しているのは、何とも喜ばしいことだ。
「赤単アグロ」もそんなデッキの1つである。赤単と言えばスピード勝負においてはナンバーワンとも呼べるデッキ、ではあるが……前スタンダード環境では単色のアグロデッキのシェアは白と緑が独占状態のようなもので、赤緑2色のものは活躍していたものの赤単は……という状況。とはいえ赤いアグロデッキを組むのであればこれは入るというクリーチャーやダメージ呪文などはそれなりのラインナップが揃っており、後もう一声という感じではあったね。
そこに『神河:輝ける世界』の参入だ。このセット、赤くて軽くて打点となるカードが…多い! 豊作! そんなわけで現行スタンダード環境では赤単の逆襲が始まろうかというところだ。
今セットの赤のテーマは、アーティファクトと換装、そして改善。もともと赤はアーティファクトと相性の良いカラーリングではあるが、今セットはそれが顕著であり、質の高いアーティファクト・クリーチャーの姿が見られる。
それらは同時に換装能力持ちでもあったりする。クリーチャーであり、同時に装備品でもあるそれらのカード。使用感はかつての生体武器と似ているようで真逆だった。トークンが装備した状態で戦場に出て、クリーチャーとして運用した後に死亡すると単なる装備品になる生体武器。これに対して換装は、装備させておいてその装備先が除去されてしまっても、残った装備品がクリーチャーとして戦線を維持するという運用になる。
特に《兎電池》は1マナ1/1速攻としてワンパンチ刻んだ後に、後続のクリーチャーに装備させて速攻つけて殴る・装備させておけば全体除去でリセットされた盤面にも残る・サイズ修整もあるのでいつ引いても無駄にならない……とまあ良いことしか書かれていない素晴らしいカードだ。まさしく赤単が待ち望んでいた品質である。
そこに加えて、装備品がついていることにボーナスを与える改善に関する能力。装備したりカウンターが置かれていたりオーラがついているクリーチャーは「改善されている」という概念に当てはまるようになり、これを参照するカードが赤には多く割り振られている。
《轟く雷獣》は攻撃しながらクリーチャーを改善させ、その数だけのダメージを対戦相手本体に叩き込むダメージの申し子である。これもアグロの締めにピッタリ、極上の1枚だ。
これらのカードで強化された「赤単アグロ」。環境初期に活躍することに定評のあるアーキタイプが、神河の旗のもとに復活だ。
15 《山》 3 《反逆のるつぼ、霜剣山》 2 《バグベアの居住地》 -土地(20)- 4 《火刃の突撃者》 4 《兎電池》 4 《蜂起軍の無法者》 2 《血に飢えた敵対者》 2 《無謀な嵐探し》 4 《轟く雷獣》 -クリーチャー(20)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 1 《棘平原の危険》 4 《神の火炎》 2 《削剥》 2 《夜を照らす》 3 《髑髏砕きの一撃》 2 《決闘のレイピア》 2 《勝負服纏い、チャンドラ》 -呪文(20)- |
スタンダード、BO1仕様の「赤単アグロ」だ。いつ、どんな環境で見ても《山》がタップリ並ぶリストは良いものだねぇ。
前述の換装および改善周りのカードを採用し、もとは小粒でもしっかり強化して殴るというパンチの効いた構成だ。
改善シナジーと相性の良い《火刃の突撃者》や《血に飢えた敵対者》など既存のカードをチョイスしているのが光るね。
それらとともに、改善されたクリーチャーが並ぶことで本領を発揮するのが《蜂起軍の無法者》だ。
自身以外の改善されたクリーチャー分だけパワーが上昇、これがまた簡単にパワー3以上になるので、2マナのクリーチャーとしては十分な打撃力。2体以上いればもうおかしなことになる、攻めにも守りにも頼りになる、このデッキの主役とも言えるね。
クリーチャーを改善させる手段の1つであり、これ自体も攻め手になるのが《熊野と渇苛斬の対峙》。
これが……1マナとは思えない、神河の隠れたパワーカードだ。
対戦相手とプレインズウォーカーにダメージを与え、唱えたクリーチャーに追加の+1/+1カウンターを置く。Ⅱ章能力までで十分ダメージへの貢献を果たしているところに、最後は2/2速攻のクリーチャーに変身する。
この《熊野の食刻》は戦場に居るだけで、こちらのクリーチャーや火力がダメージを与えたクリーチャーが死亡する代わりに追放までしてくれる。死亡時の誘発能力を封じてくれる、ちょっとした墓地対策。特に黒絡みのデッキ相手には強力なアンチカードとしてメインから機能してくれるのだ。このカードは本当に無茶苦茶強いね、使っても使われてもビックリすることは間違いないな。
17 《山》 2 《バグベアの居住地》 2 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(21)- 4 《兎電池》 4 《増員された浪人》 4 《継ぎ接ぎ自動機械》 4 《蜂起軍の無法者》 2 《大峨頭の兜》 1 《流星の信奉者、ゴロゴロ》 1 《蜥蜴丸》 4 《轟く雷獣》 2 《鉄蹄の猪》 -クリーチャー(26)- |
4 《熊野と渇苛斬の対峙》 4 《火遊び》 4 《乱動の噴火》 2 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(14)- |
2 《墓所の門番》 4 《乱動する渦》 2 《削剥》 2 《バーニング・ハンズ》 3 《マジック・ミサイル》 2 《勝負服纏い、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
こちらは実際にマッチした対戦相手のデッキを参考にして、僕なりに組んでみた赤単のサンプルリストだ。
《継ぎ接ぎ自動機械》の採用が特徴かな。
兎に加えて《大峨頭の兜》《蜥蜴丸》と換装クリーチャーを展開しているだけで自然とサイズアップ、改善カウントになってくれるが……最強の相方は《増員された浪人》。
1マナ2/2速攻と驚異のスペックに、ターン終了時に手札に戻るというデメリット持ち。このデメリット部分、《継ぎ接ぎ自動機械》がいれば毎ターンサイズアップに貢献してくれるのでむしろメリットに換算できるってわけだ。
この継ぎ接ぎ浪人コンビネーションを軸に、《火遊び》《乱動の噴火》《轟く雷獣》と、対戦相手本体にダメージを叩き込むカードでわずかなライフを削り切るのを狙った構成にしてある。
いずれのリストでもシブい働きを見せるのは《反逆のるつぼ、霜剣山》。
《バグベアの居住地》とはまた違ったベクトルのクリーチャーを提供する土地である。これの良いところは、終盤の攻めの最後の一押しになるだけでなく、対戦相手の攻撃にあわせて投げつけ、ブロッカーとしても用いることが可能という点。このようなごまかしがあるとないとじゃ、他のアグロとの殴り合いで競り勝つ確率が大きく変わってくる。
『神河:輝ける世界』で大きく強化され……というか完全に新ジャンルとして成立した換装、改善を主軸とした「赤単アグロ」。環境初期に走り抜けるなら、このデッキを磨くべし!
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