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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
大口縄、現世に顕現! 《神の乱》でデッキ構築に挑戦!(ヒストリック)
さあ今日も元気に『神河:輝ける世界』の話をしようぜ!
新環境に向けて、デッキをイメージする……素振りみたいなもんで、個人的には大事な時間というか。むしろこの実際にプレイする前が一番純粋に楽しめているという感もあって、マジックの醍醐味だと考えている。皆も新しいカードをどのように使うか、それぞれ日々のイメージを深めてみてほしいね。
今回はまずカードありきでいってみよう。プレイしたいカード・ナンバー1……《神の乱》!
このカードについて解説する前に、まずはマジックの歴史の話から。
マジックには伝説のクリーチャーやプレインズウォーカーという形で、背景世界のストーリーの主役や黒幕などがカード化されている。
ただ、かつては今と少し違う点があった。それは強大な力を持ったキャラクターはカード化されなかった、というところだ。例えば旧ファイレクシアとドミナリアの戦いにおいては、それぞれの親玉であるウルザやヨーグモスがカード化されることはなかった。それはあまりにも強すぎてカード化のしようがない、というニュアンスだと当時の僕らは受け止めていた。
ウルザ以外のプレインズウォーカーもかつてはカード化されず、それぞれの力の片鱗が見えるワンシーンが非クリーチャー呪文としてカード化されていたものだ。
『神河物語』で始まった神河サイクルでも、さまざまな神と呼ばれる存在がクリーチャー化されたが……その神の起こした戦争の中心にある神河最強の存在、
しかしながら時が経ち、統率者戦向けのセットや『モダンホライゾン』シリーズにおいて、かつてはカード化できなかった面々を背景世界での実力に見合うようなカードパワーでデザインしてリリースするという流れが起こった。もう二度とカードにならないと思っていたキャラクターと思わぬ形で再会できたのは嬉しいサプライズだった。
大口縄も《復讐の神、大口縄》としてついにカード化。
《奪われし御物》を取り返そうと乱を起こしたことをうまく能力化しているなぁと思ったもんだ。
では話は戻って《神の乱》。
描かれているのは大口縄の姿であり、そしてそのⅠ章能力は《復讐の神、大口縄》とよく似たパーマネント追放。そしてⅡ章能力はパーマネントバウンス&各対戦相手が手札1枚を捨てる。相手のパーマネントを戻してそのまま捨てさせることで疑似的な除去となるほか、こちらのパーマネントを回収して再利用するという手段も。
そしてⅢ章は本セットの英雄譚ではお約束の変身してクリーチャー化。変身後のスペックもかつてのカード化時と同じ6/6飛行・トランプル。マナ・コストも同じなのだから狙ってそうしたのだろう、実に美しい仕上がりだ。
タイムラグがあるとはいえ、マナ・コストに見合う大型のこのドラゴン・スピリットは攻撃時に墓地のカードを回収しつつサイズアップ。対戦相手が回収するカードを選ぶことになるので、再利用されても価値が薄いものを拾うことにはなると思うが、手札が1枚増えつつ与えるダメージも伸びるのであれば十分お釣りがくるというもの。
まずここに至る前にカード2枚分の差をつけているからね。一度でも攻撃できればその時点でカード1枚で3枚分のアドバンテージ差を生みだしている、まさしく5色に相応しいパワーカードだ。
これはぜひとも使いたい! どんなデッキで使おうか……考えた時に思い浮かんだのが、これと似たようなコストのあのドラゴン。《ニヴ=ミゼット再誕》だ。
ニヴも6/6飛行で、大きくアドバンテージを稼ぐ可能性のある5色のドラゴンだ。このカードはヒストリックやパイオニアにて大いに活躍している。
であれば、それらのフォーマットで使ってみるのはどうかな?というところからスタートしよう。今回のデッキは《神の乱》を中心に据えて考えてみるぞ!
まずはなんといってもこのカードのコスト。6マナでかつ5色のエンチャント! 強烈なインパクトを放つこのコスト、真面目に支払うなら……複数種類の色マナが得られる土地を使うことになるね。
ちょうどヒストリックやパイオニアなら《インダサのトライオーム》など3種類のマナを出せる土地があるくらいに、多色土地には恵まれている。
タップインのトライオームをいち早く戦場に出して、《神の乱》の恩恵を円滑に受けるためには土地を戦場に出すカードを使いたいところだ。
幸い、これらのフォーマットには《成長のらせん》がある。
《ニヴ=ミゼット再誕》デッキでも定番の、手札が減らず終盤も腐りにくいマナ加速だね。
こんな感じで《ニヴ=ミゼット再誕》デッキを参考にしつつ、とりあえず今回はヒストリックでデッキを組んでみることにしよう。
《神の乱》はその性能から、どちらかといえばコントロール・デッキ向けのカードとなっている。スピード決着を望むデッキでは、活かせないこともないがもっと使いやすいカードがあるはずだ。というわけで5色のコントロールデッキで使用してみることにする。
《神の乱》同様に万能パーマネント除去になる英雄譚と言えば《古き神々への拘束》。これも森タイプのトライオームなどを持ってこれる5色サポートになるマナ加速だ。
で、「土地をライブラリーから戦場に出せて色マナ供給サポートができるヒストリックのカード」といえば……《不屈の巡礼者、ゴロス》!
多色デッキのマナサポートをしつつ、5色揃えば自身もフィニッシャーになり得るすごいヤツ。また、単色デッキにおいても《大瀑布》《世界樹》を持ってきて自身の能力を無理やり起動するという裏技まで持っている。これはこれで単色《神の乱》デッキを組める可能性を見いだせるな。
とりあえずその辺の土地を戦場に出すカードで盤面を作ったら、《神の乱》で圧をかけていく。いわゆる「5色ランプ」で組んでみることにしよう。
1 《森》 1 《島》 1 《沼》 3 《繁殖池》 2 《草むした墓》 2 《湿った墓》 2 《インダサのトライオーム》 1 《ラウグリンのトライオーム》 2 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《サヴァイのトライオーム》 2 《ケトリアのトライオーム》 1 《さびれた浜》 1 《森林の墓地》 1 《夢根の滝》 1 《水没した地下墓地》 1 《嵐削りの海岸》 1 《砕かれた聖域》 1 《世界樹》 2 《見捨てられた交差路》 -土地(27)- 1 《老練のグール呼び》 2 《不屈の巡礼者、ゴロス》 1 《ニヴ=ミゼット再誕》 1 《墓場波、ムルドローサ》 2 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(7)- |
3 《致命的な一押し》 4 《探検》 4 《成長のらせん》 1 《ウィザーブルームの命令》 4 《古き神々への拘束》 2 《選別の儀式》 1 《戦争の犠牲》 4 《神の乱》 2 《伝承の収集者、タミヨウ》 1 《完成化した賢者、タミヨウ》 -呪文(26)- |
《成長のらせん》に同性能の《探検》も4枚ずつ採用でドローと土地設置を進め、《古き神々への拘束》でパーマネントを破壊しつつトライオームを探す。
この青黒緑の3色を中心に、《神の乱》と《不屈の巡礼者、ゴロス》、あとオマケに《ニヴ=ミゼット再誕》のために5色のマナを得られるようにしたのがこの「神の乱コントロール」だ!
とにかくパーマネントを砕きに砕いて、疲弊した相手を《顕現した大口縄》で叩きのめして資源の差を圧倒的なものにする……そういう優越感、無敵体験をマジックに求めている僕はこういうデッキを組みたくなる。これもう
細かい部分は除去などで固め、一般的なコントロールと設計思想に大差がない。除去とアドバンテージ源とフィニッシャーを《神の乱》がすべて兼ねてくれるので、スロット的には余裕がある。
そこに《伝承の収集者、タミヨウ》と《完成化した賢者、タミヨウ》をセットで投入してみた。ウーム、美しい。
完成化したタミヨウは流石ファイレクシアのテクノロジーだけあって、墓地にある《神の乱》をコピーすることができる。まあこのコピーは第2面を持たないので大口縄には変身しないが、Ⅱ章能力でタミヨウを手札に戻して出し直してもう一度[-X]能力を、みたいな芸当ができれば楽しいね。収集者タミヨウの墓地を肥やす能力と完成化タミヨウの墓地利用が噛み合っているので、これ2枚でゴリゴリやっているだけでも相当な資源を確保できてしまうだろう。
そして、これは配信しながらデッキを構築していると視聴者から寄せられた意見を採用したものなのだけれども、《老練のグール呼び》はかなり面白い挙動を見せてくれそうだ。
《顕現した大口縄》で墓地からカードを手札に戻す際には、往々にしてその状況でゲームに影響が少ないものを選ばれることになるだろう。その効果がたとえ薄くとも、グール呼びで2枚に増やしてしまえば強いだろうと。質より量だの精神で、尽きぬ手札を確保しよう。
このグール呼びは《伝承の収集者、タミヨウ》や《ウィザーブルームの命令》とも相性が良い。使ったことはまだないカードだが、デッキに1枚忍ばせるにはちょうど良いスパイスだ。早くこの形のデッキを使ってみたいものである。
というわけで今回は《神の乱》でイチからデッキを組んでみた。ゴロス+5色土地や《彩色の灯籠》などで単色デッキで無理やりブン回す構築、《月の帳の執政》で5枚ドロー&5点ダメージを狙うなどなど、まだまだアイディアは尽きない。皆もどんなデッキを組んだのか、そのチャレンジの内容をぜひ教えてほしいところだ。
それじゃあ、神河環境、お互い新デッキ携えてアリーナで会おうぜ!
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