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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ゴルガリ・ミッドレンジ:次期環境、得るのは龍の力(スタンダード)
『神河:輝ける世界』の参入はマジックをどう変えるのか。これでしょう、皆さんのここしばらくの注目ポイントは。
でも実は、新セットリリース前に既にちょっと変わっていたりするのも事実。そう、先日の禁止・制限カードに関する改定により、スタンダードでは《アールンドの天啓》《ゼロ除算》《不詳の安息地》が使用不可となった。
青いコントロール、コンボ系のデッキを支えたパーツを弱体化して支配的な状態になっていた環境の改善を狙って……そしてそれらがいなくなることで環境のNo.2ポジションだった単色アグロデッキがその座にそのまま居座って結局環境あんまり変わってないじゃん、という事態を防ぐためにこの3枚が選ばれたようだ。
これでコリコリに凝り固まっていたスタンダード環境に変化が起きるのであれば万歳だ。コントロールやコンボは青い追加ターン狙い以外の勝ち方を狙ってもよいという自由を得て、アグロデッキも単色と多色がどちらも一長一短でリスクとリターンを選択する楽しみが増えた。
実際に以下のようなデッキが存在感を発揮していたり。
7 《冠雪の沼》 5 《冠雪の森》 4 《森林の地割れ》 4 《闇孔の小道》 2 《目玉の暴君の住処》 2 《ハイドラの巣》 -土地(24)- 4 《よろめく怪異》 3 《隠し幕》 4 《裕福な亭主》 2 《絡みつく花面晶体》 2 《不吉なとげ刺し》 -クリーチャー(15)- |
1 《掘り起こし》 3 《命取りの論争》 2 《冥府の掌握》 3 《古き神々への拘束》 3 《雪上の血痕》 3 《エシカの戦車》 2 《不笑のソリン》 2 《蜘蛛の女王、ロルス》 2 《レンと七番》 -呪文(21)- |
4 《強迫》 1 《冥府の掌握》 2 《真っ白》 3 《悪意の熟達》 2 《選別の儀式》 1 《古き神々への拘束》 1 《影の評決》 1 《環境科学》 -サイドボード(15)- |
ゴルガリ(黒緑)カラーのコントロール寄りの中速デッキだ。
青のように打ち消したりパーマネントや呪文を手札に戻すような、そういった形での行動妨害を行うのではなく、黒が得意とするクリーチャー除去と手札破壊により相手の望むゲーム展開にはならないように立ち回る。
自分より速いデッキには《雪上の血痕》による全クリーチャー破壊でひっくり返す耐えの展開、
自分より遅い相手には《エシカの戦車》や《レンと七番》のツリーフォークなどでプレッシャーをかけ続ける攻めの展開。
典型的な中速デッキのスタイルで、いずれにせよ黒の優秀なアドバンテージを稼ぐプレインズウォーカーと《レンと七番》がガッチリ組んだパワーカード構成は、プレイしていて楽しいという感情を呼び起こしてくれるだろう。
少し前まではこういうデッキが表に出てくることがほとんどなかったと考えると、スタンダードにも大きな変化が訪れたということがよくわかる。そこに神河が加われば……1か月前とはまるっきり別のゲームになるってことだ。
というわけで今回は上記のゴルガリデッキに、『神河:輝ける世界』の新カードを加えて新環境のデッキを想像してみよう。早くもMTGアリーナでは今週、2月10日(日本だと11日の日付が変わった頃かな)に先行リリースされて新環境が始まる。その参考にでもなれば幸いだ。
ではまず、どのカードを使いたいか新カードをチェック!
まずは個人的にビビッときている、ドラゴン・スピリット! かつての神河を守護したドラゴンたちの生まれ変わりだ。
まずはメインカラーである黒の《真夜中の空、殉至》。
5マナ5/5飛行・威迫と回避能力2つ持ちでブロックされにくく、一気に対戦相手のライフを削り切ってくれる頼もしいフィニッシャーだ。
何よりこのスペックでいて、死亡した際に誘発する能力で一種の除去耐性も備えているのが偉い。しかもモードは2種類。
まず上の能力は対戦相手の手札とライフを失わせるもの。これ、状況によっては自主的に狙っていくことになりそうだ。残りライフ2点ならこれを生け贄に捧げたり除去を撃って死亡させて、削り切るという勝利ルートが。それから、対戦相手の手札が2枚の時にこれで捨てさせて空にしてしまうのも、強引に狙っていくことが良い結果につながるケースもあるだろう。特に対戦相手のドロー後、《命取りの論争》で生け贄にして2枚捨てさせることで引いたカードを使う前に潰してしまうロック戦術は最高にいやらしい。
下のモードはドラゴンでないクリーチャーを墓地から蘇らせる。殉至をどけてもクリーチャーが残る、戦線維持能力の高さは対コントロールにおいて重要になる。中速デッキ待望の1枚と断言できる性能なので、これは使うっきゃないな。
2色目の緑のドラゴン・スピリット、《果て無き空、空羅》も見た目も最高にカッコイイし、能力も独自色が強い。
こちらはサイズでは殉至に劣るが接死持ちなのでブロック役としてはかなり優秀。死亡時には同じく誘発する能力が2モード、1つはライブラリーから土地を3枚手札に加えるアドバンテージを獲得するもの。これは、同セットの新カード《耐え抜くもの、母聖樹》のような魂力能力を持った土地や、《目玉の暴君の住処》《ハイドラの巣》と、ただマナを出す以外の役割を持つ土地を持ってくることで、実質的に呪文を3枚ドローしたかのように運用することが可能だ。
もう1つの誘発、トークン生成も殉至と同じく戦線を維持することが可能な除去耐性であり、状況よっては4/4飛行よりも打点を伸ばすために能動的にトークンに切り替えていくこともあるだろう。《エシカの戦車》に乗り込ませてトークンを増やせばもう手が付けられない。
これらのドラゴンは《雪上の血痕》に巻き込んで破壊しても損をせず、またそれで墓地から戦場に戻して使いまわしてなお美味しい、相性抜群のフィニッシャーとなってくれる。
ではデッキに取り込んでみよう!
5 《冠雪の森》 5 《冠雪の沼》 4 《闇孔の小道》 4 《森林の地割れ》 1 《目玉の暴君の住処》 1 《廃墟の地》 1 《ハイドラの巣》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 -土地(24)- 4 《よろめく怪異》 1 《隠し幕》 4 《裕福な亭主》 2 《不吉なとげ刺し》 1 《回路の修理屋》 2 《果て無き空、空羅》 2 《真夜中の空、殉至》 -クリーチャー(16)- |
4 《命取りの論争》 2 《冥府の掌握》 3 《古き神々への拘束》 1 《絶望招来》 3 《雪上の血痕》 3 《エシカの戦車》 1 《不笑のソリン》 2 《レンと七番》 1 《蜘蛛の女王、ロルス》 -呪文(20)- |
1 《廃墟の地》 4 《強迫》 1 《冥府の掌握》 2 《真っ白》 3 《悪意の熟達》 2 《選別の儀式》 1 《古き神々への拘束》 1 《影の評決》 -サイドボード(15)- |
《雪上の血痕》でアドバンテージを得るゴルガリ・カラーの中速デッキ、次期環境はドラゴンたちという宙を舞う新戦力を得て、より強力なデッキになりそうな予感だ。
環境最初期はこういう既存のデッキに新カードを足すというスタイルでスタンダードを始動させるのがオススメだ。デッキをイチから組むのは難しいからね。でも何か良いアイディアが浮かんだのなら、それにも挑戦してほしいね!
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