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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・ドラゴン:恐るべきものは最も小さいもの

岩SHOW

 MTGアリーナにアルケミーがやって来た! このフォーマットではスタンダードで支配的な存在になり、他のカードの可能性を奪っていると判断されたカードには調整が施されている。強力カードがいずれもややマイルドになったことで、より構築の幅を拡げようという改革だ。

 たとえば……《黄金架のドラゴン》。

A-Goldspan_Dragon.png

 5マナ4/4飛行・速攻というスペックは変わらず、今まで通り攻めの起点として用いることが可能だ。宝物を生成する能力に関しては調整のメスが入り、攻撃した際に生成するのは変わらず。呪文の対象になった際の誘発はなくなった。これにより、除去しようとしてもマナが増えてアクションを取られるという事態が起きなくなった。

 しかしながら依然として、攻める際には優秀・宝物から出るマナも倍になるままなので、まだまだ強いドラゴンであることには違いない。

 そして、アルケミー独自のカードの中には、ドラゴン・デッキを組むことを後押しするカードの姿も。これすなわち、黄金架を始めとする、スタンダードのドラゴンとアルケミーの新ドラゴンが合流した、かつてないドラゴンデッキの誕生だ!

Dafore - 「ラクドス・ドラゴン」
アルケミー (2021年12月12日)[MO] [ARENA]
2 《
4 《憑依された峰
4 《ドラゴンの女王の寺院
4 《荒廃踏みの小道
2 《バグベアの居住地
2 《目玉の暴君の住処
4 《見捨てられた交差路

-土地(22)-

4 《恐るべき仔竜
4 《隠棲した絵描き、カレイン
2 《ヴォルダーレンの末裔、フロリアン
4 《イマースタームの捕食者
2 《月の帳の執政
4 《黄金架のドラゴン
4 《街裂きの暴君

-クリーチャー(24)-
1 《血の長の渇き
4 《ドラゴンの火
4 《オーブ・オヴ・ドラゴンカインド
2 《冥府の掌握
3 《髑髏砕きの一撃

-呪文(14)-
2 《墓地の侵入者
1 《星山脈の業火
4 《強迫
3 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント
1 《血の長の渇き
2 《パワー・ワード・キル
2 《影の評決

-サイドボード(15)-
Dafore氏のTwitter より引用)

 

 というわけでアルケミーの「ラクドス・ドラゴン」をご紹介。

 黄金架に始まり、《月の帳の執政》《イマースタームの捕食者》とスタンダード環境の赤黒のドラゴンが集結。

 これらのおかげで火力の増す《ドラゴンの火》と黒の各種除去で、対戦相手のクリーチャーを潰しながらこちらはドラゴンで上から悠々と殴り勝つ、中速のデッキである。

 早速、このデッキで空の覇者として君臨し、君を勝利へと導くアルケミーの新顔ドラゴンを紹介しよう。《街裂きの暴君》だ!

Town-razer_Tyrant.png

 4マナ4/4飛行、この時点で文句なしのナイスドラゴンであるわけだが、このニューフェイスはさらに攻撃的な側面を持つ。対戦相手の土地に火を吹きかけ、燃え上がらせる。毎ターン、対戦相手はこの焦土を放棄するか、あるいは燃え続ける火に身を焦がして2点喰らうかを選択しなければならない。

 この能力は土地に与えられるものなので、暴君が戦場を離れてもダメージは発生し続ける点が恐ろしい。土地が余っている終盤であれば放棄すればいいだけの話だが、マナを伸ばして展開したい序盤にこれをされてはたまらない。この能力だけで6点くらいは持っていかれるので、4マナにして合計して二桁ダメージを叩き出すこともザラな、アルケミーでもトップクラスで攻撃的な1枚だ。

 その暴君たちをはじめ、ドラゴンらをいち早く戦場に繰り出すのが勝利の鍵だ。真面目に土地を並べるのも良いが、他のアグロデッキの速度に押し負けたりコントロールの迎撃態勢が整っていてはドラゴンも無力になりかねない。早いゲームスピードに合わせて、マナ加速を用いるべしだ。

 赤黒デッキであり、黄金架を用いるのもあって相性が良いのは《隠棲した絵描き、カレイン》は良い加速になる。

 宝物を生成して3ターン目に4マナ確保、黄金架が出ている終盤では宝物のマナを注いだクリーチャーがサイズアップして出てくる能力も輝く。

 同じく3ターン目4マナ、4ターン目5マナと1マナのジャンプを助けてくれるのが《オーブ・オヴ・ドラゴンカインド》。

 マナが不要の状況では生け贄に捧げてドラゴンをサーチだ。

 これらスタンダードのドラゴンデッキにも共通するマナ加速だけでも運用は可能だが、ここにアルケミー独自の1枚が加わると……爆発力が桁違いに。その名は《恐るべき仔竜》!

Fearsome_Whelp.png

 2マナ1/1と仔竜の名の通り可愛らしいドラゴンではあるのだが、その恐ろしさは親や兄弟を戦場に呼び出すところにある。ターン終了時に手札のドラゴンすべてのコストが{1}少なくなるという、化け物レベルのマナ加速である。

 3ターン目に暴君、4ターン目に黄金架は当たり前。執政を唱えたターンに続けざまにイマースタームも唱えて2枚ドローしたりと、無茶苦茶なゲーム展開を演出。まさに不可能を可能にする、最も恐ろしいドラゴンなのである!

 これ、放置してるとひどいことになるし、かといって除去を使っても後続のドラゴンが捌けなくなる危険性もある。最も良いのは、出てきたターンに能力が誘発する前にインスタントで潰すこと。《棘平原の危険》などのカードの価値はアルケミーでも高いってことだな。

 あるいは後続とまとめて吹き飛ばしたり、軽くなったドラゴンを捨てさせて未然に処理という手段もあるかな。各自で対抗策を考え、用意しておこう。

 前回の《執拗な仔狼》といい、アルケミーは仔クリーチャーが強いセットのようだ。小さいヤツらにはご用心! 街を引き裂くような暴君に繋がる大事故があなたを待っているかもしれない。

 ドラゴンデッキ、使っていて爽快感も高くアツいゲームを体験できるので寒い冬にはオススメだ! スタンダードの同色のドラゴンデッキも取り上げているので、そちらも参考にしてもらえたら。共通するパーツも多く、スタンダードと両揃えで楽しむのがMTGアリーナを味わい尽くす方法かもね!

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