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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ボロス・ゴブリン(スタンダード2022)
MTGアリーナに追加された構築フォーマット。その名は「スタンダード2022」!
2021年秋にスタンダードをローテーション落ちして去っていくセットがすでに取り除かれた状態で、秋を待たずに一足早く新環境を遊ぶことが可能というものだ。『ゼンディカーの夜明け』以降のセットのみが使用可能になるので、スタンダードのカードプールを半分にしたものというところだな。
このフォーマットであれば、アリーナを始めたばかりのプレイヤーも集めるカード・覚えるカードの枚数をが抑えられて構築戦をプレイするハードルが下がるし、スタンダードをさんざんやってきたというプレイヤーには普段あまり目にしないカードが輝く場として楽しむことも可能とあって、これはこれで魅力的なフォーマットだね。
早速、スタンダード2022でランクをミシックまで駆け上がったという報告もチラホラ目にするのだが、それらのリストの中には鮮に映るものもあり、プレイしてみたいなと興味をそそるものだ。今日はそんなリストを一つ紹介しよう。
12 《山》 3 《平地》 4 《怒静の交錯》 4 《針縁の小道》 2 《バグベアの居住地》 -土地(25)- 4 《火刃の突撃者》 4 《ゴブリンの投槍兵》 4 《ブリキ通りの士官候補生》 2 《怒り狂うゴブリン》 4 《雄叫ぶゴブリン》 4 《ホブゴブリンの山賊の頭》 4 《ゴブリンの損壊名手》 -クリーチャー(26)- |
4 《兵員の結集》 2 《君は二匹のゴブリンを見つけた》 3 《スカルドの決戦》 -呪文(9)- |
『フォーゴトン・レルム探訪』では久しぶりにゴブリンが主要タイプとしてプッシュされており、なんだか懐かしい気分に。やっぱりファンタジー世界と言えば徒党を組んだゴブリンとの戦闘だな。
今セットには「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界におけるゴブリン、ホブゴブリンやバグベアと呼ばれる連中が含まれており、それらはゴブリンばかりで構成されたデッキにおいて本領を発揮する、部族シナジーというものを意識した設計が施されている。
すべてのゴブリンのパワーを上昇させる《雄叫ぶゴブリン》、ゴブリンの全体強化でありかつ戦場に出たゴブリンの数だけ直接ダメージを飛ばす《ホブゴブリンの山賊の頭》。どちらも優秀な性能を誇り、ゴブリンデッキを組んでみる価値はあるなと思わせるものだ。
また1マナのゴブリンとして《ゴブリンの投槍兵》はコモンにして非常に優秀な1枚。
速攻で1ターン目から攻めつつ、ブロックされたとしてもそのクリーチャーにダメージを1点与えて、戦闘ダメージと併せて計2点。タフネス2の格上とも相討ちが取れるアグレッシブさは、パワーを上昇させればさせるほどブロックしにくい厄介な存在となるのは言うまでもないね。これらと既存のゴブリンを組み合わせたのがこの「ボロス・ゴブリン」デッキだ。
まず先に断っておくと、このデッキリストはあくまで「スタンダード2022」というMTGアリーナのフォーマットのみに対応しているものだ。
アリーナではゲーム開始時にプレイヤーにデッキやカードが配布される。それは完全にアリーナ上にしか存在しないものだったり、過去のセットからの再録だったり。いずれにせよ現行スタンダードには存在しないものがいくつか含まれており、「A」のシンボルが与えられている。「A」のシンボル持ちはスタンダードには収録されていなくてもアリーナのスタンダードでは使用可能となっており、この中にいくつかゴブリンの姿が。このリストではそれら「A」に属するゴブリンを用いている、ということをお忘れなく。
1マナ圏を埋めてくれる《ブリキ通りの士官候補生》《怒り狂うゴブリン》に、ホブゴブリンに追加する形の全体強化《ゴブリンの損壊名手》がそれにあたるので、もしスタンダードでもゴブリンデッキを組みたいのであればこの枠を別のものに置き換えよう。
さて、本題に入って……と言ってもデッキはシンプルそのものだ。軽いところからどんどんゴブリンを展開し、それらを強化して殴り切る。以上だ。
1体のクリーチャーで突破していくのではなく、横に並べたゴブリンをまとめて強化しての面攻撃を得意とする。《君は二匹のゴブリンを見つけた》はその戦略にマッチするもので、ゴブリンが足りなければ仲間にしてトークンを2体得て、十分な数がいればそれらをまとめてパワー上昇させてトドメと、臨機応変に使えるナイスカード。
1枚でゴブリンを2体出せるので、《ホブゴブリンの山賊の頭》が叩き出すダメージを跳ね上げさせるし、インスタントなのを活かして対戦相手のターンにホブゴブリンでダメージを与える展開も狙えるのがテクニカル。
これ以外のカードは展開力最優先で素直に使っていけば、どう扱うのかわからないというものはないだろう。
白が足されているのはゴブリンの頭数を得るためではなく、追加の全体強化手段として《兵員の結集》を用いるため。
また同じくクリーチャー強化であり、赤単では得にくい手数をガバッとリカバリーするアドバンテージ源として《スカルドの決戦》も使いたいという考えからだ。
これは好判断で、《スカルドの決戦》のおかげで《ゴブリンの投槍兵》《怒り狂うゴブリン》など速攻持ちを得てそれらを育てて殴る、という形で対戦相手のダメージ計算を大きく狂わせることが可能となっている。
ゴブリンがいない色なのでデッキを組む際に頭の中から外れてしまいそうだが、スタンダード2022というカードプールが限定されたフォーマットをしっかりと観察・考察してこの結論にたどり着いたのだろうな。カードをすべて把握可能な範囲なのだからこそ、フィーリングではなくきちんと学習しようということを教えてくれる素敵なサンプルリストだね。
このデッキをプレイしてみてゴブリンの楽しさを体感したら、一部カードを入れ替えて通常のスタンダードに適応した形でもぜひプレイしてみてほしい。「2022」と通常のスタンダードでは仮想敵も大きく異なるので、勝利することは一筋縄ではないかもしれないが……それはやってみないとわからないよね。
ゴブリン以外にも「2022」から逆輸入して楽しめるデッキはありそうなので、各々気になるデッキを見つけたら何でもトライ!の精神を忘れずに。
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