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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:茶単? 無色単?(スタンダード)
クールですかッ!? クールであればなんでもできる。いくぞォォ~ってなわけで今週もクールなデッキを取り上げる当コーナーの始まりだ。
やっぱりクールな人やモノってのは異彩を放っているよね。他とは異なる彩りを……鮮やかさや煌びやかさを持っているよなぁ。
一方で、マジック的には一切の彩りを持たないデッキもまたクールに見えるものだ。つまりは無色デッキ! かつてはアーティファクト・カードの枠は茶色だった。そのため、アーティファクトを中心としたデッキは「茶単」と形容され、「赤茶単」や「青茶単」は一時代を築いたものだ。まあ茶単と言いつつもその名の通り色を持ったカードが入っているのだけどもね。
後にアーティファクトの枠は現在の鋼鉄っぽいデザインになったのでこの「茶単」という言葉は廃れた。奇しくも、その枠変更後にアーティファクトのみのデッキが全盛期を迎えたりしたものだがね。
またさらに時を経て、アーティファクトではない無色のカードというものも誕生した。それらのカードを使用した、一切の色を持たないデッキは、モダンやレガシーでも活躍中だ。5色のマナを使って戦うゲームというのがマジックの根幹なのに、それを無視する「無色単」は実にクールな存在であると言えるね。
今日はそんな無色デッキがスタンダードで?という驚きを隠せない、クールすぎるデッキを見つけたので紹介だ。完全純粋な無色単というわけではないが、ほぼ色を持たないカードで構成されている! ここでどうこう言うより、見ればわかるッ!
6 《島》 6 《平地》 4 《眷者の居留地》 4 《スコフォスの迷宮》 4 《光輝の泉》 -土地(24)- 4 《結晶の巨人》 4 《パラジウムのマイア》 4 《嘲笑の人形》 4 《真面目な身代わり》 3 《石とぐろの海蛇》 -クリーチャー(19)- |
3 《オゾリス》 3 《幻惑する竪琴》 4 《見捨てられた碑》 3 《屋敷の踊り》 4 《精霊龍、ウギン》 -呪文(17)- |
4 《灯狩人のマスティコア》 3 《よろめく鎧》 1 《幻惑する竪琴》 3 《空の粉砕》 4 《オンドゥの転置》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
メインデッキのうち3枚を除くカードがすべて無色。無色率95%! スタンダードの……何と呼ぼうか(笑)。個人的には愛をこめて茶単と呼びたいが、各自好きなように呼んで覚えてあげれば良いと思う。
ほとんどアーティファクトによって構成されたデッキで、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の多色プッシュを華麗にスルーした姿勢がなんともクールだ。
リストとしては毎度おなじみ、MTGアリーナでスタンダードのランク戦にて6連勝以上を記録したデッキをまとめたものからピックアップしたもので、それだけガッツリと使用されているということは、その場の思い付きなどではなく「この(クールな)デッキで勝ちたい」と思い構築したプレイヤーがいるという証明だ。世の中にはまだまだクールなデザイナーがいるもんだなぁ。世界のどこかの誰かに、リスペクトを。
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:ウラモグの遺したもの
このデッキの主役は《見捨てられた碑》。
アートに描かれているのは、エルドラージ退治後のゼンディカー。かつて君臨したエルドラージの親玉の1体、ウラモグを象った碑である。エルドラージの圧倒的な力と無慈悲さに魅せられた者たちがまだゼンディカーに存在していることの証であり、カードとしてもエルドラージだけあって無色をサポートするもので固められている。
無色のクリーチャーを+2/+2と大幅強化し、無色の呪文を唱えれば2点回復。そして無色マナをパーマネントから引き出すと、オマケの無色マナをもう1つプレゼント! このマナ加速能力が強く、これを用いて《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱えようというデッキがヒストリックでも人気を集めている。
スタンダードにはウラモグはいないが、ゼンディカーやエルドラージともゆかりのある《精霊龍、ウギン》がいる。
このプレインズウォーカーをデッキのゴールとして設定してはいるが、そのためのマナ加速オンリーで使用しているわけでもなく、多く採用されたアーティファクト・クリーチャーを強化する手段としてもしっかり用いている。ウギンでコントロールするルートと、クリーチャー強化して殴るルート。《見捨てられた碑》を起点に2つの勝ち方がある、クールな中速デッキなのだ。
クールポイントその2:各種アーティファクトと踊れ
アーティファクトの顔ぶれを、文字数の都合もあるのでざっと紹介しよう。以下にまとめてみた。
- マナ加速:《パラジウムのマイア》《真面目な身代わり》《見捨てられた碑》
- クリーチャー対策:《幻惑する竪琴》
- カウンター関係の殴り役:《結晶の巨人》《石とぐろの海蛇》《オゾリス》
- クール枠:《嘲笑の人形》
それぞれに見て役割が分かりやすいのが良いね。《嘲笑の人形》が具体的にどんな役目を担っているかというと戦闘要員だが、2マナ圏のないこのデッキのやることのない2ターン目を埋めつつ3ターン目に2アクション取れるのはなかなか便利。
そしてこれらのアーティファクトをまとめて再利用するのがメイン唯一の色付き呪文《屋敷の踊り》!
見たらすぐさま対処されそうな《見捨てられた碑》や《パラジウムのマイア》、ブロックして死亡したクリーチャーなどをまとめて墓地から釣り上げるクールすぎるソーサリーだ。碑とクリーチャーをまとめてドンと出すと、何もない戦場から急にマッチョな機械軍団が揃って一気にGood Game!
クールテクニック!
あんまり小技で勝負するデッキではないのだが、知っておくと負けそうなゲームを耐えられるかもしれないテクニックを1つ。
《見捨てられた碑》が出ている状態だと《石とぐろの海蛇》を0マナで唱えても2/2として戦場に出る! 碑を置いたターンというのはなかなか他のアクションを取れないため、ガードががら空きになりがち。蛇をブロック役として出しつつ2点回復することで赤単などの猛攻をしのぎ、1ターン耐えることでウギンに繋げて逆転勝ち。クールなゲーム展開を演出だ。
さらなるクールのために
個人的にこのデッキをプレイしていて、このカードが欲しい!と渇望した1枚がある。《不詳の安息地》だ。
《見捨てられた碑》からマナ加速可能な無色土地でありながら、クリーチャー化する土地である。4/3警戒というだけでも強いのだが、碑があると6/5という脅威のサイズに!
基本土地の枠を氷雪に置き換えれば無理なく運用可能なのでは?と思い採用してみたところ、予想通りデッキにバッチリ噛み合っており文句なく強い! また、一部のカードも置き換えてより僕個人に取ってのクールな形を目指してみた。《精神迷わせの秘本》はやっぱり外せないね!
5 《冠雪の平地》 4 《冠雪の島》 3 《氷河の氾濫原》 4 《不詳の安息地》 4 《光輝の泉》 2 《眷者の居留地》 2 《スコフォスの迷宮》 -土地(24)- 4 《結晶の巨人》 4 《パラジウムのマイア》 4 《嘲笑の人形》 4 《真面目な身代わり》 1 《さまようアルカイック》 3 《石とぐろの海蛇》 -クリーチャー(20)- |
1 《オゾリス》 3 《精神迷わせの秘本》 2 《幻惑する竪琴》 4 《見捨てられた碑》 3 《屋敷の踊り》 3 《精霊龍、ウギン》 -呪文(16)- |
クールなまとめ
人それぞれの色がある。デッキにもそれぞれの色がある。色がないという特色もある。それぞれに愛する色を使えば良い。色さえも使わなくてもOK。こんな自由なゲーム、素晴らしいよね。
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Colorless is beautiful!!
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