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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ヴァドロック変容(スタンダード)
コンボはマジックの華。殴って勝つデッキ、そうはさせまいと防御するデッキ、それらとは異なる角度から勝利をもぎとるコンボは、見ていてもプレイしていても楽しく、盛り上げ役的なところがあるね。
このコンボが強すぎて環境一強となってしまっては問題になるが、難易度の高いものであればそれはそのコンボを見事完走した腕を称えるべきだ。
特に難しいとされるのが、俗に「チェーンコンボ」と呼ばれるもの。これはドロー呪文やマナ加速の類を用いて、特定の行動を何度か繰り返すことで勝利することを目指すもののこと。2枚揃って終わりというコンボではなく、引いたカードからベストな行動を判断し、限られたマナを次のマナに繋げて……とグルグルと数珠つなぎに動いていく。果てしなき道の末にゴールにたどり着いたり、あるいは特定の行動が何度か繰り返されて相手のライフやライブラリーが0になったりして勝利する。
デッキをポンと渡されて、その場で誰でも勝てるというものではない。一人回しやテストプレイを重ねることで、臨機応変にコンボを完走するための判断力を培うことが大切だ。
では今日は、スタンダードにおけるチェーンコンボの実例を紹介しよう。
2 《島》 2 《山》 1 《平地》 3 《ラウグリンのトライオーム》 4 《河川滑りの小道》 4 《連門の小道》 4 《針縁の小道》 2 《寓話の小道》 -土地(22)- 4 《伝承のドラッキス》 4 《雷の頂点、ヴァドロック》 4 《黄金架のドラゴン》 1 《アゴナスの雄牛》 -クリーチャー(13)- |
3 《果敢な一撃》 2 《棘平原の危険》 4 《真実の視認》 4 《非実体化》 3 《表現の反復》 4 《プリズマリの命令》 2 《戦利品奪取》 1 《神秘の論争》 2 《スカルドの決戦》 -呪文(25)- |
2 《静寂をもたらすもの》 3 《アゴナスの雄牛》 2 《燃えがら地獄》 2 《火の予言》 2 《否認》 2 《引き裂き》 2 《神秘の論争》 -サイドボード(15)- |
「ジェスカイ変容」や「ヴァドロック・コンボ」などと呼ばれるもので、その名の通り白青赤の伝説の変容クリーチャー《雷の頂点、ヴァドロック》および《伝承のドラッキス》がコンボの鍵を握っている。
このクリーチャーは変容すると墓地から3マナ以下の非クリーチャー呪文を唱えられるという能力を持っている。これを使って墓地から何度も呪文を唱えようというのがメインコンセプト。そのために相方となるのが《黄金架のドラゴン》だ。
このドラゴンはスタンダードでもお馴染みで、4/4速攻&飛行という攻撃的なスペックだけでも優秀。さらに、このドラゴンは攻撃するか、呪文の対象になると宝物を生み出す。この宝物はドラゴンがいれば2マナ供給するので、瞬間的に大量のマナを得られる。
変容は対象を取るので、つまりドラゴンを変容させれば宝物を得られる。ヴァドロックは墓地から変容すると墓地から3マナ以下の非クリーチャー呪文をマナなしで唱えられる。これでドロー呪文を再利用して手札を補充。
またドラッキスは墓地のインスタントやソーサリーを手札に戻す能力を持っており、その回収した呪文をまたドラゴンを対象に唱えると、宝物が出る。つまりマナには困らないというわけだ。変容と墓地から回収する呪文でドラゴンを取り囲み、チェーンを繋げていく。
具体的にどの呪文を使いまわすかというと、まず《果敢な一撃》。
これをヴァドロック変容ドラゴンから唱えてマナと手札を得て、ドラゴンのパワーを上昇。また引いてきたらドラゴンに撃ち込む。最終的にドラッキスで回収しては投げを繰り返して、ドラゴンのパワーを大きく膨れ上がらせて一撃必殺!というのが理想だ。
それから注目すべきは《非実体化》。
これは相手の呪文やクリーチャーを戻すだけでなく、自分の変容したドラゴンを戻す手段でもある。どういうことかというと、変容しているクリーチャーが手札に戻る時、それに変容しているカードもすべて手札に戻る。ドラゴンごとヴァドロックとドラッキスが戻ってくるので、再展開してさらに墓地から呪文を……という強引な動きもできてしまう。
この動きにより特化して《領界路の開放》や《両生共生体》などでマナ加速&コスト軽減を全力で行い、延々とドラゴンと変容クリーチャーをループさせて勝つタイプのデッキもある。そちらの方がより練習量が要求されるが、極めればそれ以上楽しいデッキもないだろう。
ヴァドロックで墓地から唱えることで、最もオイシイ思いができる呪文は《真実の視認》だ。
手札以外の領域から唱えることで、3枚も手札に加わる! これでゴリッと次の弾を補充し、さらに変容 or ドラゴンを対象にしていく。
《スカルドの決戦》で追放領域から唱えても3枚得られて最高だが、この決戦よりもより軽く運用しやすいのが《表現の反復》だ。
ライブラリーの上から3枚を、1枚は手札、1枚はライブラリーに戻し、もう1枚は追放してそのターン唱えられるという手数の増やしっぷりが魅力的なソーサリーで、これで《真実の視認》を追放すれば……ご馳走様!
とにかく変容したドラゴンで圧倒的な手数で押すことを狙ったデッキで、そのターンにおけるベストなチェーンから大ダメージや超アドバンテージを得られるか? 力量を試してくるデッキだ。とにかくまずはプレイを重ねて、一体このデッキは何ができるのか? 引き出しをひとつずつ開けながら実体験で学んでほしいね。
わけのわからない角度から16点とかいきなり飛ばして勝てるので、各カードのポテンシャルを最大限に引き出して最後までベストを尽くそう! 《プリズマリの命令》なんかは特にやれることが多くて、ヤバいカードのひとつだね!
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