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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:熊バニラ(統率者戦)
クールなマジック、してますかッ? というわけで金曜日、当コラムの1週間の締めくくりはCool Deckのコーナーだ。
いやぁ、執筆時から予定が変わっていなければ今日が『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のオンラインリリース&リアルでプレリリース開始ですわ。パックを剥いてカードを集める、どうせならそのままシールドで遊ぶ、強かったり面白かったりしたカードを構築で使う、と楽しみ方は人それぞれ。
そうそう、今回は新セットリリース時の定番である構築済みの統率者デッキが、『統率者(2021年版)』としてなんと5つも用意されているよ!
今回のメインテーマである2色の大学、それぞれに1つずつというありがたい仕様だ。
統率者戦はリモートで遊ぶにはもってこいで、「Spelltable」というツールを使えば快適にオンライン統率者戦が行える。4人で画面共有しつつライフや統率者ダメージ、毒などのゲームに必要な情報を管理でき、かつカメラがカードを認識してそれが画面に表示されるというとんでもない文明の利器なので、まだ未体験のプレイヤーは一度触れてみてほしい。
これを用いたオンラインイベント、コマンドフェスト・オンライン・ジャパンも大盛況だった。第2回も開催が予定されているので、また皆でオンラインで遊びまくろうじゃないか。なんともクールな時代だぜ。
ということで、今回はストリクスヘイヴンから新たな統率者を探してきてデッキを作ることに挑戦してみよう。クールなデッキを組むにふさわしいカードはあるかな? リストを眺めてみると……『統率者(2021年版)』の中にそれはいた!
そう、《忍耐強い教授、ラクサ》だ! なんかええ衣装に身を包んだ熊の教授! この時点でもう面白い、クール!
この熊の先生、マジック的なシャレも利いたデザインになっている。能力を持たないクリーチャーをすべて+1/+1修整で強化。さらに戦場に出るか攻撃すれば墓地から能力を持たないクリーチャーを手札に回収とアドバンテージも取れる。能力を持たないクリーチャーはブロックされていないかのように対戦相手本体に戦闘ダメージを与えられるようにもなり、非常に攻撃的な能力の持ち主だ。
マジックで最初の、能力を持たないクリーチャーのひとつである《灰色熊》。
長きに渡って基本セットの顔だったこの熊、多くのプレイヤーはこのカードを愛し、ゆえに同様の「2マナで能力を持たない2/2」を「熊」と表現するようになった。能力を持たないものを束ねるラクサが熊なのはこういう理由からだ。
能力を持たないクリーチャーは、トッピングのないアイスクリームにもたとえられて「バニラ」とも表現される。バニラだって美味いし、最高の選択肢になり得る。能力を持たないからこそ強い、そういうデッキを作れとラクサは言っている。
わかった、そのクールな挑戦を受けよう! 今日は熊バニラデッキを組んじゃうぞ!
というわけでまずは歴代「熊」を召集だ。《灰色熊》は当然として、時代や次元を超えた先でもそれぞれの雰囲気に合わせた熊たちが生息している。《Balduvian Bears》《仔熊》《森の熊》《ルーン爪の熊》。
どうだい、愛らしくも獰猛な、まさしく熊って面々が揃っているだろう?
これら熊の親玉が《熊の女王、アイユーラ》。熊が大きくなるか、それが格闘するかを選べる貴重な部族シナジーを持った伝説の熊だ。
このアイユーラ自体も統率者界隈では人気があり、彼女が従える熊デッキも見た目からして楽しくクールなものだ。
熊のタイプを持つクリーチャー・カードは数自体多くはないが、トークンを生成するカードはバリエーションがそれなりに豊富。《アイユーラの影響》《熊の谷》などで数を並べるのがアイユーラ・デッキの常套手段だ。
これらの熊・トークンはアイユーラの能力を誘発させ、同時にラクサで強化される。デッキのテーマの一つは熊シナジーにするのがクールな結果につながるだろう。
そして、ラクサで強化されるバニラも確認していこう。緑にはバニラ界最強の座に君臨する《ギガントサウルス》がいるッ!
10/10というジョークのようなサイズで、通常はこれにトランプルなどを持たせてダメージを通していくが、このデッキではラクサでブロックを無視してねじ込めるので手間もかからない。
他にも《皮背のベイロス》《カロニアの大牙獣》と、クリーチャーのサイズでは5色中最大であることが売りの緑らしいバニラたち。
この能力なしにして危険な獣たちを、ラクサとともに強化するのが《ムラガンダの印刻》!
元祖バニラ支援カードで、初見の時はクールだなぁと唸ったもんだ。バニラといえど+2/+2されれば十分に脅威。ばらまいた熊・トークンも含め、これで強化して押し切る!
特別なコンボなどはないが、シンプルだからこその破壊力と安定感を武器にする方向でデッキを組めば、卓上で十分に存在感を発揮できそうだ。
1 《忍耐強い教授、ラクサ》 -統率者(1)- 31 《冠雪の森》 1 《ギャレンブリグ城》 1 《巨森、オラン=リーフ》 1 《作戦室》 -土地(34)- 1 《亜麻色の侵入者》 1 《氷皮ゴーレム》 1 《熊の女王、アイユーラ》 1 《Balduvian Bears》 1 《仔熊》 1 《エルフの戦士》 1 《森の熊》 1 《灰色熊》 1 《カロニアの大牙獣》 1 《ルーン爪の熊》 1 《ケンタウルスの武芸者》 1 《地形の精霊》 1 《鉤爪の統率者》 1 《皮背のベイロス》 1 《棘茨の君主》 1 《金色熊》 1 《アルダガルドのスピリット》 1 《秘密を知るもの、トスキ》 1 《ギガントサウルス》 -クリーチャー(19)- |
1 《俗世の教示者》 1 《太陽の指輪》 1 《森の知恵》 1 《吹雪の乱闘》 1 《凶暴な一振り》 1 《壊れた絆》 1 《エメラルドの大メダル》 1 《創発的配列》 1 《英雄的介入》 1 《ケンリスの変身》 1 《苔色のダイアモンド》 1 《新たな芽吹き》 1 《活力の覆い》 1 《アイユーラの影響》 1 《バーラ・ゲドの復活》 1 《熊の谷》 1 《耕作》 1 《ガイアの頌歌》 1 《紋章旗》 1 《木霊の手の内》 1 《クローサの掌握》 1 《ドライアドの歌》 1 《野生の言葉》 1 《生態学的な理解》 1 《活性の力》 1 《調和》 1 《カマールの召喚術》 1 《ムラガンダの印刻》 1 《似通った生命》 1 《再度の収穫》 1 《系図の石版》 1 《旗印》 1 《魔力の篭手》 1 《灰毛の定め》 1 《逆説の領域》 1 《激浪の複製機》 1 《ヴォルラスの研究室》 1 《かごの中の太陽》 1 《硫酸の波》 1 《緑の太陽の頂点》 1 《統率者の板金鎧》 1 《フラクタルの装具》 1 《野生語りのガラク》 1 《解き放たれた者、ガラク》 1 《原初の狩人、ガラク》 1 《ビビアン・リード》 -呪文(46)- |
というわけでクールな統率者候補、ラクサを使うならと考えてみたデッキがこちら。
当コラムでの統率者デッキ紹介時の例によって、初心者が手に入れにくいカードはなるべく採用しない形を意識して組んでいるので、デッキはまだまだ強くすることが可能。あくまで骨組みというか、興味のある方を統率者戦に誘うサンプルとして見てほしい。
肝心のラクサは『統率者(2021年版)』の「クアンドリクスの量子」を買えば必ず手に入るという、入手難度的なハードルが低いのがクールだね。
他にも《逆説の領域》や《フラクタルの装具》といった『統率者(2021年版)』にのみ収録されるカードにも面白い機能を見せてくれるものが。
クアンドリクス大学のテーマであるフラクタル・トークンを生成する単色のカードだ。フラクタルも能力がないので、熊教授のありがたい講義でパワフルに運用できちゃうのだ。
デッキとしては、熊を筆頭にバニラ軍団を手札から展開、あるいは熊含む各種トークンを並べてラクサ、ムラガンダ、その他の全体強化でサイズアップさせて攻撃。同時に対戦相手のエンチャントやアーティファクトをインスタントやソーサリーで破壊、能力を使ってコンボを狙ってくるクリーチャーは格闘させるカードで除去と、最低限の妨害も行っていく。
なんというか、こっちはやられても所詮はバニラ。1体ずつが重要な戦力ではあるが、必要以上に固執する必要はない。トークン生成カードは多数あり、ラクサは墓地からバニラを拾える。このため、盤面が壊滅しても修復することは可能。なので、少々開き直りながら強きに展開していって問題ないだろう。
ズンズンとバニラを展開してくる様は統率者戦の盤上ではかなり異質。バニラだからこそのプレッシャーをかけていくのは、オンリーワンのクールなゲーム体験になるだろう。
《忍耐強い教授、ラクサ》のみならず、『統率者(2021年版)』には魅力的な伝説のクリーチャーとその戦略をサポートするカードにあふれている。こりゃあ5デッキ全部手に入れて、統率者戦をもっともっと楽しまないとね。
それでは今回はここまで。Stay cool! Love vanilla!!
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