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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:青緑変容~大蛇襲来~(スタンダード)
『カルドハイム』、クールだね楽しいねぇ! やってきました金曜日、独断と偏見で「これはクールだ!」と感じたデッキを紹介するこのコーナー。ことここに限って大事なのは強さよりも、戦績よりも、クールさだ。もちろんその2つがクールのオマケでついてくるならもう何も言うことはない。
そんなわけで僕も構築フォーマットを遊びまくって、自分なりのクールで勝てるデッキを追求している今日この頃だ。特に《星界の大蛇、コーマ》を使うデッキが琴線に触れまくっててね。
色マナ指定の濃い7マナというコストに見合うだけのパワーがあの海蛇にはある! 毎ターン海蛇・トークンを生成し、そのサイズはなんと3/3。この毎ターンってのが自分のものだけでなく相手のターンも含んでいることに驚きだ。とりあえず出してターン終了、次の相手のアップキープがやってくればもうカード2枚分の働きが確約される。トークンが出た後にこのコーマを破壊しようとしても、その海蛇を犠牲にして本体は破壊不能を得て生き延びる。
そして海蛇を生け贄に捧げた際のもう1つの能力、パーマネントをタップして能力を使わせなくするものもスゴい。飛行など回避能力持ちのクリーチャーはこれで押さえ込みながら、トークンをじわりじわりと増やして盤面を制圧する。その姿はまさしく不沈艦!
このクールと強さを併せ持ったフィニッシャーを使ったコントロールデッキを研究中だ。毎晩、仕事から帰ってからMTGアリーナでやるスタンダードが楽しい!
本日のクールデッキは個人的に惚れ込んでいるこのコーマを使ったデッキから行ってみよう! ちょうどクールなリストを見つけたのよ。
7 《森》 6 《島》 4 《樹皮路の小道》 4 《寓話の小道》 2 《進化する未開地》 -土地(23)- 4 《金のガチョウ》 4 《両生共生体》 3 《絡みつく花面晶体》 1 《漁る軟泥》 4 《硬鎧の大群》 4 《渡る大角》 4 《領獣》 3 《水晶壊し》 2 《秘密を知るもの、トスキ》 4 《恵みのスターリックス》 2 《星界の大蛇、コーマ》 -クリーチャー(35)- |
2 《怪物の代言者、ビビアン》
-呪文(2)- |
3 《鎖巣網のアラクニル》 1 《漁る軟泥》 1 《水晶壊し》 2 《飛びかかる岸鮫》 3 《蛇皮のヴェール》 3 《神秘の論争》 2 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
2020年春にスタンダードに登場した「青緑変容」だ。変容という人間以外のクリーチャーに働く能力を使い、1体のクリーチャーにクリーチャー・カードを何枚も重ねて能力をいくつも与える。これにより最強生物を降臨させて戦場を支配するのが狙いの、コンボ的要素を伴ったビートダウンデッキだ。個人的にもかなり好きなデッキで、『イコリア:巨獣の棲処』リリース後はこの手のデッキを使いまくったものだ。
青と緑が変容デッキの主軸になるのは理由があって、変容という1体だけを強くしていく、いわゆる「縦」の展開を行いながらも同時に他のクリーチャーを並べる「横」の展開を行えるクリーチャーがいるからだ。《願いの頂点、イルーナ》と《恵みのスターリックス》である。
特にスターリックスは、変容した回数分だけパーマネントを戦場に出せるという強力無比な能力を持っており、これを1体のクリーチャーに複数変容することでその能力を誘発させまくり、お祭り騒ぎのような大量展開でオーバーキル気味な盤面を作り上げることは本当に楽しい。
しばらく使っていないデッキだったが、『カルドハイム』の登場で新戦力を得てまたそのクールさに磨きをかけているではないか!
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:変容の行き着く先
緑を使った変容デッキの肝は《恵みのスターリックス》である。このカードの持つポテンシャルを最大限に発揮してこそ、クールなデッキは生まれる。
このクリーチャーを変容させた際に誘発する能力は、ライブラリーの上から公開していって、パーマネント・カードがめくれたらそれを直接戦場に出すというもの。マナの支払いを踏み倒す能力と考えれば、極力コストの重いカードを公開し、そのカードパワーで対戦相手を圧倒したいところ。
これまでよく使われていたのは《精霊龍、ウギン》。
このカードの強さは今さら解説するまでもないが、実は……状況によっては少々こちらも痛手を負うことがあった。対戦相手のパーマネントを根こそぎ追放し更地にしてしまえる能力を持ったウギンだが、それを行う際にこちらの戦場も概ね吹き飛んでしまうということがあった。
不利な状況でやむなくウギンによるリセットを行ったが、ウギン以外の戦力がなくなってしまった。それでも敗北を回避しつつウギンが戦場に残るのは悪くはないのだが、相手にリカバリーされてしまった際にクリーチャーがいてなんぼの変容デッキが、それがいない状態でターンを迎えるのは辛い局面があった。ウギンという当たりを引いておきながら贅沢な話かもしれないけどもね(笑)。
その点、このリストがメインで採用した新たなるスターリックスのゴールとも言えるパーマネント《星界の大蛇、コーマ》は、こちらの盤面を残しながら相手のパーマネントに対応できるという点で優秀だ。クリーチャーをタップして攻撃を防ぐのはもちろん、アーティファクトやプレインズウォーカーも対象にして能力の起動を禁止することができる。起動型能力でない形でこちらを苦しめるパーマネントには無力かもしれないが、少なくとも6/6と毎ターン生成される3/3とで圧力をかけられるカードとして働いてくれる。《ドゥームスカール》などの破壊除去に対しても耐性がある。
もちろんウギンの方が優れている場面もあるだろうが(だからサイドに採用されている)、コーマはより変容デッキにマッチしたフィニッシャーとして招き入れられたのだ。ウギンより1マナ軽いため手札に来たときにより唱えやすいし、盤面にクリーチャー並べて押せ押せの状況では3点ダメージだけのウギンよりも絶対的なダメ押しとなるしね。
クールポイントその2:変容元は小さくも不死なるもの
新戦力は巨大なるコーマだけではない。1/1と小さな、しかし確かな強さを持った《秘密を知るもの、トスキ》だ。
トスキはリスであり、人間ではないので変容させることができる。まず変容デッキのこの前提条件を満たしている。そして、打ち消されず破壊不能の持ち主である。スターリックスをはじめとした変容クリーチャーを重ねるに際して、この頭数としてしっかりカウントできる能力を持っているのはありがたい。せっかく変容させても即破壊されてしまってはもったいない。安心と信頼の変容元として小さなトスキは名乗り出てきたのだ。
また、トスキはこちらのクリーチャーが対戦相手に戦闘ダメージを与えるとカードが引けるという強烈なアドバンテージ獲得能力も所持している。変容デッキはマナを多く必要とするため、序盤は《両生共生体》《絡みつく花面晶体》らを展開しその下地を作る。それらの打点としては弱いクリーチャーに、トスキは価値を与えるのである。変容できなくてもこの攻撃&ドローだけでも遅いデッキは圧倒できそうだ。
スターリックスと相性が良いので採用されている《硬鎧の大群》が生み出すトークンの価値もグッと高まるというものだ。小粒でもピリリとクールということわざ(?)はトスキのためにある。
クールテクニック!
変容デッキはその特性からデッキ内はほぼクリーチャーで固められている。過去には《集めるもの、ウモーリ》を相棒にしているほどだったので、そのイメージも根強い。これを逆手に取ったかのようなサイドボードが《蛇皮のヴェール》!
要所では常に{G}を使えるようにしておくことで、このインスタントを構えられる。クリーチャー1体を強化した上で、さらに呪禁を与える。この呪禁でしっかりと相手の除去から重要な戦力を守ってやり、プランを狂わせてこちらの土俵から逃がさない。サイド後は相手のクリーチャー除去が増されることが明白なので、このヴェールで応戦しよう。
破壊不能なコーマやトスキを狙った追放タイプの除去も、これで弾き返してやればクールに勝負アリだ。
さらなるクールのために
変容にコーマ、どちらも好みのものなので僕もちょっとこのタイプのデッキを考えてみよう。もちろん重視するのは……クールさだ!
6 《森》 6 《島》 1 《山》 4 《樹皮路の小道》 4 《寓話の小道》 2 《進化する未開地》 -土地(23)- 4 《金のガチョウ》 2 《ヤスペラの歩哨》 4 《両生共生体》 3 《絡みつく花面晶体》 3 《硬鎧の大群》 4 《渡る大角》 4 《領獣》 3 《水晶壊し》 2 《秘密を知るもの、トスキ》 4 《恵みのスターリックス》 1 《星界の神、アールンド》 1 《願いの頂点、イルーナ》 2 《星界の大蛇、コーマ》 -クリーチャー(37)- |
-呪文(0)- |
1 《集めるもの、ウモーリ》
-相棒(1)- 2 《鎖巣網のアラクニル》 2 《漁る軟泥》 1 《水晶壊し》 2 《飛びかかる岸鮫》 1 《戦闘マンモス》 3 《蛇皮のヴェール》 2 《神秘の論争》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(14)- |
やっぱり変容デッキにはイルーナを入れたくなる。何せゴジラ版は《宇宙の帝王、キングギドラ》、英名にはコーマなどで星界と訳されているCosmosが記されており、キングギドラとコーマという宇宙大怪獣の共演はクールさの頂点であることは確定的に明らか。
後は個人的に好きなウモーリ型にして、メインデッキには土地とクリーチャーのみの構成にした上で《星界の神、アールンド》を採用。
ターン終了時にクリーチャーを指定すれば手札が増える確率はかなり高い。見た目は人間だがタイプは神なので変容もしっかり可能。2マナで《囁く鴉、ハーカ》として出しておいて占術でドローを安定させるのもこのデッキにおいてはありがたい。
それからもう1つ、新カード《ヤスペラの歩哨》をメインに。
1体では仕事はできないものの、1マナでマナを増やせるクリーチャーということで採用してみたが、《両生共生体》と仕事をこなした際のデッキのスムーズさは悪くなかったね。クールまでは届かない微クールくらいの働きだが、選択肢としてはカウントしても良いと思うよ。
クールなまとめ
カルドハイム次元のラスボス的存在でありクール極まる大怪物、コーマ。この次元のエルフたちが信仰する気持ちもわかるね。
クールなキャラクターはクールなカードとなり、クールなカードはクールなデッキを生み出す。《新緑の魔力》もここまで強くなったのかと感動できる《星界の大蛇、コーマ》を主役にしたデッキ、オススメだぞってなところで今週はここまで。Stay cool! Believe Koma!!
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