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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
猫とかまどの今後(ヒストリック、パイオニア)
支配的な存在になることを懸念しての対処であるが、これではいおしまい……とならないのはマジックの良いところ。遅かれ早かれ、どのカードもスタンダードから退場することになる。そうなっても、それらのカードが使用可能なフォーマットでまだまだ活躍の余地がある。
では、《大釜の使い魔》はスタンダード以外でも活躍する余地はあるか。答えは…YES! 《魔女のかまど》とでグルグル回す食物生け贄ループは、このカードでしか成し得ない動きである。オンリーワンの役目を担うニッチなカードは、フォーマットを越えて活躍する可能性が高い。
実際にこれら2枚、通称猫かまどを主軸としたデッキはスタンダード以外のフォーマットでも成績を残している。もしスタンダードのデッキを持っていたら、ほぼそのまま、一部のカードを置き換えることで他のフォーマットに参戦が可能ということだ。これをひとつの機会と捉えて、前向きに遊んでほしい……そんな願いを込めて、今日は猫かまどのバリエーションを紹介だ!
4 《沼》 3 《山》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 2 《悪意の神殿》 2 《ロークスワイン城》 2 《ファイレクシアの塔》 2 《寓話の小道》 -土地(23)- 4 《大釜の使い魔》 2 《狂信的扇動者》 2 《鋸刃蠍》 4 《戦慄衆の解体者》 4 《忘れられた神々の僧侶》 4 《波乱の悪魔》 3 《悲哀の徘徊者》 -クリーチャー(23)- |
4 《初子さらい》 4 《魔女のかまど》 2 《村の儀式》 2 《死住まいの呼び声》 2 《炎の侍祭、チャンドラ》 -呪文(14)- |
2 《エンバレスの盾割り》 3 《狩り立てられた悪夢》 3 《苦悶の悔恨》 2 《取り除き》 2 《害悪な掌握》 2 《悪性の疫病》 1 《反逆の行動》 -サイドボード(15)- |
まずは位置的にスタンダードと距離の近いフォーマットである、ヒストリックのデッキから。
「ラクドスかまど」と呼ばれるタイプの赤黒2色。使い魔を生け贄に捧げて食物を生成し、その食物を生け贄に捧げて使い魔を戻す。このサイクルが一周すると対戦相手はライフを1点失い、こちらは1点得る。
この横に《波乱の悪魔》を立たせると、2回生け贄を行っているので計2点ダメージが誘発。対戦相手本体に飛ばしてライフを詰めるか、クリーチャーやプレインズウォーカーに飛ばして盤面を掃除するかは臨機応変に。
もはやコンボとも呼べるこの強力な相互作用を、他の生け贄関係のカードでも後押し。メインデッキに関してはほとんどスタンダードと同じで、《狂信的扇動者》がいるくらい。
ただ土地の枠に大変強力な《ファイレクシアの塔》を採用できるのがヒストリック版のかまどデッキの醍醐味。
使い魔や《鋸刃蠍》などを生け贄に捧げることで{B}{B}を得られる、強力なマナ加速だ。これで序盤に悪魔や《悲哀の徘徊者》のような3マナのカードが使いやすくなり、他のスピーディーなデッキにも速度の面で置いていかれないように抗える。十分に展開しきった後も対策されにくい生け贄手段として、ライフを詰める後押しをしてくれることだろう。
生け贄に捧げて燃やして、盤面もライフも押していこうというデッキである「ラクドスかまど」。相手のクリーチャーを《初子さらい》で奪って各手段で生け贄に捧げることで軽いコストで除去できるのはかなりの脅威。
《死住まいの呼び声》で《狂信的扇動者》を戻すことで、お手軽に接死爆弾を作れるのも魅力的だ。生殺与奪は我にあり、徹底的にクリーチャーを潰し続けて、ゲームの流れを掌握しよう。
3 《沼》 1 《山》 2 《森》 4 《血の墓所》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 1 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 -土地(23)- 4 《大釜の使い魔》 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《金のガチョウ》 2 《忘れられた神々の僧侶》 2 《サテュロスの道探し》 4 《波乱の悪魔》 1 《夢の巣のルールス》 2 《悲哀の徘徊者》 1 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 -クリーチャー(24)- |
4 《魔女のかまど》 2 《思考囲い》 4 《パンくずの道標》 3 《ボーラスの城塞》 -呪文(13)- |
2 《漁る軟泥》 2 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 3 《初子さらい》 3 《致命的な一押し》 2 《思考囲い》 2 《燃えがら蔦》 1 《戦慄掘り》 -サイドボード(15)- |
こちらはパイオニアにおける黒赤緑の3色、スタンダードで「ジャンド城塞」として親しまれたものをほぼそのまま移植したものだ。
食物・トークンとマナを生み出す《金のガチョウ》に加えて《死儀礼のシャーマン》を採用しているのが特徴的だ。
起動した後の《寓話の小道》や《サテュロスの道探し》で墓地に落ちた土地を追放し、マナ加速。《忘れられた神々の僧侶》とも合わせてマナを伸ばし、早期に《ボーラスの城塞》の設置を目指す。死儀礼は他にもクリーチャーを追放して回復、それ以外を追放してライフを詰めるとシブい働きをしてくれる。自分の墓地でも良いし、相手の墓地を追放して各種墓地利用への対策になるのも偉い。
猫かまどで相手の攻めを受け流しながらライフを一定に保ち、上記のマナ加速から城塞の設置を狙う。この合間に《パンくずの道標》でザクザクと手札を補充できるのがジャンド型の強いところだ。
城塞を置いたら、ライフをコストに大量展開し、最終的に城塞でそれらのパーマネントを生け贄に捧げて対戦相手に10点のライフを失わせる。その横に《波乱の悪魔》がいれば同時に10点分のダメージが誘発し、合計20点で大抵の相手は消し飛ぶことになるだろう。この豪快さ、押されていてもカード1枚から大逆転を狙えるチャンスにあふれている点がとても魅力的である。
《フェイに呪われた王、コルヴォルド》などのような重めのカードは抑え目にして、デッキ全体をパイオニア用に軽めにカスタマイズ。しかしながら大部分はスタンダードのものを流用できるので、デッキを持っているなら比較的組みやすいデッキである。『ダブルマスターズ』で《思考囲い》を手に入れたらぜひ投入して、その軽さに驚いてほしい。
スタンダードに限って言えば選択は減ったわけだが、広い目で見ればまだまだ他に活躍のステージはある。《大釜の使い魔》は《魔女のかまど》を引き連れて、今日もどこかで生と死の間に食物を挟んで、転生を繰り返すのだろう。ファンの多かったデッキだけに、多くのプレイヤーがかまど系デッキを所持していたはず。大方それらをそのまま使える、上記のようなリストでいろいろなフォーマットに挑戦してみようじゃないか。
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