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お知らせ
2020年8月3日 禁止制限告知
2020年8月3日
告知日:2020年8月3日
スタンダード
- 《荒野の再生》禁止
- 《成長のらせん》禁止
- 《時を解す者、テフェリー》禁止
- 《大釜の使い魔》禁止
パイオニア
ヒストリック
- 《荒野の再生》一時停止
- 《時を解す者、テフェリー》一時停止
ブロール
- 《時を解す者、テフェリー》禁止
発効日:2020年8月3日
禁止カード、制限カードのフォーマット別一覧はこちら。
ヒストリックとブロールの項目はジェイ・パーカー/Jay Parkerによるものです。
スタンダード
前回の禁止制限リストの更新では、我々はスタンダードに何も変更を加えないことを選びました。当時、スタンダード環境はプレイヤーズツアー・オンライン3と4の結果が出たばかりで、直近に相棒ルールの変更が行われ、そして『基本セット2021』がフォーマットに追加された直後でした。新たなデッキの出現は見られましたが、最終的に上位のデッキは適応し自らのメタゲーム上のシェアを維持することができました。数週間環境の発展を監視して。プレイヤーズツアーファイナルのデッキリストを見直した後、我々はメタゲームを大きく動かすために複数の変更を行うことにしました。
この一連の変更は我々の通常のスタンダードでの禁止リストの理念から逸脱しており、したがって、我々はこれを1つの新しい試みであると考えています(編訳注8/4 0:50:訳語を修整いたしました)。MTGアリーナのマッチ・ランク戦:スタンダードのほとんどを含む極めて高いレベルの競技プレイの外側では、デッキの多様性と勝率の分布は良好です。しかしながら、最も競技的なトーナメントとアリーナのミシック・ランクのランク戦の技量レベルでは、高い勝率と使用率を持った、長い期間メタゲームでその位置に残っている少数のデッキが見かけられます。
我々の通常のアプローチでは、『ゼンディカーの夜明け』の発売に伴う自然で予測可能なメタゲームの変化をもたらすスタンダードのローテーションをさせていたでしょう。しかし、ソーシャル・ディスタンスの時代において、デジタル・プラットフォームで行われるスタンダード・プレイの割合が大幅に増加しました。デジタルのプレイヤーがこなすことのできるスタンダードのゲームの数はテーブルトップよりも多く、我々はもっと早くメタゲームの変更を行動に起こすのが正解であると考えています。
そのため、我々は最高レベルの競技プレイにおいて強力で普及していたデッキの弱体化と、スタンダードのコミュニティの大勢にとって長い間目に留まりすぎたカードを対象とした禁止を行います。
《成長のらせん》を使った各種ランプ・デッキは、プレイヤーズツアーファイナル初日のメタゲーム中68%を占めており、アリーナのミシック・ランクのランク戦では約25%~30%を占めています。この分類の中では競技的コミュニティの多くから《荒野の再生》デッキが最強のアーキタイプであると見なされており、プレイヤーズツアーファイナルのメタゲーム中54%、アリーナのミシック・ランクのメタゲーム中約15%を占めています。《荒野の再生》デッキをこの最もプレイされているという地位から取り除き、ランプ・デッキ全般のメタゲームでのシェアを減らすために、《荒野の再生》と《成長のらせん》は禁止となります。
長期間高い勝率を維持してきたもう1つのアーキタイプが《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》のコンボを特徴とした「赤黒(またはジャンド)サクリファイス」です。高い勝率に加えて、これらのデッキはアグロやミッドレンジのクリーチャー・デッキにかなりの圧力をかけています。さらに、これらのカードが生み出す誘発型能力の数はデジタル・プレイにおいて両方のプレイヤーにとって煩わしいものになる可能性があります。これらの生け贄戦略を弱体化させ、メタゲームの多様性を開き楽しいゲームプレイ環境を作り出すために、《大釜の使い魔》は禁止となります。
最後に、我々は《時を解す者、テフェリー》もこの環境から取り除きます。我々は《時を解す者、テフェリー》の反復的なプレイパターンとこのカードがやり取りを減少させる能力を生み出せることが圧迫感や窮屈さを生み出すことがあるという意見を度々耳にしました。以前の更新でも我々は《時を解す者、テフェリー》の禁止を検討しましたが、そうしなかった理由の1つが、このカードが《荒野の再生》デッキを食い止める助けになっているという事実でした。《荒野の再生》がこの環境を離れるのに伴い、我々はスタンダードのメタゲームが《時を解す者、テフェリー》なしで進む時もやってきたと感じています。
《成長のらせん》、《荒野の再生》、そして《時を解す者、テフェリー》がこの秋の『ゼンディカーの夜明け』の発売と同時にローテーションすることは理解しています。それを踏まえて。我々は今回の変更がこのこの夏の残りの間のメタゲームを一新する助けとなる早期ローテーションであると見なしています。《大釜の使い魔》に関しては、我々はこの機会を使って短期的なメタゲームの改善のためだけでなく、バランス面でのリスクと来年に続く望ましくないプレイパターンを取り除きました。
今回のこれらの変更は時節と現在のデジタル・プレイへの集中の産物という意味合いが大きいものであることを強調しておきます。我々はこのアプローチに関するコミュニティからの意見を求めており、今後もメタゲームの行く先を注視し続けます。
パイオニア
前回の禁止制限リストの更新で、我々はパイオニアで《ニッサの誓い》の禁止解除を選択しました。この変更はこのフォーマットにとって大規模な更新になることを意図したものや、何か他の変更の代替案ではありませんが、様々な指標から健全に見えるフォーマットにおいて比較的安全だとみなした禁止解除でした。この禁止解除の後多くのコミュニティが議論を行い、我々はパイオニアでのさらなる変更の必要性について検討を求められました。
パイオニアではさまざまなデッキが成功を収めており、問題となる勝率のデッキは存在しませんが、分類としてのコンボ・デッキは競技メタゲームの大部分を占めています。我々はコンボ・デッキと対戦する頻度がデッキ構築の選択肢を制限し、プレイ経験を楽しめないものにしているという意見をいただきました。勝率のデータは変更が必要なところに達してないかもしれませんが、別の、より重要な種類のデータが達しています。それがプレイヤーの参加数です。
パイオニア発足直後である、今年初め以降のソーシャル・ディスタンスを確保する必要性によるテーブルトップのトーナメントの減少は確かに要因の1つですが、Magic Onlineでの年間を通したパイオニアのプレイ率の低下も見られます。パイオニアに興味がある、または興味を持つかもしれないプレイヤーに変更に対する準備ができていることは明らかです。結局のところ、どれだけのプレイヤーがその環境を楽しんでいるかが禁止制限更新の背景にある最も大事な原動力なので、我々は物事を揺り動かして競技的メタゲームをコンボ・デッキから押しやるために、4枚のカードを禁止することを選択しました。
これらの禁止は主に《真実を覆すもの》デッキ、《死の国からの脱出》デッキ、《太陽冠のヘリオッド》と《歩行バリスタ》のコンボ、《隠された手、ケシス》デッキの排除を目的としています。《隠された手、ケシス》コンボは比較的新しくメタゲームに復活してきましたが、このデッキはすでに問題となる要素が見られ、他の上位デッキが弱体化した場合問題が大きくなる兆しが見られます。《隠された手、ケシス》デッキは環境の控えめな位置にいるにも関わらず、Magic Onlineのパイオニア・リーグで5-0獲得者数の上位にいます。
そのため、我々は《真実を覆すもの》、《死の国からの脱出》、《歩行バリスタ》、《隠された手、ケシス》の禁止を選択しました。我々の狙いはゲームの序盤から中盤にプレイヤーがタップアウトした場合コンボに殺されてしまうリスクを劇的に減らすことです。この変更は伝統的なミッドレンジやコントロールに環境を開き、アグロ・デッキの手札破壊と打ち消し呪文に対する圧力を少なくするはずです。
我々はこれら同じデッキを狙って代替の禁止カード案を考慮しました。《タッサの神託者》は《真実を覆すもの》デッキと《死の国からの脱出》デッキを弱体化させるより軽い措置として議論されました。しかし《真実を覆すもの》デッキは《神秘を操る者、ジェイス》だけで勝つことができ、《タッサの神託者》の禁止では《真実を覆すもの》デッキを競技的メタゲームから追いやるのに不十分なのは明らかでした。次に、《タッサの神託者》は《死の国からの脱出》デッキの勝ち手段としてよく選ばれていましたが、このデッキの中心となるコンボ・エンジンが回りだすと、さまざまな方法で勝利することが可能です。最近のいくつかのバージョンの《死の国からの脱出》デッキは《タッサの神託者》を全く使っていません。我々が禁止に選んだカードはメタゲームに重大な影響を与えると最も自信があるものです。
我々はこれがパイオニアの環境にとって大きな変化を意味していることを理解しており、率直に言ってそれが目的です。毎週頻繁にパイオニアを更新する段階は過ぎていますが、まだ発足1年目のこのフォーマットを形作るために変更が必要な時期です。我々は参入しやすく、パワー・レベルがスタンダードに近くさまざまなアーキタイプやデッキが選択できる、ローテーションのないフォーマットを探しているプレイヤーにパイオニアが楽しむことができるプレイ経験を提供できるようにしたいと考えています。我々は積極的にパイオニアをサポートし、データとコミュニティの意見の両方を取り入れていきます。
ヒストリック
ヒストリックのメタゲームは現在急速に進んでいます。『Jumpstart』を通して追加されたカードは大きな影響を与え、『アモンケットリマスター』も間もなくやってきます。我々が注意深く監視している新しいデッキは数多く存在しますが、こういった時に我々が強く好むのはメタが自然に進むための時間を与えることです。我々は新しいデッキのうちどれが単なる最初に現れたときの瞬間的な活躍ではなく永続的な強さを見せることになるのかを見てみたいと考えています。とは言え、我々が行動を起こすのに十分な情報が集まったと感じるものが2つあります。《荒野の再生》と《時を解す者、テフェリー》です。
我々は前回の禁止制限リストの更新で《荒野の再生》について少し触れ、そこで強力ではあるが《運命のきずな》デッキ以外の問題のあるデッキでは見かけられないと述べました。その後、《発展 // 発破》と《死者の原野》の両方を使った「ティムール再生」のリストがヒストリックで着実に勢力を伸ばしてきました。このデッキは勝率を保ちながらBO3のゲームの10%以上を占めるというかなりの数字を出しています。このカードとデッキの構成は長い時間をかけて議論と解析と監視をしてきたものなので、我々は行動を起こすのに十分な情報が揃ったと感じています。メタゲームの健全性と多様性を促進させるため、《荒野の再生》はヒストリックで一時停止されます。
《時を解す者、テフェリー》については、スタンダードで受け取った意見と同じものをヒストリックでも受け取っています。ヒストリックでは、《時を解す者、テフェリー》によるやり取りを減少させる能力の強さと、彼が防いでいるやり取りおよび彼が結果的に防いでいる盤面の強さが対応していることもわかりました。また彼はヒストリックで頻繁に使われており、BO3のゲームの20%以上で使われ、他のモードでもかなりの割合で使われています。これらの理由により、《時を解す者、テフェリー》はヒストリックで一時停止されます。すべての一時停止と同様に、我々はこれによるフォーマットへの影響を注意深く監視していきます。
ブロール
《時を解す者、テフェリー》は全体の10%を超えるゲームで見かけられるブロールで最もプレイされている統率者の1つであり、最も高い勝率の統率者の1つでもあります。さらに、ブロールでも他のフォーマットで説明されたものと同様の影響が見かけられます。これらの理由により、《時を解す者、テフェリー》はブロールで禁止となります。
告知のタイミングと発効日について
これまでは、禁止制限リストの更新の1週間前にお知らせを出してきました。昨今のデジタル・プレイ環境への集中の増加により、我々は事前通知を差し控え変更を可能な限り早く発表することを選びました。これは必ずしも今後の告知と手段を示すものではなく、我々は今後も事前通知とメタゲームの変化に関しての即応性の維持のバランスの取り方について検討を続けていきます。
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