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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

青白ブリンク:テフェリーの師匠と愛娘(スタンダード)

岩SHOW

 『基本セット2021』が発売されてから、あっという間に時が過ぎ去ったように思う。

 このコラムが掲載される日には……なんとジャスト7週間。オンラインのリリースはそれより少し早いので、実際にプレイできるようになってから約2か月。嘘や~んちょっと前まで再録されるカードとか、新しく登場するテフェリーらの情報でワクワクしてたやないの~。

 しかし2か月もあればセット内のカードをプレイし尽くしたかのように思ってしまうが、そんなことはない。カードリストを眺めてみると、まだまだ「これって何するんだったかな」とうろ覚えなカードたちが使われるのを待ち構えている。

 今日はそんな、あなたがまだ使ったことがないかもしれないカードが主役のデッキを取り上げよう。皆のマジック観が広がると光栄だ。

 その前に、事前情報も軽く入れておいてもらえるとデッキリストを見た時にもっと楽しくなる……かもしれないので、もう少し序文に付き合っていただきたい。『基本セット2021』はテフェリーが主役だ。『基本セット2019』ではニコル・ボーラスが主役で、彼と因縁の深いプレインズウォーカーやその兄弟であるドラゴンたちが収録された。それと同様に、今セットではテフェリーと所縁のある、ドミナリア出身の人物がレアおよび神話レアでカード化されている。

 まずは青のレアである《トレイリアの大魔導師、バリン》から紹介しよう。

 カード名の通り、バリンはトレイリアという地に設けられたアカデミーと呼ばれる魔法学院の創始者のひとりである。彼はドミナリアという次元においては最強の魔術師であり、プレインズウォーカーであり親友のウルザにその腕を買われて、アカデミーにて次代の魔術師を育てる教師として腕を振るった。この時彼の教えを受けたのが若き日のテフェリーである。

 バリンから見てテフェリーは正真正銘の天才であり、同時に……ちょっと問題児でもあったようだ(参考記事)。

 続いては《尊敬される語り手、ニアンビ》。

 彼女はテフェリーの娘である。母親は同セットに収録されている《タルジーディの隊商、スビラ》だ。テフェリーは隊商として忙しいスビラに家を任され主夫としてこの愛娘を育てていたようである。時間魔術師の意外な一面を見たような気がする。

 バリンとニアンビ、当人同士は物語では接点はないが、テフェリーに近しい人物ということで同じサイクルに肩を並べ……そしてこの2枚はカードとしても噛み合う能力を与えられている。自分のパーマネントが手札に加えられていたらカードを引けるバリンと、自分のクリーチャーを手札に戻すニアンビ。この2枚が組み合わさるとクリーチャーを使いまわしつつ手札を増やしていくことができる。

 今日はバリンとニアンビが揃った青白のデッキを紹介だ!

Victor Gerhardt - 「青白ブリンク」
スタンダード (2020年8月11日)[MO] [ARENA]
4 《
5 《平地
4 《神聖なる泉
4 《ラウグリンのトライオーム
3 《ヴァントレス城
2 《爆発域
4 《寓話の小道
-土地(26)-

4 《魅力的な王子
3 《尊敬される語り手、ニアンビ
2 《願いのフェイ
4 《トレイリアの大魔導師、バリン
3 《精鋭護衛魔道士
2 《深海住まいのタッサ
3 《空を放浪するもの、ヨーリオン
-クリーチャー(21)-
4 《海の神のお告げ
4 《メレティス誕生
3 《エルズペス、死に打ち勝つ
2 《時の一掃
-呪文(13)-
1 《墓掘りの檻
3 《ガラスの棺
2 《解呪
2 《ドビンの拒否権
2 《魔術遠眼鏡
2 《空の粉砕
1 《エルズペス、死に打ち勝つ
1 《ヘリオッドの介入
1 《神秘を操る者、ジェイス
-サイドボード(15)-
Victor Gerhardt氏のTwitter より引用)
 

 バリンとニアンビも含め、戦場に出た際に能力を誘発させるクリーチャーを多く採用。バリン、ニアンビにより手札に戻す、あるいは《魅力的な王子》《深海住まいのタッサ》で追放し、戦場に戻す。

 こうすることでそれらの能力を再度誘発させ、1枚のカードで何度も得しちゃおうというデッキである。追放して戻す類の能力の通称から、「青白ブリンク」と呼ばれる形である。ブリンクの親玉である《空を放浪するもの、ヨーリオン》も採用して、何度でも何度でも使いまわすという強い意志が感じられる。

 デッキとしては対アグロ、あるいはクリーチャー主体の中速デッキを意識したものである。《メレティス誕生》の生成する壁で受け止めたり、《トレイリアの大魔導師、バリン》で相手のクリーチャーを手札に戻したりして攻めを減速させる。《精鋭護衛魔道士》や《魅力的な王子》で回復してライフを保つのも耐えるのには有効だ。

 そして、これらのカードを上述のブリンクなりバウンス(手札に戻す)なりで使いまわす。それはもうしつこいくらいに、徹底抗戦だ。そのうち、クリーチャー以外に《エルズペス、死に打ち勝つ》《海の神のお告げ》もブリンクできるヨーリオンが飛来し、大量ブリンクで一気に盤面や手札の差をつける。で、ヨーリオンで戻ってきたバリン or ニアンビでバウンスか、王子やタッサでブリンクしてヨーリオンをも使いまわして……地獄を見せてやるのだ! こうなるとクリーチャーで攻めるタイプのデッキは手も足も出なくなり、投了することになるのである。

 ちょっとしたテクニックとして《尊敬される語り手、ニアンビ》の能力を取り上げておこう。伝説のカードを捨てるとカードが2枚引けるという能力だ。このデッキの伝説のカードと言えばバリンにニアンビ、ヨーリオン。2枚目以降のニアンビを捨てて別のカードを引けるのは悪くないが、後のカードは普通に使った方が強くないか、と思われるかもしれない。実際にそういう場面の方が多いことだろう。ただ、ケースによっては捨てるということがメリットになることもある。《エルズペス、死に打ち勝つ》のⅢ章能力、墓地からクリーチャーを戻す能力で釣り上げるというわけである。

 墓地に何もいないからと安心しているところに、突如投げ捨てられるヨーリオン! 追放される数々のパーマネントとニアンビ、そしてニアンビにより手札に戻るヨーリオン……やりたい放題ってのはこういうことを言うんだな。

 というわけでテフェリーに所縁のある2名が時空を超えて共演する「青白ブリンク」を紹介させてもらった。ところでテフェリー自身はデッキに入ってなくていいのかって? そんな時こそ……スリーブとか、MTGアリーナであればアバターとかをね、テフェリーの絵柄にすることで完成度を高めるんですよ。カード自体を使わなくても、そうやって楽しめるのがマジックの奥が深いところなんですッッ!

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