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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

赤単と緑単:2つの異なる大自然の恩恵(ヒストリック)

岩SHOW

 8月10日にこのコラムを書いている。本日は…「山の日」なり。本来は8月11日なのだが、2020年は10日に移動している(なぜなのかは各自で調べてみよう)。

 山の日……制定されてからまだあまり経っていないこともあって、忘れがちな祝日である。山の日は山がもたらす自然とその恵みに感謝し、親しみを持とう!という1日だ。

 マジック的には山と言えば《》、なので赤単!というのが自然な考え方になるだろう。ただ、個人的には「自然の恵み」という観点で見た場合、そして一般的な生活を送る人々にとって親しみのわく山というものは、赤マナを生み出す荒涼とした厳しい山岳地帯、というよりは森林があって小川も流れていて、緑豊かで動物たちも住んでいる……マジック的には《》寄りの山になるのではないだろうか。

 そこで今回は赤単と緑単、2つのデッキをまとめて紹介しよう。書き出してから「山の日に掲載するようにしたら良かったな」とか思ってしまったが、あまり気にせず書きたいようにやらせてもらおう。フォーマットはヒストリック、歴史が創り出した山々の大自然に感謝と親しみを込めて。それじゃいってみよう!

Marthell - 「赤単バーン」
ヒストリック (2020年8月4日)[MO] [ARENA]
18 《
2 《エンバレス城
-土地(20)-

4 《ギトゥの溶岩走り
3 《渋面の溶岩使い
4 《遁走する蒸気族
4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師
4 《暴れ回るフェロキドン
-クリーチャー(19)-
4 《ショック
4 《稲妻の一撃
4 《舞台照らし
4 《批判家刺殺
4 《魔術師の稲妻
1 《実験の狂乱
-呪文(21)-
1 《湧き出る源、ジェガンサ
-相棒(1)-

4 《ゴブリンの廃墟飛ばし
3 《ゴブリンの鎖回し
2 《砕骨の巨人
3 《レッドキャップの乱闘
2 《墓掘りの檻
-サイドボード(14)-
MTG Arena Zone より引用)
 

 まずは山デッキの代表格……赤単の「バーン」をご紹介!

 赤単のアグロデッキの中でも、クリーチャーよりも対戦相手本体に直接ダメージを与えるインスタントやソーサリーに重きを置いたリストがバーンに分類される。

 ヒストリックには《ショック》《稲妻の一撃》といった基本的な火力から、《魔術師の稲妻》《批判家刺殺》など特定の条件を満たすと1マナで唱えられる3点火力と、優秀なものが揃っている。

 これを相手本体に撃ち込み、状況によっては相手のクリーチャーに対して除去として使って、最大効率でライフを削る。これがバーンデッキの信条だ。後退のネジを外して、ひたすらに攻めろ攻めろ!

 ……かと言って、何も考えずにゲームを進行すると全く勝てないデッキでもある。相手のライフを削るための火力呪文は使い捨て。これらは同時に、クリーチャーを除去する手段でもある。すべて相手のライフに投げつけていては20点削り切るまでに相当な枚数が必要で、なので軽量クリーチャーも採用してそれらで攻撃することでリソースが最序盤で尽きてしまうのを補う。攻撃を通すために相手のクリーチャーに火力を撃ち込むことにもなるのだが、あまり除去に回し過ぎるとそれはそれでライフをスピーディーに削れず、ゲームが長引けばカード1枚1枚のパワー勝負で圧倒されてしまう。どこまで除去に回し、どれだけ本体に投げつけるのか。この塩梅が難しいのだ。

 そんなバーンの難点を少しでも和らげてくれるのが《渋面の溶岩使い》。

 『Jumpstart』によって使用可能になったこの1マナクリーチャー、とりあえず出しておいて隙あらば攻撃し、墓地にカードが2枚溜まればそれらをコストに2点ダメージを飛ばす。除去に使った火力を本体に、あるいはその逆に本体に投げつけたものを除去に。希少なリソースを可能な限りダメージに変換してくれる、凄いヤツだ。

 ウィザードである点も偉く、《ギトゥの溶岩走り》《ヴィーアシーノの紅蓮術師》と併せて計10枚以上のウィザードをデッキに採用できるので、《魔術師の稲妻》を1マナで唱えられる確率が大きく上昇した。まだ溶岩使いを未体験のプレイヤーには、小さくとも侮れないその強さをぜひとも体感してほしい。

 あ、ちなみに相棒の《湧き出る源、ジェガンサ》は、何も意図せずにバーンデッキを組んでもそもそも{R}{R}を要求するカードが入らないという点を活かして、リソースが切れた際に使える5マナ5/5として用いるために採用されている。

 特にお互いに火力を撃ち合ってクリーチャーを潰し合う同型戦においては、ジェガンサを採用しているデッキは不採用のデッキに対して圧倒的に有利になる。サイド後《ゴブリンの鎖回し》が必要なマッチアップでは相棒から外れることになるのでそこは注意しよう。

 『アモンケットリマスター』リリース後のこのデッキには……とりあえず《熱烈の神ハゾレト》は使ってみたくなるね! もっとクリーチャーに寄せたアグロ~中速くらいのデッキでもその本領を発揮しそうだ。

 また、バーン戦術における息切れを防いでくれるカードとして《ラムナプの遺跡》も忘れちゃいけない。土地にして2点火力! 文句なく超強力!

 他にもまだまだ強力なラインナップなので、どのカードも試してみよう!

Eric Mixon - 「緑単」
ヒストリック (2020年8月10日)[MO] [ARENA]
16 《
4 《ギャレンブリグ城
-土地(20)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《サルーリの世話人
4 《草茂る胸壁
4 《花の壁
4 《培養ドルイド
4 《ラノワールの幻想家
4 《収穫の魂
4 《白金の天使
4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ
-クリーチャー(36)-
4 《豊穣の力線
-呪文(4)-
4 《セテッサの請願者
4 《変容するケラトプス
4 《ペラッカのワーム
3 《英雄的介入
-サイドボード(15)-
Eric Mixon氏のTwitter より引用)
 

 こちらは緑単。《》の生み出す恵み、そしてそれをさらに広げるのはエルフやドルイドなどマナクリーチャー。《豊穣の力線》と軽量のマナクリーチャーを用いて、ゲーム序盤から大量の緑マナを生み出し、その恩恵にあずかろうというデッキである。

 ゲーム開始時の手札にあれば戦場に出る力線、そして1ターン目の《ラノワールのエルフ》というロケットスタートが実に魅力的だ。

 デッキとしてはとにかくシンプルで、力線・マナクリーチャー・《ギャレンブリグ城》でマナを生み出し、大物を繰り出してカードパワーで圧倒するというもの。目指すべきゴールは10マナ、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》!

 唱えただけでパーマネントを2つ追放するその能力で相手の攻め手を叩き潰し、戦場に出れば10/10破壊不能が壁として立ちはだかる、殴りだせば対戦相手のライブラリーを20枚も追放するので、ブロックされようがなんだろうが2回も殴れば相手の勝ち手段が消し飛ぶだろう。

 もう1つ、無色のクリーチャーとして採用されているヘビー級は《白金の天使》。

 敗北しなくなるこのクリーチャー、最近流行りの「青白オーラ」のような相手のパーマネントを除去する能力が低いアグロデッキなどには劇的に突き刺さる。天使を除去できずに勝てないままゲームを続けている相手を尻目に、ウラモグを着地させて逆転勝利だ。

 最後のデカブツは《収穫の魂》、これ自身のサイズで押すというよりはマナクリーチャーにドローを付けて、天使やウラモグを目指して掘り進むアドバンテージエンジンとしての役目を買っている。

 このデッキはマナクリーチャーのチョイスも面白い。《ラノワールのエルフ》と《ラノワールの幻想家》、複数マナを生み出す《培養ドルイド》とともに用いるのは、壁!

 防衛持ちの数だけマナを出す《草茂る胸壁》から複数マナ生み出して一気に加速するのが狙いだ。

 1マナの防衛持ちにしてこれもまたマナクリーチャーである《サルーリの世話人》、マナクリーチャーではないが高タフネスで盤面を支えつつドローで掘り進める《花の壁》と、これらの軽量防衛持ちを並べてマナ加速するのだ。一見弱そうなカードが束になり、大自然のマナを生み出す様は、プレイしていてとても楽しいものだ。

 『アモンケットリマスター』からこのアーキタイプに加わりそうなカードで言うと……《女王スズメバチ》は盤面をガチッと食い止める、強烈なブロッカーとして働いてくれそうだ。

 《サンドワームの収斂》も飛行クリーチャーの攻撃を無効化しつつ、毎ターンワームを生成してプレッシャーをかける。《約束の刻》はマナクリーチャーではなく土地を並べるタイプのランプデッキを大きく強化することになるだろう。

 山の荒々しさ、森の豊かな恵み。それらを体現したデッキをそれぞれ紹介させてもらった。どちらも異なる魅力を持っており、多くの人に試してほしいと思えるデッキだ。『アモンケットリマスター』で選択肢も増えるこれらのデッキ、暑い夏に灼熱の砂漠からもたらされる新カードというのもなかなかにオツなもの。空調の効いた部屋で、ヒストリックを遊ぶべし!

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