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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今こそ白単アグロ!(スタンダード)
スタンダードに大激変、8月3日に《荒野の再生》《成長のらせん》《時を解す者、テフェリー》《大釜の使い魔》の4枚が禁止カードとして指定された。
これにより環境に君臨していたデッキが一斉に退場。これまでそういったデッキに勝ち目の薄かったデッキ、出番を食われていたカードたちにチャンスが巡ってきた。当コラムで取り上げるものが増えるのは喜ばしいことである。
まさしく戦国時代へと突入したスタンダード、一体どんなデッキを使うべきかわからないって場合は……「とりあえずアグロ」ってのは悪い考えじゃないぞ。
アグロデッキはクリーチャーを主体とした攻めのデッキで、自分のやりたいことを押し付けるデッキに分類される。これに対してコントロールなどは押し付けられたものをどうさばくかというデッキである。押し付け側が一体どんな仕掛けをしてくるのか、その実態が把握しきれていない状況下ではどんなカードで受けるのが正しいのか、その答えは出しにくい。そのため、押し付けるデッキでありプレイングも比較的難易度の低いアグロデッキを使うのが、新しい環境が始まったタイミングではオススメだ。
そのアグロの中でも、今日は白単色のデッキをピックアップして紹介しよう!
17 《平地》 4 《アーデンベイル城》 -土地(21)- 4 《駐屯地の猫》 4 《巨人落とし》 4 《追われる証人》 4 《無私の救助犬》 4 《歴戦の神聖刃》 4 《敬慕されるロクソドン》 4 《石とぐろの海蛇》 -クリーチャー(28)- |
4 《急報》 3 《不敗の陣形》 4 《栄光の頌歌》 -呪文(11)- |
4 《報奨密偵》 2 《一心同体》 3 《敬虔な命令》 3 《ガラスの棺》 1 《不敗の陣形》 2 《黒き剣のギデオン》 -サイドボード(15)- |
白単といえば昔からアグレッシブに攻める色。1~2マナのクリーチャーをずらりと並べて強化する戦略はウィニーと呼ばれ、マジック黎明期から親しまれている。
ここしばらくは元気のなかったアーキタイプではあるが、『基本セット2021』リリース後はその姿を見かけるようになり、トーナメントでも使用する者が増えてきた。
理由としては、《無私の救助犬》と《歴戦の神聖刃》の加入が挙げられる。
救助犬は他のクリーチャーに、神聖刃は自分に破壊不能を与える能力を持つ。これにより《空の粉砕》《嵐の怒り》などの横薙ぎするものを中心に、除去呪文に対して高い耐性を得ることとなった。
これらのカードは同時に軽量クリ―チャーであるので、ライフを詰める殴り役も兼ねている。ただ破壊不能を与えるだけなどの守り専用のカードというものはどうしても重ね引いてしまった時など無駄になりがちで、「これがクリーチャーならダメージ足りてて勝てたのに!」というようなゲーム展開を避けるためにも、あまりデッキには入れたくないもの。しかしそれが足の生えたクリーチャーであれば話は別ってわけだ。除去を恐れずにガンガン展開していけるアグロというのはひとつの理想形だ。《駐屯地の猫》《追われる証人》とそもそも死亡しても頭数が減らないクリーチャーらと組み合わさることで、除去耐性はさらに高いものへとなる。
とはいっても、神聖刃以外の除去に強いクリーチャーらは皆パワー1、これで殴り勝とうというのはいくらなんでも悠長だ。そこで白が誇る強化手段を総動員。召集コストに充てたクリーチャーを強化する《敬慕されるロクソドン》、破壊不能や警戒も与えて強引な押し込みを後押しする《不敗の陣形》とお馴染みのカードに加えて、新たに加わった全体強化が《栄光の頌歌》だ。
何とも懐かしい、久しぶりの基本セット入りである。自軍全てに+1/+1修整、他に何の能力も与えたりしないシンプル極まるエンチャントだが、堅実な働きが約束されている伝統の逸品だ。1ターン目に1マナクリーチャーを1体、2ターン目に2体、3ターン目に《栄光の頌歌》! これだけで悶絶することもあるだろうね。
20 《平地》 3 《アーデンベイル城》 -土地(23)- 4 《癒し手の鷹》 4 《天界の語り部》 3 《命の恵みのアルセイド》 4 《アジャニの群れ仲間》 4 《情熱的な扇動者》 3 《太陽に祝福されしダクソス》 3 《太陽冠のヘリオッド》 3 《不動の女王、リンデン》 -クリーチャー(28)- |
1 《希望の夜明け》 2 《不敗の陣形》 3 《議事会の裁き》 3 《群れの力、アジャニ》 -呪文(9)- |
3 《無私の救助犬》 3 《夢の巣のルールス》 3 《ガラスの棺》 3 《ルーンの光輪》 2 《敬虔な命令》 1 《太陽の宿敵、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
白単のアグロといえばもう1つ、ライフゲインデッキも紹介しておこう。
《天界の語り部》《癒し手の鷹》《命の恵みのアルセイド》など1マナの絆魂持ち、
クリーチャーが戦場に出ると回復が誘発する《情熱的な扇動者》《太陽に祝福されしダクソス》、
攻撃したクリーチャー1体につき1点回復の《不動の女王、リンデン》。
これらの回復班により毎ターンライフを得まくる。
そうすることで《アジャニの群れ仲間》《太陽冠のヘリオッド》の能力を複数回誘発させ、一気にサイズの上がったクリーチャーで踏みつぶすのを狙うデッキだ。
クリーチャーを展開し攻撃しているだけで回復する、そのデッキ特性から他のアグロデッキとの殴り合いにおいて有利なのがセールスポイントだ。《群れの力、アジャニ》のような普通のデッキに入れても活躍させにくいカードを使えるのが魅力でもある。
このデッキが得た新戦力は《天界の語り部》。
1マナ絆魂軍団の新入りであり、ライフを回復して(通常のスタンダードなら)27点を越えればタップすることで4/4の天使を降臨させるようになる。このカードはたった1マナにして強烈なプレッシャーを放ち、相手からすると変に生き延びるとイヤだなと優先的に除去されがちだ。ある意味それも狙いで、語り部を的にして除去をおびき出しつつ、本命である《アジャニの群れ仲間》を生かすなどの運用をすることで勝利に向けて貢献させよう。もちろん、なんか生き残ってしまったらこの世の終わりをもたらすパワーがあるぞ。
白単のアグロデッキを2種類紹介させてもらった。他にもデッキ候補はあるが、あえての白単。最近おとなしくしてるよな~と呑気に思っている相手をノックアウトするには良い頃合いだ。単色なのでデッキ自体も組みやすく、これからスタンダードのデッキを作ってみようというプレイヤーにも無理なく勧められる。
そういう理由から、数が増えそうな白単。ただの全体除去では全滅しないしぶとさには要注意、《絶滅の契機》のような追放する除去が重用されるようになるかもしれないね。
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