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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

アゾリウス・コントロールとマルドゥ・ウィノータ(スタンダード)

岩SHOW

 8月1日、プレイヤーズツアーファイナルが無事終了した。日本のプレイヤーとしては熊谷陸選手が最終戦まで勝ち上がり、惜しくも敗れて準優勝となった。そのため、深夜から早朝にかけて観戦していて寝られなかったというプレイヤーもいたことだろう。

 この熊谷選手の「黒単アグロ」に勝って、見事初代ツアーファイナル王者となったデッキは、「4色再生」だった。

(以下、デッキリストは「2020プレイヤーズツアーファイナル トップ8プレイヤーデッキリスト(スタンダード)」より)

Kristof Prinz - 「4色再生」
2020プレイヤーズツアーファイナル 優勝 / スタンダード (2020年7月25~26日、8月1日)[MO] [ARENA]
1 《
2 《
1 《
1 《平地
2 《繁殖池
2 《踏み鳴らされる地
4 《寺院の庭
2 《神聖なる泉
4 《ケトリアのトライオーム
4 《ラウグリンのトライオーム
2 《ヴァントレス城
4 《寓話の小道
-土地(29)-

3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
2 《厚かましい借り手
1 《帰還した王、ケンリス
-クリーチャー(6)-
4 《成長のらせん
1 《霊気の疾風
1 《ドビンの拒否権
1 《否認
1 《焦熱の竜火
3 《神秘の論争
4 《荒野の再生
4 《サメ台風
3 《発展+発破
3 《時を解す者、テフェリー
-呪文(25)-
2 《幽体の船乗り
1 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
2 《帰還した王、ケンリス
2 《ドビンの拒否権
2 《ガラスの棺
2 《裁きの一撃
1 《霊気の疾風
1 《轟音のクラリオン
2 《陽光の輝き
-サイドボード(15)-

 スタンダードにおける《荒野の再生》デッキの強さ、最強っぷりはこのフォーマットをプレイしている者にとって周知の事実だった。

 ファイナルに続く計4回のプレイヤーズツアーオンラインでも、多数の打ち消しとドロー、マナ加速に恵まれたコンボデッキは勝ちまくり。ファイナルにおいても戦前の予想を外れることなく最多勢力、トップ8にもティムール型を2名、そして白を足した4色型を2名送り出す、名実ともに最強デッキとしての地位を確立したのだった。

熊谷 陸 - 「黒単アグロ」
2020プレイヤーズツアーファイナル 準優勝 / スタンダード (2020年7月25~26日、8月1日)[MO] [ARENA]
19 《
4 《ロークスワイン城
2 《総動員地区
-土地(25)-

4 《どぶ骨
4 《漆黒軍の騎士
4 《帆凧の掠め盗り
2 《黒槍の模範
2 《死より選ばれしティマレット
4 《狩り立てられた悪夢
1 《残忍な騎士
4 《騒乱の落とし子
3 《悪ふざけの名人、ランクル
-クリーチャー(28)-
3 《強迫
4 《無情な行動
-呪文(7)-
1 《残忍な騎士
1 《悪意に満ちた者、ケアヴェク
3 《苦悶の悔恨
3 《闇の掌握
3 《害悪な掌握
4 《肉儀場の叫び
-サイドボード(15)-

 これらのデッキと戦うため、熊谷選手の黒単にはメインから《強迫》が採用される形に。これで重要なカードを捨てさせて足止めしつつ、《狩り立てられた悪夢》ら優秀なクリーチャーで殴って勝負を決めるのだ。

 これらのデッキと決勝を争ったデッキには、上記のようにスタンダードで使用者の多いものもあれば、戦前ではここまでの成績を残すことが予測しにくいようなデッキもあった。今日はそんなダークホース的に勝ち上がったデッキ2つを紹介するとしよう。

Raphael Levy - 「アゾリウス・コントロール」
2020プレイヤーズツアーファイナル 8位 / スタンダード (2020年7月25~26日、8月1日)[MO] [ARENA]
9 《
7 《平地
4 《神聖なる泉
4 《啓蒙の神殿
2 《ラウグリンのトライオーム
2 《ヴァントレス城
1 《アーデンベイル城
2 《廃墟の地
4 《寓話の小道
-土地(35)-

2 《太陽の恵みの執政官
2 《空を放浪するもの、ヨーリオン
-クリーチャー(4)-
4 《海の神のお告げ
3 《ガラスの棺
3 《メレティス誕生
4 《ドビンの拒否権
2 《霊気の疾風
2 《神秘の論争
2 《太陽の神のお告げ
2 《意味の渇望
3 《空の粉砕
4 《エルズペス、死に打ち勝つ
4 《サメ台風
4 《覆いを割く者、ナーセット
4 《時を解す者、テフェリー
-呪文(41)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
-相棒(1)-

1 《巨人落とし
1 《幽体の船乗り
1 《厚かましい借り手
1 《太陽の恵みの執政官
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
2 《空の縛め
2 《霊気の疾風
1 《軽蔑的な一撃
1 《ガラスの棺
1 《ナーセットの逆転
1 《空の粉砕
1 《終局の始まり
1 《ヘリオッドの介入
-サイドボード(14)-

 「フランスの英雄」ことラファエル・レヴィ/Raphaël Lévyの「アゾリウス・コントロール」!まさかの青白2色の、純然たるコントロールがトップ8進出だ。しかも《空を放浪するもの、ヨーリオン》型ときたもんだから、さすがは殿堂顕彰者というほかない。

 青の打ち消しとドロー、白のパーマネント除去、そして《時を解す者、テフェリー》でゲームを掌握することを狙う、長期戦デッキである。除去やドローは戦場に出た時に能力を誘発させる《エルズペス、死に打ち勝つ》のようなエンチャントやアーティファクト、あるいは《覆いを割く者、ナーセット》などパーマネント主体で構成されている。

 そのため、これらをヨーリオンでまとめて追放してから戦場に戻すことで一気にゴリッとアドバンテージを得ることが可能だ。これにより相手の盤面&手札とこちらのそれとで大きな差が開くと、巻き返すのは実質不可能になり決着と。

 そのために相棒としてだけでなく、メインデッキにもヨーリオンを投入しているのが特徴的だ。自分から攻めるというよりは相手の攻めの芽を潰えさせる形で勝つことを狙う。大局観を養うにはもってこいなデッキなのである。

 多くのカードがエンチャントなのを活かすために《太陽の恵みの執政官》も採用されている。

 これでペガサス・トークンを増産し、絆魂で回復してライフを繋ぐ。この動きはアグロデッキからしてはたまったものではなく、《空の粉砕》による盤面リセットからこれに繋げられると投了ものである。また、トークンを生成するのはアグロだけでなく、こちらから攻める必要のある相手にも効果的に働く。《ドビンの拒否権》などでしっかり守りながら運用し、太陽の恵みにあずかろう。

Michael Jacob - 「マルドゥ・ウィノータ」
2020プレイヤーズツアーファイナル 3位 / スタンダード (2020年7月25~26日、8月1日)[MO] [ARENA]
1 《
2 《平地
1 《
4 《聖なる鋳造所
1 《凱旋の神殿
4 《血の墓所
4 《神無き祭殿
1 《静寂の神殿
4 《サヴァイのトライオーム
1 《エンバレス城
2 《寓話の小道
-土地(25)-

4 《無私の救助犬
1 《漆黒軍の騎士
3 《帆凧の掠め盗り
3 《ラゾテプの肉裂き
1 《将軍の執行官
3 《災いの歌姫、ジュディス
3 《悲哀の徘徊者
1 《軍勢の切先、タージク
4 《バスリの副官
4 《軍団のまとめ役、ウィノータ
4 《敬慕されるロクソドン
-クリーチャー(31)-
4 《急報
-呪文(4)-
1 《湧き出る源、ジェガンサ
-相棒(1)-

1 《巨人落とし
2 《荒廃甲虫
1 《帆凧の掠め盗り
1 《将軍の執行官
2 《軍勢の戦親分
1 《ドラニスのクードロ将軍
1 《帰還した王、ケンリス
2 《敬虔な命令
1 《灯の燼滅
1 《取り除き
1 《害悪な掌握
-サイドボード(14)-

 こちらも同じく相棒を用いたデッキではあるが、ジェガンサは主役ではなく手札が切れた際に補充できる5/5という保険である。このデッキの主役は久しぶりにイキイキしているところを見る《軍団のまとめ役、ウィノータ》!

 《ラゾテプの肉裂き》《急報》など低コストで頭数を稼げる非人間のクリーチャーを展開した後にウィノータを出し、それらを突撃させてその能力で人間をライブラリーから直接戦場へ送り出し、圧殺することを狙ったコンボ要素を持ったビートダウン・デッキである。

 ライブラリーから破壊不能を持ち攻撃している状態で飛び出す人間の候補は……ウィノータ自身および《災いの歌姫、ジュディス》《軍勢の切先、タージク》など伝説の人間、それらに破壊不能を与える《将軍の執行官》。

 そして決め手となり得るのが《バスリの副官》だ。

 本人のサイズはさほど大きくはないものの、+1/+1カウンターを置く能力で打点アップに貢献。さらにそのカウンターが置かれたクリーチャーが死亡しても騎士・トークンを残すという粘り強さをデッキに付与してくれる、一見地味ながらに働く偉いヤツなのだ。

 そのトークンも純粋な騎士のみのタイプを持つので、ウィノータの能力を誘発させる役目を担える。《空の粉砕》《嵐の怒り》などで盤面を吹き飛ばされても、すぐさま元通りになるってわけだ。

 《無私の救助犬》も1マナと軽い非人間でありながら、任意のクリーチャーに破壊不能を与えてくれる素敵なわんこ。

 これでウィノータを生存させれば、全体除去を撃ったのに盤面が全くクリアにならないという地獄のような状況に引きずり込むことができてしまうのだ。

 ウィノータを引かなかったりした時のために《敬慕されるロクソドン》も勝ち手段として採用されている。

 軽いクリーチャーをこれで強化し、総攻撃で一気にライフを削り切ろう。ロクソドンの能力もまた+1/+1カウンターをクリーチャーに置くもの、ということは《バスリの副官》との相性…◎! しっかりと爆発力を持ちながらもとにかくしつこく、粘り強いビートダウンとして「マルドゥ・ウィノータ」は仕上がったのだ。


 

 このトーナメントの直後、スタンダード環境が激変したのは皆さんご存知の通り。

 今回のリストで言えば《時を解す者、テフェリー》が使えなくなった青白は、そのスロットを何か他のもので埋める必要がある。差し当たって《吸収》のような打ち消しになるだろうか。

 一方のウィノータは何も影響を受けずに変わらず使えるので、まだまだ活躍が期待できる。もちろんライバルとするデッキも変わってくるので、そのあたりを意識してカードチョイスをいじれば、より勝てるデッキを組めるはずだ。

 新しいデッキに迷ったら、これらのリストを参考にしてみると吉かもしれないね!

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