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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ひんや~り冷たい、赤単コントロールはいかが?(モダン)

岩SHOW

 なんか一気に蒸し暑くなったね、雨が続いたと思ったらもう梅雨が明けたのか、そんな6月初頭。湿気は強く、部屋でPCに向かっているだけでもじわりと汗がにじんでくる。夏の始まりなんだな。

 ざるそば、冷麺やアイスクリームなど、そういう爽やかなものを身体が欲するようになる。衣服や靴、寝具に関してもそうだろう。インテリアも涼しげなものが良いね。

 ここまでくれば、とことん爽やかで涼しいひんやりしたデッキをマジックに求めたい! 無茶な話のようだが、あるよ!見た目にもスッキリとした、涼を感じられるデッキが!

LonMaster - 「赤単コントロール」
Magic Online Modern League 5勝0敗 / モダン (2020年5月28日)[MO] [ARENA]
16 《冠雪の山
2 《霜歩き砦
2 《占術の岩床
1 《爆発域

-土地(21)-

3 《猿人の指導霊
3 《歴戦の紅蓮術士
1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー

-クリーチャー(7)-
4 《アーカムの天測儀
4 《大祖始の遺産
4 《稲妻
4 《雪崩し
4 《精神石
1 《削剥
3 《神々の憤怒
2 《炎の侍祭、チャンドラ
3 《槌のコス
2 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《ウルザの後継、カーン

-呪文(32)-
3 《ドラゴンの爪
1 《魔術遠眼鏡
3 《血染めの月
3 《略奪
2 《沸騰
2 《塵への崩壊
1 《目覚めた猛火、チャンドラ

-サイドボード(15)-

 

 って赤単かい!炎のマナシンボルが並んで熱いし暑い!……と思うのは早計だ。

 マジックの赤は、確かに炎が最もその本質を示すものであるが、他にも司っているものがある。赤マナの発生源である《》、その山は大きければ大きいほど山頂付近の温度は下がり、その結果溶けない雪を蓄える。そんなわけで、山岳における雪や氷も赤の担当の一部なのだ。

 その赤く冷たいカードの代表とも言えるのが《雪崩し》。

 氷雪パーマネントの数だけダメージを与える除去呪文で、なんといってもたった1マナと軽くていつでも唱えられるインスタントなのが強い。モダンやパウパーなどのフォーマットでは昔から赤単デッキなどで人気の1枚である。

 これはプレイヤーにはダメージを与えられないため、使うのであればアグロよりも中速以降の、相手の動きを妨害しつつ自分の有利なゲーム展開に持って行くデッキで好んで使われている。このリストも赤単のコントロールデッキだ。

 氷雪パーマネントのために大量に採用された《冠雪の山》。

 絵柄はいくつかあるが、いずれも白い雪により化粧された雄大な山々のイラストと、山カード特有の赤いフレームが調和して美しい。ほら、少し涼しくなってきたんじゃないかな。

 序盤は自分からは能動的に動くことは少ない。《アーカムの天測儀》でドローを進めたり、《精神石》で使えるマナを増やすなどのアクションで相手の攻め手に対抗する準備をしていくくらいだ。

 天測儀は赤単のこのデッキではあまり役目はなさそうに見えるが、これ自身も氷雪パーマネントなので《雪崩し》のダメージを上昇させてくれるし、無色の氷雪土地も入っているために無駄になることはなく、むしろ重要な存在だ。

 相手がクリーチャーを展開してきたら《雪崩し》や《神々の憤怒》で除去してこちらのライフを護りつつ、相手の戦場が空になればプレインズウォーカーを展開。そこを起点に切り返していって、気が付けばこちらが圧倒的優位な状況に……というのが理想のゲーム展開。

 逆転のタイミングでは手札を失ってでも動くことが重要になってくるので、《猿人の指導霊》での加速を用いる。

 そんなわけでプレインズウォーカーの選定は割と重要になってくる。《炎の侍祭、チャンドラ》はデッキ内の唯一の3マナプレインズウォーカーだが、軽いからといって見劣りするわけではない。

 他の赤いプレインズウォーカーのための忠誠度増殖役になってくれるし、対プレインズウォーカーではトークンを射出する能力も良いプレッシャーになる。だが最も気持ち良い動きは[-2]能力で《雪崩し》などを使いまわすものだろう。《歴戦の紅蓮術士》で捨てたカードを使うなどすれば隙がない。

 あとは赤いデッキの定番とも言える《反逆の先導者、チャンドラ》。アドバンテージも除去もフィニッシュも何でもできる中速デッキの顔だ。

 《ウルザの後継、カーン》も、手札を増やしつつアーティファクトが多めのこのデッキでは構築物・トークンでフィニッシュまで繋げてくれる。

 しかし、これらより優先して採用しているのは《槌のコス》。

 土地を4/4にしてプレッシャーをかけつつ、[-5]能力で涼しげな山がバルカン砲を連発する決戦兵器に早変わり。いざという時はマナ加速にもなる、赤単中速デッキで使えと言わんばかりのナイスカードだ。コスもそろそろ新カードで再登場してほしいところだな。

 サイドボードには《目覚めた猛火、チャンドラ》、そしてクリーチャー枠には《ピア・ナラーとキラン・ナラー》と、さりげなくナラー一家集合デッキでもある。親子水入らずを邪魔する不届き者には雪崩でお仕置きだ。

 《雪崩し》デッキは他にも《罠の橋》まで採用してもっとディフェンスに寄せた形もあったり、細かいところでバリエーションが豊富だ。このリストだと《霜歩き砦》を採用しているのが味わい深いね。

 氷雪パーマネントで固めた涼しげな赤単。矛盾したような存在でモダンを楽しんでみてはどうだろう。

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