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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴブリン×モスラ×ヨーリオン ヒストリックSOS(ヒストリック)

岩SHOW

 前回のおさらい。クリーチャーで固めたデッキにとって《古代の聖塔》はほぼノーリスクの5色土地!これを使えば夢が拡がる!……という話をした。

(『ヒストリック・アンソロジー3』に収録)
 

 今回はこの《古代の聖塔》を使ったマイデッキを紹介させていただこう。もともとはこのカードの存在を忘れて調整していたデッキなのだが、そういえば聖塔があるじゃないかと投入したところ安定感が大きく増した。自分の手に非常に馴染むものになり、MTGアリーナのランクにてミシックに到達することもできた。ダイアモンドのランク3からほぼ負けなしでとんとん拍子に昇格できたので、デッキパワーはある!……はず。

 あんまり引っ張ってもしょうがないので、リストを見てもらいながら解説していこう。

岩SHOW - 「ゴブリン・ヨーリオン」
ヒストリック (2020年5月)[MO] [ARENA]
21 《
3 《エンバレス城
4 《断崖の避難所
4 《聖なる鋳造所
4 《古代の聖塔
-土地(36)-

4 《狂信的扇動者
4 《スカークの探鉱者
4 《ずる賢いゴブリン
3 《ゴブリンのクレーター掘り
4 《宝石の手の焼却者
4 《ゴブリンの鎖回し
4 《ゴブリンの女看守
4 《ゴブリンの戦長
2 《ゴブリンの廃墟飛ばし
4 《ゴブリンの首謀者
4 《光明の繁殖蛾
1 《斉射の古参兵
2 《包囲攻撃の司令官
-クリーチャー(44)-

-呪文(0)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
-相棒(1)-

2 《ゴブリンの廃墟飛ばし
2 《軍勢の切先、タージク
2 《ゴブリンの損壊名手
2 《斉射の古参兵
3 《魂標ランタン
3 《丸焼き
-サイドボード(14)-

 80枚、《空を放浪するもの、ヨーリオン》デッキでありながら赤単?

 以前に同様の赤単ヨーリオンデッキを紹介したが、そのデッキとは設計思想が全く異なる。ご覧いただければわかる通り、クリーチャーはほぼゴブリンに統一されている、ゴブリン・デッキだ。

 ゴブリン×ヨーリオンなデッキであるわけだが、そもそもこのデッキは普通の60枚デッキからスタートしている。ゴブリン・デッキを調整していく過程でこの形に至ったのだが、ここで話は『イコリア:巨獣の棲処』リリース前に巻き戻る。

 この新セットのカードを使ったデッキを考えた時にとりあげたデッキがベースになっている。そのデッキの主役は《光明の繁殖蛾》。

 これと《厳粛》が揃えば、《狂信的扇動者》で無限ダメージ、《スカークの探鉱者》で無限マナというコンボだ

 それはパイオニアのデッキであったが、ヒストリックではこのコンボパーツのうち《厳粛》以外は使えるし、そのデッキに採用されていたゴブリンもほとんど問題なく使用できる。そこで《光明の繁殖蛾》がいる状況で《スカークの探鉱者》で自身のゴブリンを生け贄に捧げ、飛行を得て戻ってきたゴブリン軍団に《ゴブリンの戦長》で速攻を与えて殴り勝つというデッキである。

 ヒストリックであれば《ゴブリンの女看守》も使えるので(『ヒストリック・アンソロジー1』に収録)、これと《ゴブリンの首謀者》で手札を補充し、繁殖蛾でおかわりして、あふれるほどの手札を得てしまおう!と。そこから構築がスタートした。

 60枚のモスラ(繁殖蛾)×ゴブリンデッキとしてプレイしてみたところ、かなり感触が良かった。炭鉱者とのコンボはもちろん、純粋にモスラが出てくると全体除去の対策になったり相手が攻撃しにくくなるのが素晴らしい。

 ただもうひとつ、何かが足りないと感じつつデッキ調整過程を配信している際に「白出るんだったらヨーリオンも入れたら」とのコメントが。最初は80枚になるようにゴブリンを詰め込めるのかと思ったのだが、やってみたところここはすんなり埋まる。

 問題は土地で、アンタップ状態で戦場に出せる赤白2色土地は2種類8枚しかない。これでは80枚デッキでは引きにくく、かといって《平地》を採用すると《ゴブリンの鎖回し》との相性の悪さで確実に事故るシーンが出てくる。

 どうしたもんかというところで《古代の聖塔》! マスターピースの発掘だ。これにより、モスラ×炭鉱者コンボおよびヨーリオンの能力でゴブリンの戦場に出た際の能力を使いまわし、息切れすることなく安定した攻めができる中速デッキに仕上がった。僕の好きな芳香を放つ、戦場を作ってあれやこれやと遊べるデッキである。

 女看守と首謀者は手札にゴブリンをもたらすので言うまでもなく強力だが、他の面々もかなり良い仕事をする。《ゴブリンの鎖回し》を出して生け贄に捧げて、モスラで戻して相手本体と戦場に2点ダメージをばらまくのは対クリーチャーデッキの必殺ムーブ。

 また、モスラおよびヨーリオンを戦場に出しやすくするために採用している《ずる賢いゴブリン》もかなり良い動きをしてくれる。

 マナを食うゴブリン・デッキの展開を助け、モスラと炭鉱者が揃った際にはこれを生け贄に捧げるとマナが出て、宝物も持ってきてとマナがゴリッと増える。こういう細かいところにこだわるのが個人的なゴブリンデッキの嗜みだ。

 《包囲攻撃の司令官》を使いまわせたら、それはもうゲーム終了です。このカードはモスラとの相性も良く、大量に得たマナの注ぎ先としても非常に優秀だ。

 このデッキを使って、BO3とBO1の両方のランク戦をプレイした。最終的には1:3くらいの割合でBO1でプレイしたので、サイドボードはまだまだいじり甲斐があるし、今後のヒストリックの流行り廃りに合わせていく必要はあるだろう。

 クリーチャーてんこ盛りなので、序盤からガツガツ殴って短期決着というデッキに見えるかもしれないが、ここまで説明したようにモスラやヨーリオンでゴブリンをサポートして大きなアドバンテージを得て競り勝つゲーム展開が多い。どちらかというと相手の猛攻を耐えて逆転するデッキだ。序盤は相討ちにしたりゴブリンの能力を駆使して相手のクリーチャーを除去することが重要。

 その際に役に立つのが《宝石の手の焼却者》だ。

(『ヒストリック・アンソロジー3』に収録)
 

 コイツが戦場に出ることはまずなく、サイクリングすることで誘発する能力のために採用されている。戦場にいるゴブリンの数だけダメージを与えるので、大型クリーチャーを2マナで仕留めることも難しくなく、また呪文を唱えるわけではないので打ち消しを使う青単などのデッキ相手にも気兼ねなく使える点が最高だ。あと忘れちゃいけないのは、「戦場の」ゴブリンの数をカウントする点。相手がコントロールしているゴブリンもしっかりと打点に計上されるので、赤単などを相手にした際にはそこを間違えないように(実際何度プレイしていてもうっかり間違えがち)。昔の部族カードはコントローラーに関わらず特定部族を強化したりカウントするものが多かった。最近では「敵軍の同族は無視するように」と雇用主第一のマネジメントがなされるようになったのかもしれない。

 とにかくプレイしていて楽しく、ゴブリンと巨大な蛾や空舞う海蛇という絵面もグレート。もし興味を持ってコピーしてくれるというプレイヤーがいてくれたら幸いだ。

 今後もヒストリックではゴブリン・デッキを研究していきたいと思っている。《宝石の手の汚染者》が加わったゾンビも同じく研究対象だな。新しいカードと少し懐かしいカードが交錯するヒストリック、競技イベントの開催も決定したし遊んでいくしかないでしょう!

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