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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ナヤ・ウィノータ(ヒストリック)

岩SHOW

 マジック現役プレイヤーと、今は離れている元プレイヤーとの会話というのは、現役同士のそれとはまた違った面白さもあり、発見にも満ちていて楽しいものだ。

 地元の友人らと食事やドライブなどに赴く際に、時折マジックの思い出話に火が付き、そこから今は一体どんなカードが活躍しているのかという話になる。「《暗黒の儀式》は今も使えるのか」「《パリンクロン》は人気があるのか」などなど、時代を感じるトークに花が咲く。

 そこまで古い話じゃなくとも、ここ1~2年くらい学業や仕事で離れているプレイヤーにとっては、現役だったころに考えられないような出来事が起こっているので、話す方もついつい楽しくなってしまうものだ。少し前までは使い方がよくわからなかったあのカードが、今は暴れ回ってるぞと伝えた時のリアクションについつい期待してしまう。今なら……

「『イクサラン』のレアのデカい海賊覚えてる?」

「ん~、あぁ、あの4/4でコストむっちゃ重いやつか」

「そうそう! あいつが今ブレイク中なのよ」

 みたいな会話がどこかで繰り広げられているのやもしれないね。どいつのことかって? じゃあデッキを紹介しようじゃないか。

nao - 「ナヤ・ウィノータ」
はまチャレ#4 優勝 / ヒストリック(BO1) (2020年5月24日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
4 《踏み鳴らされる地
3 《根縛りの岩山
4 《聖なる鋳造所
4 《断崖の避難所
4 《寺院の庭
4 《古代の聖塔
-土地(25)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《アダントの先兵
3 《獣相のシャーマン
4 《砕骨の巨人
4 《軍勢の戦親分
2 《灰のフェニックス
4 《無傷のハクトス
4 《軍団のまとめ役、ウィノータ
4 《アングラスの匪賊
2 《裏切りの工作員
-クリーチャー(35)-

-呪文(0)-
1 《集めるもの、ウモーリ
-相棒(1)-
 

 『イクサラン』のデカい海賊、すなわち《アングラスの匪賊》。

 自分のコントロールする発生源が与えるダメージがなんでも倍になる、条件のない《獲物貫き、オボシュ》のようなクリーチャーだ。

 能力はむちゃくちゃ強力だが、その分コストは重く7マナ。このカードが世に出た当時、赤いデッキは最盛期といっても良いタイミング。《ボーマットの急使》のような軽いクリーチャー、《熱烈の神ハゾレト》などのハードパンチャーとクリーチャーは勢ぞろいの中で、コストが重すぎるこの海賊が構築シーンで活躍することはなかった。

 しかしまあ、待ってみるもんだなぁ。当時存在しなかったフォーマットと、あるカードの登場で化けたのである。フォーマットはヒストリック、カードは《軍団のまとめ役、ウィノータ》!

 人間以外のクリーチャーで攻撃すると、ライブラリーの一番上から6枚の中にある人間を1枚選んで攻撃&破壊不能状態で戦場に出す派手な展開力を持つ、スタンダードでも人気の1枚だ。

 《アングラスの匪賊》は海賊であると同時にイラストの通りに人間でもあるので、ウィノータから叩きつけることが可能だ。クリーチャーで攻撃するという能力の誘発条件と、ダメージを倍にする匪賊の能力……バッチリ噛み合っているッ。さらに……匪賊は複数体並ぶとその分ダメージが倍加されるッッ。

 ということで、ある程度のパワーを持ったクリーチャー複数体で攻撃し、ウィノータの能力から超ダメージを弾き出すこのデッキが作られるようになったというわけだ。

 ヒストリックのようにカードプールが拡がると、《アングラスの匪賊》のような必殺技もさることながら、足元を固めるカードにも幅が出る。まずはやはり、殴れる1マナのマナクリーチャー《ラノワールのエルフ》は欠かせない。

 ウィノータの降臨を1ターン早めつつ、その後は攻撃して匪賊を呼び込みつつ打点にもなる。色マナという点から見れば《金のガチョウ》の方が優秀だが、パワーがあるとないとではこのデッキでは無視できない差となる。

 もはや懐かしのカードとなった《アダントの先兵》を見て、強かったよなぁと唸っているプレイヤーも少なくないだろう。

 このデッキでも序盤に出てきてウィノータの誘発を助ける役目になるのだが、攻撃時にパワーが3=匪賊で6点ダメージ、破壊不能を得ることで確実にウィノータ誘発役としてカウントできるという点が魅力的だ。後はウィノータが引けないという時も適当にコイツを連打して殴っているだけで勝てたりもする。

 『ヒストリック・アンソロジー1』に収録の《獣相のシャーマン》もかなりやりよる1枚。

 キーカードのウィノータがいつでも手札に来るとは限らないので、これでサーチしよう。状況に合わせて不要なクリーチャーをもっと有用なカードに変換できる能力は長期戦になっても有効だ。《集めるもの、ウモーリ》が出ている状況であれば《アングラスの匪賊》や《裏切りの工作員》を持ってきて唱えるという動きもこなせる。これがまた強いのだ。

 このデッキの縁の下の力持ち枠は《古代の聖塔》(『ヒストリック・アンソロジー3』に収録)。

 クリーチャーしか唱えられない代わりに、どの色のマナでも出せるという、クリーチャーデッキの強力な味方だ。そもそもクリーチャーしか使わないのだからデメリットなどなく、《無傷のハクトス》のような無茶なコストを設定されたカードもなんとか運用できる。この土地は本当にこう、ちょうどいいデザインでデッキ構築欲が加速するというものだ。

 そこで僕もこれを使ったデッキを作ってプレイしてみたのだが……これが強くて楽しい、ナイスカスタマイズとなったので、次回紹介させていただこう!

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