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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ヨーリオンinレガシー! 80枚軍団の進撃(レガシー)

岩SHOW

 前回はマジックに突如舞い降りた新しいデッキの形《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒にした80枚デッキを紹介した

 構築フォーマットのデッキは60枚ちょうどに収めて、任意のカードを引ける確率を少しでも上げるというのがこれまでの常識であったが、「絶対に唱えられるヨーリオンが約束されているなら80枚というハンデも容認される」と新しい常識を打ち出さんばかりにヨーリオン・デッキが活躍、その数を増やしているのがスタンダードの現状だ。

 で、この常識は他のフォーマットにも伝播するのか? というわけで今日はレガシーのデッキを紹介だ。結論から言うと、定着するかはわからないが……80枚デッキ、面白そう!ってことで、デッキを作ってたらいつの間にか60枚を大きくオーバーしがちなプレイヤーには目を通してもらいたいね。早速いってみよう!

pokemoki - 「氷雪コントロール」
Magic Online Legacy League 5勝0敗 / レガシー (2020年4月24日)[MO] [ARENA]
2 《冠雪の森
2 《冠雪の平地
4 《冠雪の島
2 《Tropical Island
2 《Tundra
4 《溢れかえる岸辺
4 《霧深い雨林
1 《沸騰する小湖
4 《虹色の眺望
2 《カラカス
1 《神秘の聖域

-土地(28)-

4 《氷牙のコアトル
1 《瞬唱の魔道士
3 《夢の巣のルールス
3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ

-クリーチャー(11)-
3 《ミシュラのガラクタ
1 《ウルザのガラクタ
4 《アーカムの天測儀
4 《渦まく知識
4 《思案
1 《定業
1 《呪文貫き
1 《呪文嵌め
4 《剣を鍬に
1 《流刑への道
2 《豊かな成長
1 《夏の帳
1 《相殺
3 《否定の力
4 《意志の力
1 《終末
3 《時を解す者、テフェリー
2 《王冠泥棒、オーコ

-呪文(41)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン

-相棒(1)-

1 《封じ込める僧侶
1 《トーモッドの墓所
1 《花の絨毯
1 《狼狽の嵐
1 《墓掘りの檻
1 《虚無の呪文爆弾
1 《真髄の針
1 《夏の帳
2 《萎れ
1 《ドビンの拒否権
1 《無のロッド
2 《基本に帰れ

-サイドボード(14)-

 

 最近のレガシーでは鉄板とも言えるデッキ「氷雪コントロール」。氷雪基本土地を採用し《アーカムの天測儀》を用いることで、3~4色のカードを無理なく運用、終盤は天測儀を《王冠泥棒、オーコ》で3/3にして殴らせて勝利する、2019年後半に登場したデッキである。

 天測儀は戦場に出た際にカードを1枚引ける。同じ氷雪パーマネントである《氷牙のコアトル》も同じくそうで、つまりこれらをヨーリオンで追放してから出し直せば手札がガッポリ稼げるというわけ。80枚に水増しされているので《豊かな成長》も加える徹底ぶりで、これらのドローのおまけつきパーマネントとともに《渦まく知識》《思案》など軽量ドロー操作呪文を織り交ぜれば、80枚デッキと言えど引きムラ大きく緩和できる。これぞレガシーならではのやり方だ。

 《意志の力》などの打ち消し、《剣を鍬に》やオーコなどで相手のクリーチャーを封じて盤面をコントロール。《瞬唱の魔道士》から呪文を使い回してアドバンテージ格差を広げて……というデッキだったが、この格差を広げる役割をヨーリオンに振っている。大量の手札とともに優位を保ったまま、ヨーリオンや大鹿・トークン、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》で殴り勝とう。

 このデッキでは相棒には指定されていないが、メインに3枚も《夢の巣のルールス》を採用しているのも注目ポイントだ。

 《ミシュラのガラクタ》《ウルザのガラクタ》を毎ターン再利用して{0}で手札を補充し続ける光景はまさしくナイトメア。クリーチャーで攻めるデッキにとっても《氷牙のコアトル》が蘇り続ける光景はたまったもんじゃない。

Goblinlackey1 - 「ヨーリオン・ゴブリン」
レガシー (2020年4月23日)[MO] [ARENA]
4 《冠雪の山
1 《冠雪の沼
2 《Badlands
2 《Plateau
4 《血染めのぬかるみ
3 《乾燥台地
1 《樹木茂る山麓
4 《魂の洞窟
1 《焦熱島嶼域
1 《カラカス
4 《リシャーダの港
4 《不毛の大地
1 《ヴォルラスの要塞

-土地(32)-

4 《ゴブリンの従僕
1 《モグの狂信者
1 《スカークの探鉱者
4 《飛び道具の達人
3 《ゴブリンのクレーター掘り
3 《モグの戦争司令官
2 《ゴブリンの群衆追い
4 《ゴブリンの女看守
3 《宝石の手の焼却者
2 《ゴブリンの戦長
1 《ゴブリンの鎖回し
1 《ゴブリンの酋長
1 《パシャリク・モンス
4 《ゴブリンの首謀者
2 《投石攻撃の副官
1 《Goblin Settler
1 《ゴブリンの損壊名手
1 《鏡割りのキキジキ
1 《包囲攻撃の司令官

-クリーチャー(40)-
4 《霊気の薬瓶
4 《アーカムの天測儀

-呪文(8)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン

-相棒(1)-

4 《赤霊破
2 《大祖始の遺産
1 《墓掘りの檻
1 《真髄の針
3 《精神壊しの罠
3 《紅蓮操作

-サイドボード(14)-
Goblinlackey1氏のTwitter より引用)

 

 こちらは……ワオ、ゴブリンがヨーリオンと出会ってしまった。ゴブリンデッキ最強のカードと言えば、状況によって最適なゴブリンをサーチしてこれる《ゴブリンの女看守》、そして手札を一気にゴブリンで膨らませてくれる《ゴブリンの首謀者》。

 どちらも戦場に出た際に能力を誘発させるので、ヨーリオンと相性◎。こちらもヨーリオンを唱えるには白マナないし青マナが必要で、それはゴブリンデッキのメインカラーである赤と黒には関係のない色ではあるのだが、そこはレガシー。《血染めのぬかるみ》などから《Plateau》を引っ張ってきたり、《アーカムの天測儀》でどうとでもなる。余裕があれば《魂の洞窟》で鳥か海蛇を指定して打ち消されないようにしてやるのも良いだろう。

 《飛び道具の達人》を出し入れして盤面から相手のクリーチャーを蹴散らし、《モグの戦争司令官》などで生成したゴブリン・トークンを《投石攻撃の副官》で投げつけてからトークン再生成して一気にフィニッシュに持って行ったり、線が細く見えるゴブリンたちも爆発力は十分に備えている。カードの選択肢が非常に多い種族なので、あれも使いたいこれも使いたいと構築の時点でもう楽しい。どんなゴブリンを80枚の中に1枚挿ししようが、女看守で持ってこれるというのが最大の強みだな。

 というわけで、ヨーリオンはレガシーでも楽しく強いデッキをプロデュースしてくれるようだ。これらに慣れると、いつの間にやら60枚デッキの方が少ないデッキと思えるようになったりしてね。土地やクリーチャーなどを何枚ずつ採用するか、60枚デッキほどこれという答えも出ていないの未知のジャンルなので、各々のバランス感覚に合わせた調整を施して、快適な80枚デッキ生活を楽しんでみてはいかがだろうか。

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