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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
名古屋直前パイオニア特集!その2:緑単(パイオニア)
さあ本日もパイオニアのデッキ紹介だ、マジックフェスト・名古屋2020#1に向けて復習の時間だよ!
今日は個人的に好きな色でもある緑のデッキを紹介だ。マジックの歴史において、緑は不遇な扱いを受けていた期間もあった。サイズで勝負するクリーチャーを担当する色なので、とにかくデカくてコストも重いクリーチャーばかりがレアカードで作られたり、他の色とともにサイクルを形成するものでも「緑はとりあえずトランプルで良いだろ」くらいの感覚でデザインされていたカードも少なくなかった。
ところが近年、特に2018~2019年には現実的なコストでかつ強いクリーチャー、いろいろなことが可能なインスタント、圧倒的な支配力を誇るプレインズウォーカーなどなど、緑に強力なカードが多数登場。まさしくノリにノッている色と言える。
パイオニアではそれらの強力カードと、歴代の良い仕事をするカードを組み合わせたデッキを組むことが可能で、それすなわちシンプルに強いデッキが出来上がるというわけ。
それじゃあ早速、緑単色のデッキを紹介だ!
15 《森》 3 《ハシェプのオアシス》 3 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(21)- 4 《エルフの神秘家》 4 《ラノワールのエルフ》 1 《漁る軟泥》 4 《炎樹族の使者》 3 《ヘンジの槌、ファレン卿》 4 《鉄葉のチャンピオン》 4 《恋煩いの野獣》 2 《不屈の神ロナス》 1 《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》 3 《狩猟の統率者、スーラク》 1 《探索する獣》 3 《原初の飢え、ガルタ》 -クリーチャー(34)- |
4 《ハイドラの血》 1 《グレートヘンジ》 -呪文(5)- |
2 《漁る軟泥》 3 《再利用の賢者》 2 《蔦草牝馬》 1 《変容するケラトプス》 1 《顕在的防御》 2 《英雄的介入》 2 《セテッサ式戦術》 1 《減衰球》 1 《キランの真意号》 -サイドボード(15)- |
このデッキは「緑単信心」に分類されるデッキだ。『テーロス還魂記』でも取り上げられている信心に関するカードと、ダブルシンボル以上のカードをぎっしりと詰め込んだ構築になっている。
パイオニアで「緑単信心」と聞くと、環境最初期に暴れ回った《豊穣の力線》で1ターン目に出した《ラノワールのエルフ》などから超加速して畳みかけるデッキを想像するかもしれない。残念ながらその形はパイオニアの環境調整が進むに従ってプレイできないものになってしまったが、別の形で環境には残ることになった。アグロデッキとしての道だ。
パイオニアには《ラノワールのエルフ》と、その同型再録である《エルフの神秘家》がいる。
そして3マナ圏にはいまや懐かしの《鉄葉のチャンピオン》と、スタンダードで現役活躍中の《恋煩いの野獣》がいる。
つまり、1ターン目にマナエルフを出して、2ターン目に3マナパワー5を繰り出すというアクションがかなり高い確率で決められるのだ。さすがに3ターン目から5点パンチが飛んできて痛くないデッキはないだろということで、これがまずこのデッキの基本戦略その1。
続いてその2は信心の名に恥じぬ、戦場に{G}を並べまくって勝つプランだ。《炎樹族の使者》を連打して盤面を一気に作り、《ハイドラの血》の修整値を思いっきり引き上げようって作戦だ。
普通に使っても超絶強化なのだが、ここにもう1枚絡めればひどいことになる。《ヘンジの槌、ファレン卿》だ。
彼は攻撃時に自分のパワーと同じ値のプラス修整を他の攻撃クリーチャーに与える。《ハイドラの血》を信心8とかで唱えられたら、ファレン卿ともう1体だけで20点以上たたき出すことも簡単だ。相手がもたついている時にきっちりと回ってイージーウィンを勝ち取る、このデッキの売りとも言える部分だ。
最後にその3、これは《原初の飢え、ガルタ》を用いるもので、クリーチャー同士の殴り合いになりそうな相手に効果的だ。
2ターン目からパワー5を出せるこのデッキでは、ガルタのコストを軽減するのも苦ではない。するっと戦場に出して殴るわけだが、出てから殴るまでのタイムラグを《狩猟の統率者、スーラク》に埋めてもらえばその威力は大幅アップ。文字通りの突然死をもたらすことになるだろう。
これをいち早く狙うために《ニクスの祭殿、ニクソス》で加速するのだ。リストによっては《ギャレンブリグ城》を用いるものもある。それぞれに爆発力と安定感という長所があるので、どちらを取るかはプレイヤー次第か。
というわけで緑単色の脳みそ筋肉系デッキ(誉め言葉)を紹介させてもらった。「緑単信心」以外には「ガルタ・ストンピィ」とも呼ばれたりしている。デカいの叩きつけて殴ったら勝つ、その分かりやすさは大変に魅力的だ。
また、パイオニアには他にも緑単色のデッキは存在する。先に挙げた《ギャレンブリグ城》が大活躍するものだ。
9 《森》 4 《ギャレンブリグ城》 1 《荒廃した森林》 4 《光輝の泉》 4 《見捨てられた神々の神殿》 2 《ウギンの聖域》 2 《爆発域》 1 《大瀑布》 -土地(27)- 4 《樹上の草食獣》 2 《エルフの神秘家》 2 《ラノワールのエルフ》 4 《エルフの再生者》 4 《茨の騎兵》 3 《不屈の巡礼者、ゴロス》 4 《世界を壊すもの》 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(25)- |
4 《ニッサの巡礼》 4 《精霊龍、ウギン》 -呪文(8)- |
3 《難題の予見者》 1 《約束された終末、エムラクール》 2 《歩行バリスタ》 4 《次元の歪曲》 3 《減衰球》 2 《歪める嘆き》 -サイドボード(15)- |
緑の「土地を戦場に出す」カードによって大量のマナが得られる状況を作り出し、巨大なエルドラージたちで圧殺する「緑単ランプ」だ。《ギャレンブリグ城》《見捨てられた神々の神殿》から全力でマナを捻出し、《世界を壊すもの》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》に繋げる!
こいつらで相手の土地をバキバキに粉砕して手も足も出ない状況に持ち込むのが理想的な勝利だ。対コントロールにおいても、これらのエルドラージは唱えれば能力が誘発するのも素晴らしく、《世界を壊すもの》に至っては墓地から回収してしまえるので長期戦どんとこい。この回収能力は《茨の騎兵》の能力とも噛み合っており、思わぬ形でアドバンテージを得てしまう展開もあるだろう。
また、土地を持ってくる役の《不屈の巡礼者、ゴロス》で《大瀑布》を引っ張ってきて緑単なのにゴロスの能力を起動するという奥の手もある。ウラモグをめくれば逆転ホームラン!
戦闘などをほとんど気にせず、パワフルなカードを叩きつけて勝利したいというプレイヤーにはオススメしたいね。
さて、この名古屋へ向けたパイオニア紹介シリーズはまだ続くのだが、次回だけは少し別の企画でやらせてもらうことを先に断っておこう。ちょっとしたスペシャルというか、最新のデッキどうこうではなく好きにやらせてもらおう。なぜなら……今回このコラムが連載999回目になる。というわけ節目の回を迎えることになったってわけだ。いつも以上に楽しみながら書いちゃうぞ! それじゃあ明日も読んでちょうだいよ!
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