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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ローテーション目前! 現スタンダードのデッキまとめ・アグロデッキ編(スタンダード)
スタンダードが、変わる。
MTGアリーナがオープンになり、日本語でプレイできるようになって増えた、たくさんの新米プレインズウォーカーの皆さん! 君たちはこの秋に、初めての環境激変イベント「ローテーション」を体験することになる!
マジックでは現在、年間4つもの新セットが登場し、そのたびにスタンダード環境は大きな影響を受けている。ただ『エルドレインの王権』でもたらされる変化は、これまでのものとは大きく質が異なるぞ。新セットの参入とともに『イクサラン』『イクサランの相克』『ドミナリア』『基本セット2019』の4つのセットがスタンダードを去ることになる。スタンダードにおいて、いつまでも同じカードを使い続けることはできないのだ。
これを初めて体験する時には、どうしても「愛するカードやデッキがもう使えないなんて!」と思うことは自然なことだ。残念ながらその現実を受け止めなければならないが、慣れれば「これまでと全く違った環境で遊べる! 新鮮!」「一部のカードが存在したことで本領を発揮できなかったカードがイキイキとしだした!」など、変化がもたらす喜びにも気づくはずだ。これまでの常識が通用しなくなるローテーション直後は本当に何でもありで楽しいので、年に一度のこのイベントを秋の夜長に味わってほしい。
このコラムでは毎シリーズ定番となっている、スタンダードを去り行くデッキ・そして姿を変えざるを得ないデッキを数回に渡って紹介していこう。今回はガツガツ殴って速攻勝利を目指す、アグロというジャンルに属するデッキの紹介だ!
20 《島》
-土地(20)- 4 《セイレーンの嵐鎮め》 4 《幽体の船乗り》 2 《プテラマンダー》 4 《マーフォークのペテン師》 3 《塩水生まれの殺し屋》 4 《大嵐のジン》 -クリーチャー(21)- |
4 《執着的探訪》 4 《選択》 4 《潜水》 2 《呪文貫き》 3 《魔術師の反駁》 2 《見張りによる消散》 -呪文(19)- |
4 《紺碧のドレイク》 3 《否認》 2 《霊気の疾風》 2 《本質の把捉》 1 《魔術師の反駁》 3 《幻惑の旋律》 -サイドボード(15)- |
ミシックチャンピオンシップで優勝をかっさらったことで強く印象に残るデッキの1つである「青単アグロ」。
《マーフォークのペテン師》で戦場をかき乱し、《セイレーンの嵐鎮め》や《潜水》、さらには《魔術師の反駁》《呪文貫き》などで打ち消して相手の抵抗を抑え込み、《大嵐のジン》で殴り切る!
《執着的探訪》で手札も常に補充して、マウントを取ったら徹底的に上から攻め続けて勢いのままに勝利する!
そんな猛攻を見せたこのデッキも、ここまで挙げたカードがすべてローテーションで落ちるため、従来の形のままで存続することは不可能となった。
《幽体の船乗り》《塩水生まれの殺し屋》ら優秀な瞬速持ちは健在なので、《夜群れの伏兵》や《エリマキ神秘家》と組み合わせた「シミック・フラッシュ」がこのデッキの精神を継承して存続する……かもしれない。
《フェアリーの荒らし屋》という期待できそうなカードが現れ、《選択》もスタンダードに残ることが決定したので、青い飛行で殴るデッキが新たに誕生するかもね。
7 《平地》 3 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《断崖の避難所》 4 《凱旋の神殿》 -土地(22)- 4 《アダントの先兵》 4 《戦慄衆の秘儀術師》 4 《第10管区の軍団兵》 4 《贖いし者、フェザー》 3 《軍勢の戦親分》 -クリーチャー(19)- |
4 《神々の思し召し》 4 《果敢な一撃》 4 《無謀な怒り》 4 《ショック》 2 《防護の光》 1 《戦いの覚悟》 -呪文(19)- |
3 《暴れ回るフェロキドン》 2 《啓蒙》 3 《不可解な終焉》 2 《丸焼き》 2 《溶岩コイル》 3 《黒き剣のギデオン》 -サイドボード(15)- |
こちらは通称「ボロス・フェザー」。
《贖いし者、フェザー》が戦場にいる状態で自分のクリーチャーを対象にインスタント or ソーサリー呪文を唱えると、それが手札に戻ってくる。この能力を利用して《果敢な一撃》で毎ターンパワーを上げつつドローしたり、《神々の思し召し》で護りながらザクザクと攻めていくのがメインコンセプト。
同じく自身が呪文の対象になることで強化&占術を行う《第10管区の軍団兵》、フェザーとは別でデッキ内の呪文を使いまわす役目の《戦慄衆の秘儀術師》と、1マナ圏こそ不採用なものの2マナ圏には良い駒が揃っており安定感がある。
このデッキの最大の武器は《無謀な怒り》。
自身のクリーチャーも対象になる、一見デメリットな効果をフェザーで美味しく利用し、相手のクリーチャーを毎ターン1マナで除去し続ける様は圧巻。基本的にこれの2点ダメージでは死なないクリーチャーたちで構成されているので損をすることはそうそうない。
このセールスポイントがローテーション後に失われるのは手痛い。《アダントの先兵》という安定の2マナ圏が失われるのも地味に効いてくる損失だ。
新カードとしては《馬上槍試合》が自身のクリーチャーを対象にしつつ相手のクリーチャーを除去できる可能性のある呪文で、これを使うために騎士の要素をちょっと増した新しいフェザーデッキが誕生する可能性も考えられる。
あるいは純粋に《立腹》みたいなカードで打点を高める方が良いかもしれない。
また《根縛りの岩山》《陽花弁の木立ち》もスタンダードを去るので、このデッキの派生形の1つであった《成長の季節》を足したタイプは組みにくくなってしまうだろう。
7 《沼》 6 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 1 《手付かずの領土》 -土地(22)- 4 《漆黒軍の騎士》 4 《敵意ある征服者》 2 《空渡りの野心家》 4 《アダントの先兵》 4 《軍団の副官》 2 《聖域探究者》 4 《薄暮の勇者》 1 《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ》 -クリーチャー(25)- |
4 《軍団の上陸》 2 《喪心》 2 《軍団の最期》 1 《屈辱》 4 《傲慢な血王、ソリン》 -呪文(13)- |
1 《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ》 3 《強迫》 3 《敬虔な命令》 3 《害悪な掌握》 2 《軍団の最期》 1 《屈辱》 2 《黒き剣のギデオン》 -サイドボード(15)- |
2 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《根縛りの岩山》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 3 《血の墓所》 1 《竜髑髏の山頂》 4 《手付かずの領土》 -土地(24)- 3 《ラノワールのエルフ》 4 《無法の猛竜》 3 《原初の飢え、ガルタ》 3 《オテペクの猟匠》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 4 《切り裂き顎の猛竜》 2 《変容するケラトプス》 3 《レギサウルスの頭目》 -クリーチャー(26)- |
4 《恐竜との融和》 2 《暗殺者の戦利品》 2 《喪心》 2 《苦悩火》 -呪文(10)- |
2 《変容するケラトプス》 4 《強迫》 3 《夏の帳》 2 《害悪な掌握》 1 《軍団の最期》 3 《炎の一掃》 -サイドボード(15)- |
最後に2つまとめて。吸血鬼と恐竜、どちらも『イクサラン』『イクサランの相克』が抜けることによりメインのカードのことごとくが失われ、スタンダードに別れを告げることになるアグロデッキだ。
『基本セット2020』で《傲慢な血王、ソリン》《無法の猛竜》とどちらも喉から手が出るほど欲しかったタイプのカードを手に入れ、最後に一花咲かせる活躍を見せた。
《空渡りの野心家》《原初の飢え、ガルタ》といったカードもそれぞれ単色のアグロデッキで活躍したね。ありがとう、イクサラン次元。
取り残された中でも《漆黒軍の騎士》《朽ちゆくレギサウルス》は優秀な攻め手なので、これらがタッグを形成して黒単色のアグロデッキが生まれる可能性は大いにある。《ロークスワインの元首、アヤーラ》も使いたいねぇ。
まだまだ他にも紹介したいデッキはあったが、紙面の都合で今回はここまで。こうして見るとクリーチャーで殴る速攻デッキだけでもバリエーションが豊富な、楽しいスタンダード環境だったんだなぁと再確認できる。
アリーナで遊べるのは26日まで、リアルであれば今週のフライデー・ナイト・マジックにも間に合うので、どうか最後のその時まで悔いのないアグロライフを送ってから、新しいスタンダードを出迎えてやってほしいね。
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