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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アモンケット次元への招待:4枚なくてもデッキは組める!(スタンダード・シングルトン)
今年の夏も容赦がない。照り付ける太陽とコンクリートのコンボは《目覚めた猛火、チャンドラ》の紋章ばりにライフを削ってくる。空調の効いた部屋でMTGアリーナ、これが夏休みの常勝ムーブってやつだ。
ありがたいことに、MTGアリーナ内では8月現在、夏休みに各次元を訪問するというニュアンスで特殊フォーマットによるイベントが毎週開催されている。いずれも1勝ごとにその次元の風景が描かれた基本土地をGET! 計6勝することでマジックの基本土地の中でも人気の高い『Unhinged』仕様の基本土地を1枚手に入れることが可能だ。
いずれも美しいが、個人的に大好きなのは《森》、次いで《沼》。《沼》はアモンケット次元への探訪で手に入れることができた。この次元にやってきたプレイヤーに求められたのは、シングルトン構築での勝利!
シングルトンというのは、基本土地を除くカードはどれもデッキに1枚しか採用できないというルール。スタンダードのカードプールで、あらゆるカードが1枚挿しのデッキを構築して戦う!これがやってみるとなかなか難しい。まず特定のカードに頼ったデッキを組んでも、たった1枚のそのカードが対処されると機能不全に陥ってしまうし、そもそも引ける可能性の方が低い。スタンダードを代表するデッキである《死者の原野》と《風景の変容》コンボデッキは決まる確率がかなり低いのでそのパワーを発揮しづらいってことだ。
シングルトン構築戦は次元探訪のみでなく、定期的に開催されるイベントだ。現スタンダード環境でもう一度このイベントを迎えることもあるかもしれない。その時のためにサンプルリストをいくつか紹介しよう。まだマジックを始めたばかりで各種カードが4枚揃っていないというプレイヤーも、このルールで遊ぶと楽しいかもね。それじゃまずは最初のリスト!
23 《山》 -土地(23)- 1 《狂信的扇動者》 1 《ギトゥの溶岩走り》 1 《燃え立つ預言者》 1 《チャンドラの火炎猫》 1 《凶兆艦隊の向こう見ず》 1 《放逐紅蓮術師》 1 《燃えさし運び》 1 《ゴブリンのクレーター掘り》 1 《リックス・マーディの歓楽者》 1 《遁走する蒸気族》 1 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 1 《ゴブリンの鎖回し》 1 《ブリキ通りの重鎮、クレンコ》 1 《軍勢の戦親分》 1 《弧光のフェニックス》 1 《再燃するフェニックス》 1 《刃の翼ヴェリックス》 1 《突進するモンストロサウルス》 1 《厄介なドラゴン》 -クリーチャー(19)- |
1 《シヴの火》 1 《ショック》 1 《チャンドラの螺旋炎》 1 《ヤヤの挨拶》 1 《溶岩コイル》 1 《稲妻の一撃》 1 《猛り狂い》 1 《ケルドの炎》 1 《舞台照らし》 1 《批判家刺殺》 1 《魔術師の稲妻》 1 《実験の狂乱》 1 《ヴァンスの爆破砲》 1 《苦悩火》 1 《炎の侍祭、チャンドラ》 1 《無頼な扇動者、ティボルト》 1 《炎の職工、チャンドラ》 1 《主無き者、サルカン》 -呪文(18)- |
まずは「赤単」! 現スタンダードの赤単と言えば質の良い軽量クリーチャーと低コストのダメージ呪文、それらを使い切ってからの《実験の狂乱》での大量アドバンテージ獲得でダメ押しを武器にしているデッキだ。
これらを4枚ずつ入れて安定して引き込むことでデッキを成立させているのが「赤単」であり、すなわちシングルトンによりこの戦術はパワーダウンを余儀なくされる。
でもご安心を、デッキパワーはどのデッキも決して高いものではないからだ! そうしたデッキが序盤にもたつくようなことがあれば、《ギトゥの溶岩走り》や《遁走する蒸気族》による序盤からのラッシュで押し切ることもできるだろう。
そう都合の良い展開にならなくても、このデッキは速度を中速にシフトさせているデッキなので、3マナ以上のカードでしっかりと他のデッキとも渡り合っていくことができる。《ゴブリンの鎖回し》や各種火力を備えているので、対クリーチャーデッキ相手には除去の連打で対抗だ。《ヤヤの挨拶》のような、あまり使ったことのないカードの意外な強さに気付くこともあるだろう。
4枚採用できない《実験の狂乱》や《舞台照らし》の代わりは、すっかり見なくなった《ケルドの炎》やなかなか表舞台で活躍できなかった《ヴァンスの爆破砲》などが務めている。
ヴァンス、個人的にはかなり好きなカードなので、こういう形で火を噴く姿が見られるのは嬉しいよ。
2 《森》 1 《島》 1 《沼》 1 《繁殖池》 1 《内陸の湾港》 1 《茨森の滝》 1 《シミックのギルド門》 1 《草むした墓》 1 《森林の墓地》 1 《疾病の神殿》 1 《ジャングルのうろ穴》 1 《ゴルガリのギルド門》 1 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 1 《陰鬱な僻地》 1 《セレズニアのギルド門》 1 《グルールのギルド門》 1 《アゾリウスのギルド門》 1 《ディミーアのギルド門》 1 《イゼットのギルド門》 1 《オルゾフのギルド門》 1 《ラクドスのギルド門》 1 《天才の記念像》 1 《調和の公有地》 1 《死者の原野》 1 《廃墟の地》 1 《爆発域》 -土地(28)- 1 《樹上の草食獣》 1 《緑探しのドライアド》 1 《ラノワールの斥候》 1 《エルフの再生者》 1 《門破りの雄羊》 1 《ハイドロイド混成体》 1 《発現する浅瀬》 1 《むら気な長剣歯》 1 《地表形成師》 1 《茨の騎兵》 1 《不屈の巡礼者、ゴロス》 1 《虐殺少女》 1 《水底のドルイド、タトヨヴァ》 1 《冒涜されたもの、ヤロク》 1 《アーチ道の天使》 -クリーチャー(15)- |
1 《冒険の衝動》 1 《恐竜との融和》 1 《開門》 1 《成長のらせん》 1 《軍団の最期》 1 《焦熱の連続砲撃》 1 《炎の一掃》 1 《燃え立つ門》 1 《灰からの成長》 1 《ギルド会談》 1 《迂回路》 1 《死の芽吹き》 1 《風景の変容》 1 《ドミナリアの大修復》 1 《戦争の犠牲》 1 《時を解す者、テフェリー》 1 《伝承の収集者、タミヨウ》 -呪文(17)- |
最初に《死者の原野》×《風景の変容》を決めるのは難しいと言ったが、それでも無理やりに狙いに行く剛の者もいるのが特殊なマジックの面白さ。
5色ではあるが白はあくまでオマケで、《不屈の巡礼者、ゴロス》の能力を起動できるように足してある程度。メインは緑の土地に関するカードで、青や黒との多色カードでアドバンテージを得たり相手のパーマネントに干渉したり。土地を7枚以上並べればあとは原野からゾンビが湧いてくるので、これでプレッシャーをかけつつ相手の攻め手は各種除去で絶やしていきたい。
《ドミナリアの大修復》や《地表形成師》により墓地に落ちた土地も再展開可能で、原野を一度壊されたくらいでは終わらないしぶとさもこのデッキの魅力。
これらシブいカードが山盛りで、回していて楽しいデッキであることがリストからも伝わってくる。
19 《沼》 1 《島》 1 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 1 《陰鬱な僻地》 1 《ディミーアのギルド門》 -土地(24)- 30 《ネズミの群棲》 1 《逃亡者、梅澤哲子》 1 《大嵐呼び》 -クリーチャー(32)- |
1 《祖先の象徴》 1 《睡眠》 1 《不滅の太陽》 1 《ウルザの後継、カーン》 -呪文(4)- |
最後は今回のイベントで僕が使用したデッキを。シングルトン名物《ネズミの群棲》だ!
マジックには「カードに書かれていることを最優先する」という大原則がある。ネズミの「デッキに何枚入れてもよい」という能力は、シングルトンのルールに勝るのだ。
というわけで毎ターン可能な限りネズミを展開させ、パワー5を超える軍団でボコスカ殴って一気に勝負を決めようというのがネズミ・デッキだ。シングルトンなので《ケイヤの怒り》や《ゴブリンの鎖回し》を引かれる確率は低い!という開き直りに満ちた、ある意味求道者的なデッキである。
《逃亡者、梅澤哲子》や《睡眠》《大嵐呼び》で無理やりねじ込むために青を足すのが一般的。ネズミは毎ターン出したいので30枚前後は確保しよう。
新カード《祖先の象徴》は、手札切れに弱いデッキの弱点を埋めてくれる良いカードだった。他の部族デッキでも使いたくなるそのポテンシャルの高さを確認!
というわけでシングルトン・デッキの紹介はここまで。普段そういうのはやらないという人も、参加費ナシで参加できるイベントもあるので、MTGアリーナならではの特殊フォーマットを遊びつくしてみてはいかがだろうか。そこには必ず、何か発見があるはず!
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