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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
レンと4色(レガシー)
《レンと六番》って初見の時はなんだか変なカード名に思えたよね。過去に似たような名前のカードが存在しなかったからだろうか。
レンは『モダンホライゾン』が初出のプレインズウォーカーで、種族はドライアド。トロスターニなんかと同じだね。人間の女性に似た姿かたちの樹木の精霊であり、イラストでもその多くが樹木や蔦などと一体化した姿で描かれている。レンは樹木の中でも移動することのできる人型のもの、すなわちツリーフォークと同化しており、このツリーフォークが現在歴代6番目のものに当たるとのこと。彼女は特にツリーフォークに名前を付けることは無いので、単に「六番」と呼ぶのだそうな。ついつい愛着を抱いて名前を付けてしまいそうな人間とは感覚が異なる種族だということがよく伝わってくるエピソードだ。
レンはそのキャラクターだけでなく、同時にカードパワーも目を引くものだ。久方ぶりの2マナのプレインズウォーカー! その軽さにして[+1]能力で手札が増える![-1]で盤面に触ることもできる! 2マナでそれだけ仕事ができれば十分だ。
モダンやレガシーなどで最も使われている土地はフェッチランド。《沸騰する小湖》のような、生け贄に捧げることで対応するタイプの土地を持ってくるサイクルだ。墓地に落ちたこれらを拾ってもう一度使える、それだけでもお得だが《渦まく知識》と組み合わせたらどうなる?
3枚引いて要らないカードを2枚戻して、フェッチランドをレンで回収して起動、ライブラリーがシャッフルされてトップに期待が持てる! 素晴らしい。《精神を刻む者、ジェイス》と並ぶと? なんとそれが毎ターンできちゃうんです。
数ターン繰り返せばライブラリーの中の土地も減って、ドローの質が高まるだろう。こういうのがマジックをやっていて最高に気分が良い瞬間なんだよな。
ということで、アドバンテージの化身となるべく組まれたのがこのデッキだ!
3 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 1 《Tropical Island》 2 《Badlands》 1 《Bayou》 4 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 1 《血染めのぬかるみ》 4 《新緑の地下墓地》 2 《不毛の大地》 -土地(21)- 4 《悪意の大梟》 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 3 《思案》 4 《コジレックの審問》 1 《思考囲い》 2 《稲妻》 1 《致命的な一押し》 2 《突然の衰微》 2 《トーラックへの賛歌》 2 《コラガンの命令》 2 《否定の力》 3 《意志の力》 3 《レンと六番》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(32)- |
1 《不毛の大地》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《狼狽の嵐》 2 《リリアナの勝利》 2 《森の知恵》 1 《湿地での被災》 1 《毒の濁流》 2 《覆いを割く者、ナーセット》 -サイドボード(15)- |
上述のレン&ジェイスをアドバンテージ獲得の核とした、白以外の4色で構成されたコントロールデッキだ。パーマネント除去・手札破壊・打ち消しの妨害三大要素をコストの軽い呪文で行い、それを《瞬唱の魔道士》で再利用したり、ジェイスで手札を整えたり。それらを行うにはマナが要るのでレンとフェッチランドで滞りなく補充していく、というのがデッキが目指している動き。
レンは[-1]でタフネス1のクリーチャーを除去できる点もコントロールデッキ向きである。また、生け贄に捧げて使用する土地は他にもある。しかもより強烈なヤツが……《不毛の大地》だ。
基本でない土地にマナ基盤を頼っていたり、土地を用いてコンボをしようというデッキは、レンでこれを回収して投げつけるのを繰り返せば泡を吹いて倒れるだろう。逆に《不毛の大地》で攻めてくるデッキに対しても、2マナと軽いレンを呼び出すことに成功していれば、その被害から身を護ることができるはずだ。
4色というやや無理をしているデッキの色マナ供給を支えつつ、細かい仕事をこなす彼女に感謝なしでは、このデッキは成り立たない。まるで在りし日の《死儀礼のシャーマン》を見ているかのようだ。
このデッキでは《意志の力》の枠にも新カード《否定の力》を2枚投入している。
打ち消した呪文を追放できる点が優れており、通常コストで唱えるのも3マナと無理はない。自身のターンに代替コストで唱えられないので、プレインズウォーカーを通すための打ち消し合戦に使えないという点では劣っているものの、上記の優れている点を加味して散らして採用しているのだろう。
また、非クリーチャー呪文しか打ち消せないという点はそれほど気にならないだろう。《意志の力》で打ち消すものは大体、コンボパーツだったり派手なソーサリーだったりプレインズウォーカーといった、手札を2枚消費してでもなんとかしたいカード。クリーチャーであればこのデッキなら除去してしまえるから、そこに無理して唱えることはないってことだ。これで失った分のアドバンテージは、このデッキが多数持つ、1枚でカード2枚分以上の働きをするカードで取り返そう。
1:1の交換を繰り返しながら、どこかでこちらは1:2以上のお得なカード運用をして差をつけてゲームに勝つ、レガシーの白抜き4色コントロール。レンが加入したことにより、2マナでこの1:2以上の働きをするカードを得られたため大幅に強化されたと言って良いだろう。似たようなコンセプトのデッキをモダンでも作れるような気がするので、有志はチャレンジしてみよう!
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