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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ツイスター・ストーム(レガシー)
憧れのカードってあるかい? 「やっぱりPower9!」って人は少なからずいるんじゃないかな。
最近始めたプレイヤー、MTGアリーナから入った世代にはあまりなじみのない響きかもしれないので、「Power9」が何かについて説明させてもらおう。
マジック最初の基本セットには、とてつもない強さを誇るカードがいくつか収録されている。どういったカードが強いのか、まだ漠然としていたころだからパワーバランスがおかしいのはしょうがないことだが、とにかく強いカードとそうでないカードの格差が激しい。強いものはとにかく突き抜けて強いものばかりで、特にどんなデッキにも入るアーティファクト6枚と、とてつもないアドバンテージを生み出す青い呪文3枚の計9枚は、パワーカードの王様として畏敬を込めて「Power9」と呼ばれるようになった。
- 《Black Lotus》
- 《Mox Pearl》
- 《Mox Sapphire》
- 《Mox Jet》
- 《Mox Ruby》
- 《Mox Emerald》
- 《Ancestral Recall》
- 《Time Walk》
- 《Timetwister》
これら9枚のカードを使いたいと思うプレイヤーの思いに応えるために、これまでも数々の調整版カードが作られ続けてきた。だが、あまりにも強すぎるとスタンダードの環境を破壊してしまいかねないので、いずれもかなりブレーキを踏んで慎重にデザインされたものだった。
この流れを打ち崩さんと現れたのが『モダンホライゾン』だ。スタンダードを経由せずにモダンやエターナル環境で使えるセットなので、細かいことは気にせずにパワーあふれるカードが作れる!
Power9リメイクも、今までよりも極限まで本家に近い挙動ができるものを!という熱い思いがあふれた1枚が収録されている。《永劫のこだま》だ。
このカードは6マナに調整された《Timetwister》、というだけでなく……墓地に落ちている状況であればフラッシュバックで本家と同じ3マナで全く同じ効果をもたらす、なかなかにとんでもないリメイクカードである。お互いのプレイヤーは手札と墓地をライブラリーに混ぜて切り直し、カードを7枚引く。さらりと書かれたテキストだが、とんでもないことだぞそれ。
というわけで、このカードを墓地からフラッシュバックして《Timetwister》のパワーに酔いしれるデッキを今日は紹介しよう!
2 《島》 1 《沼》 1 《Underground Sea》 1 《Tundra》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 -土地(13)- 1 《僧院の導師》 -クリーチャー(1)- |
4 《金属モックス》 4 《水蓮の花びら》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《暗黒の儀式》 3 《納墓》 4 《思考囲い》 2 《強迫》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《定業》 3 《苦悶の触手》 4 《永劫のこだま》 4 《覆いを割く者、ナーセット》 -呪文(46)- |
3 《外科的摘出》 2 《蒸気の連鎖》 2 《裏切りの対価》 1 《暗黒破》 3 《防御の光網》 2 《残響する真実》 2 《虐殺》 -サイドボード(15)- |
レガシーではPower9はすべて禁止カードになっているが、これからは《納墓》さえあれば《Timetwister》をいつでも唱えられる!
ただ、手札を7枚お互いに引くだけだと、相手の手札に《意志の力》などをプレゼントしてその後の展開を阻止される可能性もある。しかし、そんな心配はあの人に任せれば問題なし。
《覆いを割く者、ナーセット》がいれば、対戦相手は同一ターンにカードを1枚しか引くことができない。3マナでこっちは7枚ドロー、相手は手札が1枚にダウン! 犯罪的なコンボを決めつつ、その先のフィニッシュを目指すのがこのストームデッキだ。
《納墓》とともに重要な1枚であるのが《ライオンの瞳のダイアモンド》。
手札をすべて捨てることで好きな色マナを3つ得ることができる、これもまた《Black Lotus》のリメイク品である。手札をゼロにするのはリスクのようでもあるが、《永劫のこだま》をフラッシュバックすればすぐに7枚引けるので何も躊躇することはない。これ自体が手札を捨てる=《永劫のこだま》を墓地に落とす手段を兼ねているのも素晴らしい。1ターン目に《思考囲い》で手札を確認し、青くないデッキだとわかったら《ライオンの瞳のダイアモンド》からの開幕こだまぶっ放しも狙えるってわけだ。まさしくこのデッキの心臓だね。
このダイアモンドや《暗黒の儀式》などの使い捨てのマナ加速を連打してマナを得たら、《永劫のこだま》で引き直す。これらのマナ加速や《納墓》はこだまの効果でライブラリーに帰っていくので、また引き直せる。引き直した7枚の手札を、生み出しておいたマナで使ってもう1回こだま……といった具合に、何度かループを発生させることができる。
これにより同一ターンで何度も呪文を唱えることができ、その果てに《苦悶の触手》を唱えるとストーム能力でコピーが大量発生してライフを吸いつくす。これがこのデッキが目指すゴールだ。
勝ち方を触手一本に絞るとアクシデントも起こり得るので、《僧院の導師》も仕込んである。
こだまループの中でモンクが大量に並び、また果敢も誘発しまくって1回の攻撃で20点!というのも難しくはないだろう。
過去のパワーカードを復活させ、これから増えていくプレイヤーにもその強さの片鱗を味わってもらうというサービス精神は嬉しい限りだ。ありがたく使わせてもらって気持ちよくなる、これがプレイヤーの務めってやつ。思いっきり時間をひん曲げて、カードを引きまくろう!
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