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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ファイレクシアン・フィット(レガシー)

岩SHOW

 マジックにおけるスタンダードやモダンといったフォーマットの話をする時に、「環境」というフレーズが度々用いられる。

 そのフォーマットがどのような状況にあるのか、アグロ環境やコントロール環境と形容したり、「環境は混沌としている」「毎週環境が変化する」といった具合に便利に使える言葉で、マジックプレイヤーにはもうこのフレーズが染みついていると言っても決して過言じゃない。

 そんな環境に適した……言い換えるなら、フィットしたデッキというものを作ることができれば、勝ち星は自ずと転がり込んでくるだろう。

 昔、レガシーにおいて「環境にナイスにフィットしたデッキだぜ!」と紹介されたデッキ名が脱字で「Nic Fit」となっており、でもその語感の良さがなんとも強デッキっぽくて結局そのまま定着したという話がある。

 そのデッキ「ニック・フィット」は《老練の探険者》を起爆剤としている。

 レガシー環境には基本土地を一切用いないデッキも少なくない。それらのデッキを前に、この探検者を生け贄に捧げてこちらは基本土地を2枚得て一方的にマナ加速し、《墓所のタイタン》のような少し重めのカードで圧殺する、というカードパワーで押すクリーチャー中心のコントロールデッキである。緑と黒を中心に、時代が進むにつれ《ネル・トース族のメーレン》などデッキを強化するカードを得続けており、根強い愛好家がいるデッキタイプだ。

 環境に適した存在、という字面を見ると……生命を機械に改造し、腐敗したガスや水銀の海で満ちた次元でも適応できるようにした、あの男のことを思い出さないか? 『モダンホライゾン』でカード化されたヤツが、レガシー環境にフィットしようと忍び寄る!

Bahra - 「ファイレクシアン・フィット」
Magic Online Legacy Challenge #11885868 4位 / レガシー(~『モダンホライゾン』) (2019年6月9日)[MO] [ARENA]
2 《森》
2 《沼》
1 《平地》
1 《ドライアドの東屋》
2 《Bayou》
1 《Savannah》
2 《Scrubland》
4 《新緑の地下墓地》
3 《吹きさらしの荒野》
1 《湿地の干潟》
1 《育成泥炭地》
1 《カラカス》
2 《魂の洞窟》
1 《ファイレクシアの塔》

-土地(24)-

4 《老練の探険者》
1 《陰謀団の療法士》
2 《石鍛冶の神秘家》
1 《ガドック・ティーグ》
1 《漁る軟泥》
2 《オルゾフの司教》
1 《永遠の証人》
1 《秋の騎士》
1 《聖遺の騎士》
1 《不屈の追跡者》
1 《ネル・トース族のメーレン》
3 《スランの医師、ヨーグモス》

-クリーチャー(19)-
4 《陰謀団式療法》
3 《剣を鍬に》
2 《暗殺者の戦利品》
1 《森の知恵》
1 《未練ある魂》
1 《破滅的な行為》
3 《緑の太陽の頂点》
1 《火と氷の剣》
1 《殴打頭蓋》

-呪文(17)-
1 《封じ込める僧侶》
1 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《配分の領事、カンバール》
3 《外科的摘出》
2 《花の絨毯》
1 《真髄の針》
3 《窒息》
1 《津波》
1 《幽霊暗殺者、ケイヤ》
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-サイドボード(15)-

 というわけで、ファイレクシアの祖であるヨーグモス入りの「ニック・フィット」だ!

 《スランの医師、ヨーグモス》はクリーチャーを生け贄に捧げることができる、すなわち能動的に《老練の探険者》を墓地に送る手段である! 1マナ1/1という蚊トンボのようなスペックから、土地2枚と手札1枚という獅子のようなアドバンテージ! そうやって土地を得れば《不屈の追跡者》の能力で手掛かりを2つ生成して、さらなるドローへ……という尽きないアドバンテージでゲームに勝とうと、長期戦どんとこいデッキとなっている。

 このデッキの序盤の要は探検者と《陰謀団式療法》だ。

 このソーサリーで相手の手札を確認、フラッシュバックで探検者を生け贄に捧げて土地を増やしつつ手札からキーカードや攻め手を排除し、相手の思い通りにゲームを進めさせないように妨害するのだ。

 このカードの5枚目としてやってきたのが《陰謀団の療法士》!

 すごいね『モダンホライゾン』、レガシープレイヤーが欲しかったカードもバッチリ提供してくれるとは。《未練ある魂》とも相性がよく、この療法手札破壊と《剣を鍬に》《暗殺者の戦利品》などの除去でコントロールしていって、マナを十分に使える状況へと持って行こう。

 マナが十分に使えるようになったら、《緑の太陽の頂点》で《漁る軟泥》《秋の騎士》《永遠の証人》《ガドック・ティーグ》などの状況に適したクリーチャーを探してきて盤石の態勢を整える。《聖遺の騎士》《不屈の追跡者》らでゲームを終わらせに向かっても良いね。

 他にゲームを終わらせる手段としては《石鍛冶の神秘家》からの装備品もある。

 《殴打頭蓋》の装備コストは5マナと重いが、このデッキではそのマナも用意できるだろう。聖遺に追跡者に軟泥にとサイズアップするクリーチャーにこの絆魂と警戒を付与する装備品を持たせて殴り合いをモノにしよう!

 《スランの医師、ヨーグモス》で心を折るのも勝ち手段として機能するだろう。小型クリーチャーで戦うデッキであれば、-1/-1カウンターをばら撒く能力は脅威そのもの。ここに《オルゾフの司教》が絡むと、戦場に出て全体に-1/-1修整、対象に-1/-1カウンター、司教に憑依されたクリーチャーを生け贄に捧げてさらにサイズダウン……と、相手の戦場をいとも容易く崩壊させることが可能だ。ファイレクシアを生み出した医術、恐るべし……生け贄を《永遠の証人》にして《ネル・トース族のメーレン》で毎ターン回収して……というアドバンテージ地獄も相手にギブアップの一言を言わせるには十分だ。

 シナジーとパワーカードによって構成された「ニック・フィット」の新型リストを見てもらった。このデッキは3色目に足す色などプレイヤーの個性を大きく反映させ、自分だけのリストを追求しやすいのも大きな魅力だ、これからも続々増える新カードで、環境に最適な形を目指すのを楽しんでいこう!

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