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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジェスカイ・トラフト:Tさん、モダンにもお邪魔します(モダン)

岩SHOW

 皆は『ポータル』というセットを知っているかな? 1997年に発売されたこの製品はその名が示す通り、マジックの世界へと一歩踏み出すための入り口となるべく作られたマジック入門用セットである。

 マジックのルールは比較的複雑である。特に、自分が今何ができるのかということが入門者にはわかりにくかったりする。当時はインスタントに加えて、インタラプトというタイプの呪文もあった。この複雑な呪文のやり取りを取っ払って、クリーチャーを出して呪文を唱えるというマジックの根本的な部分を楽しんでもらおうという意図で、このセットにはクリーチャーとソーサリーと基本土地しか収録されていない。一部の青のカードを除いて、自分のターンにしか動かないシンプル極まるマジックで、基本的なルールをまずは覚えようというわけだ。このセットは成功だったようで、後に『ポータル・セカンドエイジ』『ポータル三国志』『スターター』と入門用セットが続いていくことになる。

 ところで……それら入門用セットが販売されなくなってからずいぶん経ったこの2019年に、ポータル的マジックを体験する機会が増えている。インスタント・タイミングでの呪文を唱えることを禁止する《時を解す者、テフェリー》を用いた青白系デッキの隆盛である。

 彼が戦場に出れば……それだけで対戦相手の打ち消し呪文は意味をなさなくなる。こちらのターンに除去を撃たれたり瞬速持ちクリーチャーが飛び出すこともないので、戦闘も楽チンだ。相手をポータル世界へと誘う一方で、こちらはインスタントを自由に用いることができるのが最高にズルい(誉め言葉)。そりゃあこのカードを搭載したデッキ、流行るわけですわ。

 最近ではスタンダードに留まらずに、モダンにまでその勢力を拡げている。3マナと軽いのはモダンにおいて正義(ジャスティス)。彼のバックアップを受けて優位に立ち回っていく攻めのデッキを紹介しよう!

Cameron Eaton - 「ジェスカイ・トラフト」
Star City Games Modern Classic Louisville 4位 / モダン (2019年5月26日)[MO]
2 《
1 《
1 《平地
2 《蒸気孔
2 《神聖なる泉
1 《聖なる鋳造所
3 《沸騰する小湖
4 《溢れかえる岸辺
1 《乾燥台地
1 《尖塔断の運河
1 《硫黄の滝
2 《天界の列柱
1 《氷河の城砦
1 《廃墟の地
-土地(23)-

2 《渋面の溶岩使い
3 《瞬唱の魔道士
4 《呪文捕らえ
3 《聖トラフトの霊
1 《ヴェンディリオン三人衆
1 《修復の天使
-クリーチャー(14)-
4 《稲妻
4 《選択
4 《流刑への道
1 《外科的摘出
3 《稲妻のらせん
2 《広がりゆく海
1 《拘留の宝球
4 《時を解す者、テフェリー
-呪文(23)-
1 《イゼットの静電術師
1 《台所の嫌がらせ屋
2 《減衰球
2 《ドビンの拒否権
2 《安らかなる眠り
2 《石のような静寂
1 《天界の粛清
1 《軽蔑的な一撃
1 《仕組まれた爆薬
1 《夢を引き裂く者、アショク
1 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-サイドボード(15)-
Star City Games より引用)
 

 こちらは一般的に「ジェスカイ・トラフト」と呼ばれる白青赤の3色からなる攻めのデッキだ。

 トラフトというのは《聖トラフトの霊》から。3マナで2/2と平凡なサイズながら、呪禁を持っているので除去されにくい。そして攻撃時には4/4飛行の天使・トークンを生成、これはターン終了時には消えてしまうが攻撃している状態で戦場に出るため、実質3マナでパワー6相当の高打点を誇るかなり強力なクリーチャーだ。

 呪禁持ちで直接対処はされにくいが、サイズが2/2と小さいのでブロックされると簡単に倒されてしまう。そこで白と赤の誇るクリーチャー除去で道を切り開いていこう!というのがデッキのメインコンセプトだ。赤の除去と言えばダメージを与える火力呪文で、これはクリーチャーでブロックしてこない相手に対してはプレイヤー本体に直接撃ち込んで短期決着に持ち込めるという点が強みである。

 そして、そこにトラフトと並ぶ3マナ域としてテフェリーが加わったというわけだ。彼の[-3]能力もまたクリーチャーを手札に戻してブロックを防ぐことができるのでトラフトと相性良し。また先にテフェリーから入ればトラフトが打ち消されることなく、天使を《致命的な一押し》などで捌かれダメージを抑えられることもない。

 この安心感に加えて、[-3]能力を自分の《瞬唱の魔道士》や《ヴェンディリオン三人衆》の回収に使えるのも嬉しい。火力を使いまわしたり相手のドロー後に手札を検閲して優位に立とう!

 攻めのデッキにとって、こちらのターンに相手が何も唱えられないというのはこの上ない利点だ。どんな些細なことでも計算が狂って、20点のライフを削りきるターンがズレると、長期戦ができないデッキにとって致命傷になりかねないからね。

 青と白の多色呪文を問題なく使える攻めのデッキにテフェリー、これからどんどんと流行っていくんじゃないかな? アグレッシブなデッキと相対する側もそのあたりを意識して戦っていこう!

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