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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

リアニメイト・コントロール(レガシー)

岩SHOW

 マジックで勝つために重要なことは多数ある。その中でも擬態・騙しのテクニックというものがある。

 将棋などのゲームと違って、マジックでは相手の持ち駒=手札やデッキ内容を知ることができない。この不確定要素の読み合いにおいて、相手に読み違いをさせて罠に誘う……そんなデッキをグランプリ・静岡2018(レガシー)にて発見した。

 最終成績76位(10勝4敗1分け)のデレク・デイム/Derek Dameが使用したリストを見てみよう!

Derek Dame - 「リアニメイト・コントロール」
グランプリ・静岡2018(レガシー) 76位 (2018年11月30日~12月1日)[MO] [ARENA]
4 《
3 《
3 《Underground Sea
4 《汚染された三角州
4 《沸騰する小湖
2 《血染めのぬかるみ
-土地(20)-

4 《悪意の大梟
2 《瞬唱の魔道士
1 《墓所のタイタン
1 《グリセルブランド
-クリーチャー(8)-
4 《渦まく知識
4 《思案
2 《呪文貫き
2 《思考囲い
3 《致命的な一押し
4 《納墓
2 《再活性
3 《動く死体
2 《集団的蛮行
4 《意志の力
1 《最後の望み、リリアナ
1 《精神を刻む者、ジェイス
-呪文(32)-
2 《外科的摘出
2 《虚無の呪文爆弾
2 《呪文貫き
2 《苦花
2 《悪魔の布告
2 《漸増爆弾
2 《基本に帰れ
1 《最後の望み、リリアナ
-サイドボード(15)-
(グランプリ・静岡2018(レガシー)登録デッキリストより)
 

 このデッキは「青黒コントロール」と名付けられていた。《瞬唱の魔道士》《悪意の大梟》という強力なクリーチャーを駆使して相手にやりたいことをさせないデッキがそれなのだが……同時に、このデッキには《納墓》と《再活性》&《動く死体》の、いわゆるリアニメイト・コンボのパーツも搭載されている。

 こいつがこのデッキの肝であり、これらのカードを見せることで「自分はリアニメイトだぞ」と擬態することができるようになっている。青黒のギルド、ディミーアのような虚報で情報戦で混乱させてやろうというわけだ。

 対戦相手が《Underground Sea》から《納墓》、と動いてきた場合、レガシーに慣れ親しんだプレイヤー・知識をかじっているプレイヤーであれば、まず間違いなく「青黒リアニか~」と相手のデッキを判断する。

 このデッキでは《グリセルブランド》《墓所のタイタン》とリアニメイトが釣って勝つために用いるクリーチャーは2枚しか採用されていない。まあ、これらがしっかりと戦場に出てきてしまえば、それだけでゲームに勝ててしまうのでそれはもう願ったり叶ったり。

 ただ、対処されてもOKだ。相手はこちらをコンボデッキだと思い込んで全力でこれを阻止しにくるだろう。釣り上げる呪文を打ち消されたか、あるいは追放以外の方法でクリーチャーが除去されたのであればのもう一度釣り上げて対抗しても良い。

 けれども、このデッキはあくまでコントロールだ。無理して「リアニはさせん!」と肩に力を入れている対戦相手に付き合う必要はない。ジェイスとリリアナの2大プレインズウォーカーでゲームを支配して勝ってしまえば良いのだ。

 これで相手が疑心暗鬼に陥ってくれれば最高だ。また、大型クリーチャーが黒単でかつ6マナと唱えられる許容範囲である《墓所のタイタン》なのは、コントロールしきった時に普通に唱えて勝ちに行くことができるからである。

 サイド後には思い切ってリアニメイト周りをすべてアウトしてしまうのが良い結果に繋がるだろう。対戦相手は確実に墓地対策を積んで挑んでくる。それを空振りさせることができればオイシイ。その際には《苦花》を勝ち手段として入れ替えよう。サイド後は本当にどっしりとしたコントロールとして立ち回って、相手を翻弄してやろう!

 瞬唱と大梟、これらを《再活性》するだけでも十分に強いという点も、このデッキを成立させているポイントだ。こういう、土地基盤が完全に同じデッキのシステムを別のデッキに移植して一体どっちなのかわからなくさせる、というアプローチはとても楽しいものだ。自分だけのデッキ作り、ぜひ挑戦してもらいたいね!

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