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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
プロツアー直前!ギルドデッキ特集 その2(スタンダード)
プロツアー『ラヴニカのギルド』で台風の目になりそうなのは? おそらく多くの方が「ゴルガリ」と答えるだろう。
黒緑のギルド、ゴルガリは死から生を見つけ出すのが生業だ。それを最も体現しているのが《ゴルガリの拾売人》。
このエルフは墓地からパーマネント・カードを回収する能力に3/4のボディを併せ持っているのが実に頼もしい。パーマネントしか拾えない=インスタントとソーサリーを使いまわすことができないので、やや自由度の低いカードに見えるかもしれないが、現在のスタンダードではクリーチャーを使いまわすだけで十分にいろいろなことができる。
最もシンプルにして強力なのは《貪欲なチュパカブラ》回収というムーブ。相手のクリーチャーを貪り食ってやろう。《打ち壊すブロントドン》との相性も◎。
純粋に打ち消されたり手札破壊されたカードを拾うだけでも相手からしたらがっくりくるものだし、それがクリーチャーのような容易に対処できるものでなく強固なプレインズウォーカーであれば絶望的だ。
この拾売人で後から回収できるという安心感は、大胆な行動を後押ししてくれる。探検能力により、重くて強いんだけれども今はまだ唱えられないカードを墓地に落とすというアクションだ。本来は将来の戦力を放棄するということはしたくないが、ゴルガリ・デッキなら大丈夫。重たい爆弾カードよりも、まずは盤面を作り上げることを優先・特に土地をしっかりと置いていく動きを第一に。
《マーフォークの枝渡り》《翡翠光のレインジャー》の探検持ちツートップはゴルガリ・デッキの主役であるとも言える。コイツらにきちんと仕事をさせられるかがカギだ。
8 《森》 6 《沼》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 1 《愚蒙の記念像》 -土地(23)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《マーフォークの枝渡り》 2 《探求者の従者》 2 《野茂み歩き》 4 《翡翠光のレインジャー》 2 《打ち壊すブロントドン》 3 《貪欲なチュパカブラ》 2 《ゴルガリの拾売人》 2 《殺戮の暴君》 -クリーチャー(25)- |
2 《喪心》 2 《ヴラスカの侮辱》 2 《採取 // 最終》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 3 《ビビアン・リード》 2 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(12)- |
2 《野茂み歩き》 2 《貪る死肉あさり》 2 《破滅を囁くもの》 1 《殺戮の暴君》 4 《強迫》 1 《黄金の死》 1 《煤の儀式》 1 《ヴラスカの侮辱》 1 《採取 // 最終》 -サイドボード(15)- |
というわけで、ゴルガリのデッキリストを今一度確認しよう。このデッキも日々進化しており採用カードは変化していっているのだが、このリストのような形は1つのアプローチとして定着している。
探検がカギであれば、そのアクションをもっと強くしよう!ということで《野茂み歩き》の採用だ。
探検するごとにサイズが大きくなり、ライフが3点回復する。このクリーチャーを用いることで、赤単色を筆頭とするライフをガンガン攻めてくるデッキに対抗しようというわけだ。さらに、《野茂み歩き》は1度でも探検しその能力が誘発するとタフネスが4以上になる。こうなると赤単なんかではカード1枚では対処できなくなり、複数枚のカードと交換して手札が尽きるか、あるいは対処できずにモリモリ回復されるか……いずれにせよしんどい展開となる。野茂みを後押しするために《探求者の従者》までも採用されているのも特徴だ。
デッキとしては探検で土地を引いたりドローを調整していって、野茂みで回復したりチュパカブラで除去したりしながら相手に好き放題させず、盤面がイーブンかこちらがやや有利という状況からプレインズウォーカーで蓋をする、という戦術を狙っている。
このプレインズウォーカーの選択もプレイヤーによって微妙に異なっており、これが正解というものはないのだが……最近のトレンドは《ビビアン・リード》重視スタイル。
飛行クリーチャー・エンチャント・アーティファクトを破壊できる能力はさまざまなマッチアップで輝くし、単純にクリーチャーを手札に加えるのを毎ターン繰り返すだけでも相手にとっては脅威だ。奥義なんて決まった日にはGood Gameと言うしかない。
彼女を最優先にしているリストがグランプリにて活躍したので、プロツアーでもおそらくは最も姿を見かけるプレインズウォーカーになるのではないだろうか。
8 《森》 6 《沼》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 -土地(22)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《僧帽地帯のドルイド》 4 《マーフォークの枝渡り》 4 《翡翠光のレインジャー》 3 《貪欲なチュパカブラ》 2 《ゴルガリの拾売人》 3 《殺戮の暴君》 -クリーチャー(24)- |
1 《喪心》 1 《暗殺者の戦利品》 3 《ヴラスカの侮辱》 2 《採取 // 最終》 3 《ウルザの後継、カーン》 2 《ビビアン・リード》 2 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(14)- |
2 《貪る死肉あさり》 2 《再利用の賢者》 3 《強迫》 2 《渇望の時》 1 《喪心》 1 《垂直落下》 1 《アルゲールの断血》 2 《黄金の死》 1 《最古再誕》 -サイドボード(15)- |
プレインズウォーカー以外にゲームを決定づけるカードとして、ゴルガリ・デッキの殿を務めるのが《殺戮の暴君》。
打ち消されない! 呪禁! わかりやすくて信頼できるアンチ妨害仕様の能力に、3回殴れば勝利できるパワー。なんだかんだ、いろいろなカードが試された結果、最後に最も信頼されたのがこの肉体に定評のある恐竜だった。現在世界ランキング1位を突き進むプロツアー殿堂顕彰者、セス・マンフィールド/Seth Manfieldは彼の突き進む強さを体現するかのようなバージョンのゴルガリをグランプリで用いた。《殺戮の暴君》3枚型である。
このカードを3枚も用いるとなると、マナを伸ばすカードが欲しくなる。《ラノワールのエルフ》に加えて《僧帽地帯のドルイド》でマナクリーチャー8枚体制、これで比較的早いターンから暴君を連続展開することも狙える。これは前回紹介した「イゼット・フェニックス」のようなダラダラやっていると一瞬の隙にライフを持っていかれるようなデッキと戦う際には効果的だ。やられる前にやる、これは対ゴルガリ同型においても機能するアプローチだろう。
ゴルガリはおそらくはトーナメントの上位に名を連ねるだろう。除去とプレインズウォーカーと暴君、これらのカードがあれば大抵のデッキに対応することができる。その上で、一体どのカードをどれだけ採用したリストが勝つのか、そこが興味深い。《陰惨な生類》を用いたコンボ寄りのものなどが活躍するかもしれない。プロツアーは黒と緑に染まるのか?
プロツアー『ラヴニカのギルド』 日本語実況生放送
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